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【性的魅力1】の底辺陰キャ、美少女魔王の暗殺者になってクラスを崩壊させることにした  作者: N


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第13話 魏屋琉

 ※食事中の方注意



 ------



 俺は魔族との会議を終え、自分たちの城へと戻る。


 ひとまず、俺が魔族に伝えておいたのは、できるだけ殺したくない人間のリストアップだ。我利、太田、本田、清楚。まあ、関わったことは無いが、陽菜、斗真、胡桃、秀才も念のためそのリストに入れておいた。


 勇者である池麵は最高戦力であり、人間族を降伏させるためにも、もう殺すことは避けられない。というか、俺自身もイケメンなの許さねえから別に死んでも構わない。


 あとは、魏屋琉、棒緑、半寒の3人。この後狙うのは、一番狩りやすいであろう魏屋琉の予定だ。ただし、立て続けにこいつらを殺せば、いじめっ子グループに恨みを持っているであろう俺に懐疑の視線を向けられるだろう。だから、魏屋琉を殺した後は、棒緑と半寒をしばらく泳がせておく。


 あとは個人的な恨みだが、夕美と郁也という、毎日イチャイチャを見せつけてくるクソリア充カップル。いつもぶりっ子なキャラを演じて男をバカにしている振子。筋肉が無い奴は努力不足とバカにしている肉男。こいつらもいずれ殺すつもりだ。


 これだけでも、かなりの戦力を削ることができるはずだ。魏屋琉、棒緑、半寒、肉男、リア充カップルは戦闘職だしな。清楚や本田、秀才のような非戦闘職もいるが、戦闘職さえいなくなれば特に機能することは無いはずだ。


 あとはバレないように、俺が一人ずつ消していくだけだ。……俺は部屋に戻り、ベッドで大きく深呼吸をする。


 俺はここまで責任重大な役割を持ったことがあっただろうか。いや、ない。俺はマオに期待されている。温厚な魔族の未来を背負っている。こんな重圧、耐えられねえよ。


 でも、初めて褒められた。初めて期待された。初めて、生きている価値を感じた。俺はマオのためにやるしかねえ。できる。すでにモブ崎も殺せた。上手く立ち回ってみせるさ。


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 あれから数日が経った。


 いつまで経ってもモブ崎は姿を現さないため、岸はひとまず行方不明として捜索隊を派遣した。まあ、無駄なんだけどな。


 魔族領まで行けば、もしかしたらモブ崎の血がまだ残っている可能性もあるため、死亡を確認できる可能性も無くはない。だが、だから何だという話だ。


 まだ死亡が確定していない今はクラスメイトの不安をあおることも無いし、俺は比較的自由に動ける。棒緑は未だにイライラしているがな。


 で、最近では魔力操作の訓練も開始された。ほとんどのスキルは魔力を消費するため、本格的に自分の能力を開花させるフェーズに入ったということだろう。できるだけ、全員が覚醒する前に仕留めたいところだ。


「見て見て、綺麗な薬草の花が咲いたよ」


「すご~い!可愛いね!」


「ほら、私も見て!指から炎出せるようになったよ!」


「あ、陽菜、危ないって!もう、草木が燃えちゃうでしょ?」


 あれは、精霊術師の胡桃、聖女の清楚、魔法師の陽菜の3人組だ。あの陽キャ女子共は仲が良く、いつも3人でいるようだ。


「う~ん、弓って扱うの難しいんだね」


「夕美、任せろ、ここはこうやって……」


「あ、引きやすくなったかも!ありがとっ!」


 あれは弓使いの夕美と、剣士の郁也。今日も訓練中に二人でイチャイチャして抱き合っている。死ね。とりあえず死ね。イケメン死ね。死ね。死ね。


 人間界はルッキズムさ。生物学的にも、メスは健康そうな見たイケメンで自分より優秀な遺伝子を求めるようにできてるからな。昔はブサイクでも結婚できた?違うね、自由恋愛になったことで、妥協せず女子は本能を全開にしているだけだ。


 ……はあ、ここでイライラしても仕方ない。どうせこいつら殺すんだから。魔族にとっても厄介だしな。


 みんなモブ崎の事も忘れ、訓練に明け暮れる。ある程度魔力の操作が様になってきているようだ。スキルも発動できるようになってきている。俺はそれをのんびりと観察している。敵情視察って感じかな。


 さて、決行は明日。自信は……ないけど、なるようになるだろう。打ち合わせもしたんだから。いざとなれば、逃げればいいさ。


 ---


 翌日、午前の訓練後の昼休憩の時間が訪れる。


 この世界でも寮は男女で分かれているのだが、食堂も女子寮と男子寮のそれぞれに併設されている。俺は男子寮に戻る。


 まあ、部屋の中ではオタ達と仲良くしゃべったりしているが、部屋の外ではできるだけ関わらないようにしているために、俺はボッチだ。ボッチ飯だ。美味いぞ、ボッチ飯は。自分のペースで食えるから。ぐすん。


 で、ボッチ組はなんだかんだ言って俺の他にもいる。秀才だ。あいつは賢者だったか。その頭脳からか、サポートや妨害系と言ったところだ。まあ、天才ゆえに誰も近づかないんだろうな。「友達とかいらないし……」とか思ってそう。


 あ、勘違いしないで欲しいのは、俺のようなチー牛陰キャは、友達が欲しくないわけじゃないってことだ。ゲームだって友達と盛り上がりたいしさ。同じ趣味の話だってしたい。ずっと一人が良いってわけじゃねえんだわ。ただ、外見がきもいだけで避けられてるだけで。それを自覚してるだけで……。


 すると、女子寮の方が何やら騒がしい。悲鳴が聞こえたり、怒声が聞こえたり……。何があったんだろうか。ただ、男子達も女子寮に入っていい訳じゃないから、何があったのか想像することくらいしかできない。


 ---


 この時、女子寮の食堂ではトラブルが起きていた。


 魏屋琉、陽菜、清楚、胡桃の4人は、同じテーブルに座って昼食を楽しんでいた。魏屋琉はかなりの潔癖らしく、自分の箸やフォークを持ち込んで食べていた。


「あ、これちょーだい」


「いいよ~」


「これもどうぞっ」


 食堂はバイキング形式でいろんな食べ物を取ってこれる。陽菜、清楚、胡桃は食べ物を交換し合っている。魏屋琉はあまりそれに参加したことは無いほどには潔癖だ。


 4人は会話しながら昼食を進めていたのだが……魏屋琉の身体に異変が起こる。急に黙り込んだ魏屋琉の顔が見るからに青ざめていく。正面に座っていた胡桃が声をかけた。


「魏屋琉?どうしたの?顔色悪いよ?」


「え、あ、いや別に何でもないし……」


 魏屋琉は平静を装った。しかし、胃酸が喉にこみ上げてくる感触に、あまりに強い吐き気に耐えながら、何とか胡桃と会話しようと試みる。


「ね、ねえ?」


 その瞬間、我慢の限界となった魏屋琉は、正面の席の胡桃に向かって、喉にこみ上げてきた汚物をすべて思いっきり吐き出した。


 食堂は一瞬で沈黙に包まれた。もろにかかった胡桃は、しばらくして、目に涙を浮かべ泣き始めた。


「ちょ、ちょっと魏屋琉!汚いし、最低じゃない!?」


「魏屋琉ちゃん、さすがにそれはひどいと思う……大丈夫って言ったでしょ?それに下を向くことだってできたのに……」


 陽菜と清楚は、あまりの出来事に魏屋琉に冷たい視線を送る。陽菜はすぐに胡桃を介抱しながら、シャワー室へと連れて行く。


 誰も心配してくれない。確かに、ぶっかけたのは悪いが……それになんで?さっきまでずっと元気だった。なのに、急に吐き気が来た。魏屋琉は絶望の眼差しで清楚たちを見る。


「ご、ごめん、ごめんって……」


「謝る相手は、胡桃ちゃんでしょ?」


 清楚は泣きながら連れて行かれる胡桃たちを指さす。しかし、追いかけようにも、もうすでに体に、足に力が入らない。


 女子たちは皆、汚物のように魏屋琉を見ていた中、そこへ、たった一人、魏屋琉の元へと駆けつける女子がいた。


「だ、大丈夫ですか?」


「……本田?」


 それは本田だった。本田はすぐに魏屋琉に手をかざし、スキルでヒールを唱えた。魏屋琉に緑色のまばゆい光。状態異常や毒を治す効果に注力している。魏屋琉は感動していた。こんな中で自分を心配してくれる人がいることに。


 しかし、魏屋琉の容態はよくなるどころか悪化して、さらに嘔吐してしまった。意外にも、本田は素早くその場から離れる。


「えっと、その、私のスキルじゃ、どうにもできませんでした……ごめんなさい、ごめんなさい!」


 本田はすぐに目に涙を浮かべながら、ひたすら謝り始める。しかし、清楚はそんな彼女に言葉を差し伸べる。


「大丈夫だよ、栞ちゃん。とにかく、今は魏屋琉ちゃんが心配……だれか、医者を、岸さんでもいいから呼びに行ってくれませんか!」


 清楚は皆に呼びかける。周りの女子たちは戸惑いながらも、リア充コンビの一人、夕美が岸を呼びに走っていった。


 その間にも、魏屋琉の意識は徐々に薄れていった。きっと、助かる……最初は気持ち悪がっていたけど、みんな今は助けて、くれる……よね?



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