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セイロンガー外伝2☆わたしのセイロンさん  作者: 月極典


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27/28

野生のおじさんがセイロンさんに出会った

『ど正論ヒーロー セイロンガー』のスピンオフ作品。

真由美とセイロンガーの登下校を中心に日常を描きます。

セイロンガー本編はこちらから

ど正論ヒーロー セイロンガー

https://ncode.syosetu.com/n6961kj/


 真由美です!


 野生の動物みたいなおじさんが、たばこの煙を残して通り過ぎていきました。護衛のナインさん、まだ緊張が抜けてないようです。


「真由美お嬢様、別冊マリーゴールドは私が買ってくるので、自宅に戻っていてくれますか?」


「え!? でも少女マンガ雑誌ですよ?」


「大丈夫です。自分は子供の頃、3つ上の姉貴に『せぼん』とかを買いに行かされてたので」

『せぼん』は小中学生が大好きな可愛い少女マンガ雑誌です。私も前は毎月買っていました。


「でも、どうして……」


「あの男、私の予想が外れてなければ危険な男です。VVEIに加入すれば大きな脅威となるでしょう。それに、あちらの方向は……」


「セイロンさんのマンション!」


 日曜日だからセイロンさんはお出掛けしているか、お家でリラックスしているはず。だから野生のおじさんと遭遇はしないはず……って、いたーー!


 遠目に見てもわかるあの長身に赤いヒーローマスク。薄緑色の作業着と揃いのキャップを被っているけど、間違いない。セイロンさんだ!


 ちりとりと箒を手にマンション周りの清掃中なんだ。今日、日曜日ですよ? ゆっくりして下さいセイロンさん。


 ナインさんは足音を立てずに野生のおじさんの後を追い、私もこっそり後ろに続きます!

 

「あの、お嬢様。なんで付いて来ちゃいました?」

 もうバレちゃった。

「それよりナインさん、ほら。おじさんがセイロンさんに向かっていきますよ?」



 野生のおじさんが清掃中のセイロンさんに声を掛けました。

 

「あんちゃん、掃除ご苦労さん。ちょいと聞きてぇんだが」


「何でしょう」


「お、流行ってんのか? それ」


「それ、とは」


「お面だよ。さっきのあんちゃんも被ってたからよ」


「……流行っているという話は聞かないが。それで、聞きたい事とは?」


「あぁ、VVEIってぇ会社に行きてぇんだが、知ってるかい?」


「……よく知っているが、ここからだと車で20分ほどかかるが? 一体何を頼りにここまで来たんだ?」


「……勘だ」


「迷ったんだな? 今、地図を書いてきてやるから待っていろ」


 マンションに入ったセイロンさん。しばらくしてメモを持って戻ってきました。相手が誰だろうと優しいセイロンさんです。


「ここを真っ直ぐ行くと大通りに出る。そこでタクシーでも拾って行くといい」


「タクシーか。今、金がねぇから、歩いていくわ」


「ちょっと待て。見たところ、若くもないようだし無理をするな。……これだけあれば足りるだろう」

 セイロンさんはポケットからいくらかわからないけど、お札らしきものを渡しました。前もイカの怪人さんにお金あげたりしていたっけ。


「お、悪いなあんちゃん」


「その金でパチンコ屋に入るなよ?」


「……何でわかった?」


「勘だ」


「ちっ、おきゃあがれ」


 そう言って野生のおじさんは大通りに向かって歩いて行きました。また何か歌いながら。


 ナインさんと私はセイロンさんに挨拶して、何でお金まで渡してまで行かせたのか尋ねると、こう言いました。

 

「別に。赤の他人がどこで働こうが構わない。それにあのおっさん、強そうだが悪党って感じでもなかった」


 その後、ナインさんが言うにはセイロンさんとおじさんの会話中、一触即発のとんでもない緊張感があったそうです。私には全然わかりませんでしたけど。


 あ、そうそう。最後におじさんが言った『おきゃあがれ』の意味がわからなかったので、お父さんに聞いたら江戸言葉で『やめろ』とか『いいかげんにしろ』って意味だそうです。勉強になりました!


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