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【性的魅力1】の底辺陰キャ、美少女魔王の暗殺者になってクラスを崩壊させることにした  作者: N


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第17話 ポチ


 その日の夜。


 俺は誰もいない部屋でこっそりと、寝っ転がりながら次の標的の準備を色々としていた時のことだ。急にコンコンと扉から鳴り響くノックに肩をビクッと震わせる俺。


 心臓が止まったかと思ったが、ここで焦ったらダメだ。俺はベッドから起きて扉を開ける。もちろん魔力を体に纏わせて、最大限警戒しながらゆっくりと。


 と、そこにいたのは、確か、斗真とかいう名前の純粋で優しそうな男子が緊張しているかのように立っていた。俺は斗真と話したことは一度もない。かといって別に斗真に対して、棒緑のようなネガティブなイメージも無い。いたって普通の男子。


 それがなぜ俺のところに?いや、オタ二人に用があるだけかもしれない。もしくは、俺が暗殺者と見抜いて……。


「ああ、ごめんな?休んでたところ」

「え?あ、いや、別に……」


 斗真は特に疑っていたというわけでもなく、普通に会話してきた。とりあえず早く要件を言って欲しい。やっぱ怖えよ急に話したことも無いような人が来るなんて。


「あの、用件は……オタ二人は今いないですけど」

「あ、違うんだ。要があるのは千温だよ」

「は?え、俺ですか」

「ああ。それに、我利と太田いないんなら話しやすいしな。今だけ入っていいか?」

「え、まあ」


 俺を殺しに来た刺客だとしても、俺は魔力はお前らより扱える。無理やり扱えるように脳を書き替えられただけだけど。だからまあ入れても問題ないだろう。返り討ちにできるはず。


 俺はひとまず斗真を部屋に招き入れた。斗真は遠慮気味に部屋の真ん中に立って、「ちょっとだけ離れてて」と一言呟くと、急に詠唱をして、淡く青く光る魔方陣を呼び出す。しばらくして、だんだん光が強くなる魔方陣から現れたのは……白い狐の子供だった。それが2体。


「え」


 可愛い。クソ可愛い。この純粋そうな真ん丸な目。この世界を何も知らなそうにクンクンと周りを嗅ぐ仕草。四足歩行でちょこちょこ歩く姿。後ろ足で顔をかきかきしてリラックスしている姿。モフモフとしたしっぽ。


 なんだか、九尾狐を彷彿とさせるデザインだ。で、なぜ俺の部屋に解き放った……。


「お願いがあるんだ、この狐の1匹を育ててやってくれないか!」

「え、いや、その、なんで……」


 斗真は手を合わせて俺に頼み込んで来た。俺は戸惑いを隠せない。マジでなんで。


「いや、この前森を散歩してたらさ、なんか、なんとな~くビビっと来たんだよ。そしたら、その白い狐の子供が二匹、身体がやせ細ってて飢えてたんだ。僕は周りに母親らしき狐がいないか確認してから、テイム能力を使って仲間にして、飯を食わせてやったんだ。この狐、かなりレアな魔物らしくてさ。人間に化けるんだとか。かっこいいだろ?

 その後、岸に相談したら、普通魔物は部屋に入れちゃいけない。だが特別、1匹だけなら許すだってさ。そしたら、もう一匹はこのまま野生に返すわけにもいかないだろ?いずれテイムした魔物用の部屋は作るつもりだが……それまでの間預かってほしいんだ!なんなら、懐いたんなら君の魔物にしてもいい!」

「……」


 なるほど。事情は分かった。……んだけど、やっぱり意味が分からない。


「その、なんで、俺?なんすか」

「ああ、そのことか。君、動物好きなんじゃない?クラスでも君、いつも寝てるのに動物関連はけっこう興味示したり、虫と遊んでたりしてたし」

「え?あ、まあ」


 普通に虫と遊んでるとこ見られたの恥ずかしいんだが?


 まあ、動物が好きなのは正解だ。動物は人間のようにクソみたいな嘘をつかない。感情表現は豊かだ。嫌なものは嫌、楽しいときは楽しい、嬉しいときは尻尾を振ったり表現をしてくれる。そして俺がどんなにブサイクでも懐いてくれる。


 ていうか、容姿も可愛いんだよマジで。犬も猫もインコもトンボも全部。……トンボは昆虫か。まあいいか。


 斗真は再び手を合わせて頼み込んでくる。


「というわけで、預かってくれないか?お願いだ。餌も僕が用意する」

「……まあ、はい。オタ二人が大丈夫、なら……」

「ありがとう!千温!まあたしかにあの2人も住んでるんだから許可取らないとだよな。分かった。大丈夫そうならまた教えてくれ。餌もここに置いとくから。ありがとうな」


 斗真は袋に入った餌を俺の机にいくつか置いて、部屋を出ていった。この餌を見て見るが、これは、1ヶ月分くらいはありそうだ。まあまあな量だ。1ヶ月ごとに斗真に餌貰いに行くの、緊張するしだるいんだが……。


 ---


 その後、出かけていたオタ2人が部屋に戻って来た。


 俺は別にこの2人とすごく仲が良い、さらけ出せる……というわけでもないので、未だに話しかけるだけでもめちゃくちゃに緊張する。でも隠しながら育てるなんてできねえ。俺は精いっぱい声を出した。


「あ、あの」

「……はい?千温殿、呼びましたかな?」


 太田はどうやら気づいてくれたようだ。本当に自分の声気持ち悪すぎて、大声出したくても出せねえの辛すぎるよ~……。


「えっと、確認したいことがあるんですけど……」

「なんでござるか?」

「えっと、あの……きつね、とか……」

「きつね?いや、ワシは緑のたぬき派だが」


 カップ麺の話じゃねえよドアホ!俺はしかたなく、後ろに隠していた狐を前に持ってくる。我利と太田はその狐を凝視した後、目を輝かせた。


「うおおお!なんでござるか!?そのキュートな白い狐ちゃんは!」

「すげえ!これ、成長したらもしかして尻尾が9本になる奴じゃね!?」


 謎に好評だった。


「えっと、この子をこの部屋で飼うことになったんですけど、いいですか」

『おけです!』


 とりあえず、狐に関しては何とかなった。


「名前はきまってんのか?」

「確かに、名前は気になるでござるな」

「あ、いえ、決めてないです」


 ああ、そう言えば貰ったばかりだし、気にしてもいなかった。名前かあ。俺名前決めるセンス皆無なんだよなあ。だいたいゲームでも「あ」とか「ああああ」だし。


「ルリちゃんとかどうでござるか?」

「へえ、太田、なんでだ?」

「推しのアイドルと同じ名前なんだよなあ」

「却下」

「何ででござるか!?」

「いや、太田も推しの名前つけて罪悪感とかそういうのないのか?」


 ルリ、も悪くないけど、なんか太田がそういう名前つけて変な情とか湧かれてもきもいしな。普通に童物として接してほしいところだが……。動物だもんなあ。俺はもうめんどくさくなって呟いた。


「いやまあ、ポチでいいんじゃないすか」

「いや、狐にポチって……」

「いいでじゃないでござるか。ポチ。ペットと言えばポチでござる」

「もう二人が良いんならいいけどさ。もっとかっこいい名前にしてもよかったんだが」


 我利だけは不満なようだが、俺と太田は別に構わないと言った感じなので、とりあえずポチと命名した。俺の命令を従順に聞けるようになれば、暗殺でも役に立つはずだ。化けることができるとなると、良い使い方もできそうだし。


 何よりこの暗殺という毎日に安らぎや癒しができた。いいねえ。これからが楽しみだ。絶対懐かせてやる。いくらチー牛顔でも、動物なら懐く。人間には懐かない、とかはないよな?




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