785 お母さん、怖い
イーノックカウのお家に帰ると僕はお母さんにすぐ、すっごい武器のことを話したんだ。
「お母さん。ゴブリンをやっつけるすっごい武器、作りに行っていい?」
「ゴブリンを?」
最初は僕のお話をニコニコしながら聞いてたお母さんなんだけど、すっごい武器って聞いたらすぐに怖いお顔になってゆっくりとお父さんの方を見たんだよ。
「ハンス。ちょっとお話をする必要があるみたいね」
「ちっ、違うんだシーラ。別にルディーンをゴブリン退治に連れ出そうと言う訳じゃない。怒る前に説明を、とにかく説明だけでも聞いてくれ」
お母さんがすっごいお顔になってるもんだから、お父さんは大慌て。
それに僕もこのままだとケンカになっちゃうかもって思ったから、すぐに違うよって教えてあげることにしたんだ。
「お母さん。僕、間違えちゃった。やっつけるのはゴブリンじゃなくって、ゴブリンの村の前に置いてあるばりけーどってやつ。それをすっごい武器でやっつけるんだよ。だからゴブリンをやっつけに行くんじゃないんだ」
「そうなの、ゴブリン集落の入口を塞いでいるバリケードを壊す手伝いをして欲しいと言われたのね。偉いわ。……ところでなぜそんな話になったのか、こんなに小さくてかわいいルディーンがなぜゴブリンの集落に行くことになったのか、”無知な私には”まるで想像もできないのだけれど。”理解力のない私にも”ちゃんと解るように説明ができるのでしょうね、ハァーンス!」
僕ね、やっつけるのはゴブリンじゃないって解ったらきっとお母さんは安心してくれると思ったんだよ。
でも違うよって教えてあげたらもっと怖いお顔になっちゃったんだもん。
だから僕もお父さんも、すっごく怖くなってぶるぶる震えちゃったんだ。
「まぁまぁ。お母さん、ルディーンが怖がってるよ」
「えっ? あら、ごめんなさいね、、ルディーンを怒っているわけじゃないのよ」
そしたらそれを見たテオドル兄ちゃんがお母さんに怒っちゃダメだよって。
お母さんもそれを聞いて、怖いお顔からいつもの優しいお顔になってくれたんだ。
「まったく。ルディーンはまだ小さいんだから、言葉が足らないのはいつものことだろ」
「ディック兄さんの言う通り、ルディーンの説明だと大事なところが抜けてるね」
それを見たディック兄ちゃんとテオドル兄ちゃんは呆れたお顔をしながら、冒険者ギルドでのことをお母さんに教えてあげたんだよ。
「なるほど。集落に近い別の場所を用意するから、そこでルディーンに魔法を使って欲しいと依頼されたのね」
「ルディーンの魔法のことが他の冒険者にばれないように気を付けるとまで言ってたから、連れて行っても多分大丈夫なんじゃないか?」
「それにこの話の発案者はロルフさんらしいから、その辺りはしっかりしてると僕も思うな」
ロルフさんの名前が出てきたら、お母さんはそれなら大丈夫そうねって安心したお顔になったんだよ。
「まぁ、そうなの? ロルフさん、ルディーンのことを本当の孫みたいに思っているようだもの。あの人が言いだしたことなら、私も安心できるわ」
「それじゃあ僕、ゴブリンをやっつけに行っていいの!?」
お母さんが大丈夫みたいなこと言ったから、僕もゴブリンをやっつけに言ってもいいのかもって思ったんだよ。
でもね、
「ルディーン。道具を作るのはいいけど、ゴブリン退治に参加するのはダメよ。解ったわね」
それを聞いたお母さんはちょっと怖い笑顔で、僕にダメだよって言ったんだ。
読んで頂いてありがとうございます。
短くて済みません。
今回のこれは父の死のショックがまだ抜けていないからという訳ではなく、月火と泊りの出張が急遽決まりまして日曜日がその準備でつぶれてしまったからです。(商工会議所や年金事務所、それに税務署関係でやらなければいけないことがまだ山積みなのに出張……49日の法要もまだだし)
とりあえず土曜日に書いておいたものがあったのでなんとなく形になりましましたが、いつもの半分以下の分量で申し訳ありません。
あと魔王信者に顕現させられたようですに関しては火曜日が通常の定時より早く帰ってこれそうなのと、すでに数話分のプロットがつなぎで書いてあるので多分いつも通りの分量でアップできると思います。一番大変な書き出し部分も少しですが書いてあるし。
まぁ、渋滞などに巻き込まれる可能性が無いわけじゃないので、その場合は今回の転生0同様1000文字くらいになるかもしれませんが(汗




