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【性的魅力1】の底辺陰キャ、美少女魔王の暗殺者になってクラスメイトを葬ることにした  作者: N


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第16話 振子



「ねえ、やめてよもう……」

「早く白状したほうが楽だと思うよ?今なら許してあげるから……私たちも安心したいの」

「さすがに頑固すぎない?もうわかってんだからさあ」


 今日も振子の周りには陽菜や夕美などの女子生徒が囲んでいる。あの時から1週間、こんな感じで振子はいじめのような扱いを受けている。


 陽菜は魔法を使って水をかけたり、夕美は弓の練習と言って、壁に振子を押さえつけ、顔の真横などギリギリを狙って矢を放ったり。


 犯人はもちろん、振子ではなく俺なのだが……振子も絶対にやっていないものはやっていないと意志を曲げずに耐え続けている。まあ、俺だってこうやって罪を擦り付けるのは罪悪感が無いわけではない。でも、やっぱ人の不幸見るのって……た~のしいわ~。


 振子は時々、耐えかねたのか周りにいる男子にぶりっ子らしく助けを求めるが、男子も女子たちのねちっこい恨みを買いたくないからかスルーする始末。振子も棒緑に助けを求める勇気は無いようで、棒緑にはノータッチだ。


 まあ、女子もこういうことするのに優れてるのか、岸や池麺たちには見つからないところで上手くやってんだわ。池麵は勇者ということもあって色々と忙しく、岸と行動することも多い。だからこそその二人がいない隙が多いんだよな。


 そのほかのクラスメイトに見られたところで、絶対に誰も告げ口しないことも分かってるんだろう。そりゃな、みんな犯人なんて分からないし、モブ崎も消えて魏屋琉も死んだ。不安だし早く安心したい。それに自分に容疑をかけられたくないのは人間の真理だ。


 俺もあれから新たな暗殺は実行していない。振子がまだ生きてる中でまた殺しなんかしたら、せっかくの振子への容疑も晴れてしまう。早く振子死んでくれないかなあ……とは思うが、焦ってはいけない。自滅するのをひたすら待つ。俺なら振子みたいな状況だったら死にてえよ。


 にしても、振子もよく耐えられるな。でも、流石に限界も近いか?俺は隅っこの席で頬杖をつき、空を眺めながら楽しみに待っていた。


 ------


 その翌日。振子は訓練場横の木に紐をかけ、首を吊って死んでいた。クラスは沈黙に包まれている中、小声で話し合うのは陽菜と夕美。


「わ、私たちのせいじゃないから……ね?早く白状したら許すって言ったのに、か、勝手に自殺したんでしょ?」

「い、いや、でも流石にやりすぎたんじゃ?」

「でも大丈夫だよ……これでスパイはいなくなったんだし……ね?」


 2人は自分を正当化しようとする割には、予想外だったようで顔を青ざめていた。それを不思議に思った池麵は彼女たちに声をかける。


「顔色悪そうだが、何か知っているのか?」

「い、いや、違うの……急にまた死んで……怖くて……私も振子のこと疑っちゃったし、私のせいなんじゃ……」


 おーおー、名演技。さっきまで焦ってたというのに。池麵もその名演技に騙され、彼女らを励ます。


「大丈夫。あんな状況になったら、誰だって疑心暗鬼にもなるさ。皆だって辛い……一人で抱え込まないで欲しい。振子みたいな犠牲者をこれ以上出さないためにも」

「池麵君……」


 陽菜は池麵のイケメンスマイルにノックアウト。死ね。


「そうだぞ、夕美。お前のせいなんかじゃない」

「郁也君……」


 夕美は彼氏である郁也に肩ポンされてノックアウト。死ね。


 とりあえずお前らもいずれ殺すからいいとして、ここまでは本当に順調だ。マオ達と一緒に考えた作戦は上手く行っている。とはいえ、ここからが本番といった感じでもある。一度振子に容疑をかけ、そのまま死んでいったが、再び俺がクラスメイトを手にかけ死人が出るんだからな。


 クラスメイトの疑心暗鬼が再び訪れるのは避けられない。今回は上手く振子に冤罪を掛けることができたが、次からそう上手く行くかもわからん。


 また、作戦会議だな。俺はその夜、魔王城へ再び転移し、報告に行った。



 ------


「チハル、よく頑張りましたね。お手柄ですよ?」

「え、あ、いやそんな、別に……」


 マオは報告を聞いて、俺にニコッとはにかんだ笑顔を向ける。


 まー褒められ慣れていないものだから、素直になれないしどもるどもる。首をポリポリする手が止まらん止まらん。マオも可愛すぎるし女神すぎる。こうやって俺を認めてくれるのはあなたしかいないぜ全く。


「チッ。デレデレしやがってこの発情サルが」


 聞こえてますよシロさん。許してくれよ、俺だって男なんだぞ。童貞が、こんな二次元のヒロインを体現したような超絶美少女を前にしたらどうにもできんって。殺さないでくれよ?睨まないで怖いって。


「それにしても、もうそろそろ魔力の操作も慣れてきたころじゃないですか?クラスメイトの皆さん」

「え?あ、まあ、確かに?」


 岸の授業は少しレベルアップしていた。「敵の奇襲に備えて、常に体に魔力を纏え。魔力は脆い人間の身体を強固にしてくれる。急に後ろから刺されてもいいようにな」なんて物騒なことを言っていた。うん。俺がその物騒なことを巻き起こしてるんだけどね。


「でも、なんでわかったんですか」

「チハル、今日はちゃんと魔力を纏ってここに来ましたからね」

「あ、ああ……」


 俺も岸の授業の通り、常に魔力を纏うようにし始めたんだよな。今思えば、以前の魔族会議の時、俺は魔力も纏わず隙だらけだったってことだろ?そう言うのはもっと早く教えてほしかったものだ。


 極めれば、寝ているときも無意識に纏えるようになるとのことだ。そうなると、暗殺はしずらくなるんだろうなあ。早めにクラスメイトの芽は摘んでおきたいところ。


「じゃあ、やっぱ早めにどんどん殺してった方がいいんですかね……」

「いやいや、ダメですよ。もう……スキルを見てください。丁度いいものがあるじゃないですか」

「え?あ……」


 俺はステータスプレートをもう一度見てみる。そういえば、俺も忘れてたけど、こんなのあったな。


「防御貫通……ですかね」

「はい。自分よりも格下相手や同等なレベルなら、魔素の防御も無視して相手を貫けます。でも、スキルのレベルが低かったり、相手が格上だった場合は防御を貫くのが難しくなります。なので、毎日訓練は欠かさないでくださいね?例えば、少し高レベルな魔物を相手に防御貫通で倒してみてはどうでしょう。この辺の森には魔力量の多い魔物は多いですから。そうです、毎日ここにきて訓練しましょう!」

「え……まあ、はい」


 ダル……と思ったけど俺にそんな拒否権などない。まあ、その訓練を怠って後の暗殺でへまをやらかす方がだるいだろうし、やったほうが良いんだろう。


「次の相手は、あの方たちですね。相手は戦闘職……チハルなら大丈夫だとは思いますが、お気をつけて」

「あ、はい」


 俺はマオのスマイルを横目に焼き付け後、この場を後にした。


 次の標的は、あいつらだ。






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