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夏の暑さが「Level up!」した(その二)

 しかし、無駄(むだ)無駄(むだ)無駄(むだ)ーっ!


 翌年(よくねん)の夏(なつ)、男性(だんせい)が名簿(めいぼ)の名前(なまえ)に横線(よこせん)を引(ひ)いていた。


 名簿(めいぼ)には「三年(さんねん)一組(いちくみ)」とあって、


「俺(おれ)のクラスも全滅(ぜんめつ)か」


 枯(か)れるアサガオ。絶望(ぜつぼう)の表情(ひょうじょう)で、それを眺(なが)める小学(しょうがく)三年生(さんねんせい)たち。


 そんな光景(こうけい)が、日本(にほん)中(じゅう)で発生(はっせい)していた。


 この事態(じたい)に、文科(もんか)省(しょう)は頭(あたま)を抱(かか)える。


 暑(あつ)さの質(しつ)が、昔(むかし)と違(ちが)いすぎるのだ。


 文科(もんか)省(しょう)は決断(けつだん)する。


「仕方(しかた)がない。アサガオの観察(かんさつ)日記(にっき)は、小学(しょうがく)五(ご)年生(ねんせい)の学習(がくしゅう)範囲(はんい)に変更(へんこう)だ!」






 しかし、無駄(むだ)無駄(むだ)無駄(むだ)無駄(むだ)無駄(むだ)ーっ!


 この年(とし)も枯(か)れるアサガオ。絶望(ぜつぼう)の表情(ひょうじょう)で、それを眺(なが)める小学(しょうがく)五(ご)年生(ねんせい)たち。


 文科(もんか)省(しょう)は再(ふたた)び頭(あたま)を抱(かか)える。


「くそっ!」


 冷房(れいぼう)のきいた室内(しつない)で育(そだ)てるのを推奨(すいしょう)しているが、人間(にんげん)とアサガオでは適温(てきおん)が違(ちが)う。


 よって、枯(か)れる。枯(か)れまくる。


 で、まだ無事(ぶじ)なアサガオのもとに、クラスの他(ほか)の子(こ)どもたちが集(あつ)まってくる。


 そして、枯(か)れる。みんなの前(まえ)で。


 小学(しょうがく)五(ご)年生(ねんせい)たちに、現実(げんじつ)の厳(きび)しさを教(おし)えまくっていた。


 文科(もんか)省(しょう)は決断(けつだん)する。


「仕方(しかた)がない。アサガオの観察(かんさつ)日記(にっき)は、中学(ちゅうがく)一年生(いちねんせい)の学習(がくしゅう)範囲(はんい)に変更(へんこう)だ!」


 さすがに中学生(ちゅうがくせい)なら、何(なん)とかしてくれるはず。






 が、無駄(むだ)あああああああっっっっっっっ!


 中(ちゅう)・学(がく)・生(せい)・大(だい)・敗(はい)・北(ぼく)!


 枯(か)れるアサガオ。あきらめの表情(ひょうじょう)で、それを眺(なが)める中学(ちゅうがく)一年生(いちねんせい)たち。


 しかし、文科(もんか)省(しょう)は動(うご)かない。


 来年(らいねん)も続(つづ)ける。アサガオの観察(かんさつ)日記(にっき)は、中学(ちゅうがく)一年生(いちねんせい)の学習(がくしゅう)範囲(はんい)だ。


 というのも、来年(らいねん)の中学(ちゅうがく)一年生(いちねんせい)には期待(きたい)している。


 彼(かれ)らは小学(しょうがく)五(ご)年生(ねんせい)の時(とき)に、アサガオの観察(かんさつ)日記(にっき)に挑戦(ちょうせん)している。つまり、次(つぎ)は二(に)回(かい)目(め)なのだ。


 だったら、前回(ぜんかい)の失敗(しっぱい)を活(い)かして、何(なん)とかしてくれるはず。






 翌年(よくねん)だ。


 どきどきしながら見(み)守(まも)る文科(もんか)省(しょう)だったが・・・・・・。


 中(ちゅう)・学(がく)・生(せい)・敗(はい)・北(ぼく)!


 しかし、完全(かんぜん)なる敗北(はいぼく)ではなかった。


 アサガオは全滅(ぜんめつ)していない!


 枯(か)れなかったアサガオがある!


 たった数例(すうれい)ではあるものの、これは光明(こうみょう)だ。


 アサガオの観察(かんさつ)日記(にっき)は、日本(にほん)の子(こ)どもたちにとって、不可能(ふかのう)なものではない。やればできる!


 文科(もんか)省(しょう)はすぐさま調査(ちょうさ)した。この暑(あつ)さでアサガオを枯(か)らさない、その秘訣(ひけつ)は何(なん)なのか。


「全員(ぜんいん)が農家(のうか)のお子(こ)さんたちでした」


 つまり、全員(ぜんいん)が専門家(プロフェッショナル)の支援(サポート)つき。


 農家(のうか)のノウハウを使(つか)ってようやく、何(なん)とかなるかもしれない、そんなレベルなのだ。


「この暑(あつ)さで、アサガオを枯(か)らさずに育(そだ)てるのは、中学(ちゅうがく)一年生(いちねんせい)には難(むずか)しすぎるかと」


 だったら、次(つぎ)は中学(ちゅうがく)三年生(さんねんせい)だ!


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