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推し恋2  作者: たま


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東京駅

「本当にこんな東京駅近くに事務所作るとか、ビックリだね。」大学のある四ツ谷と琴子の家の錦糸町駅の丁度真ん中くらいに東京駅がある。

「まあ江戸城から電車乗るには、ここが1番近いからって社長が言ってたな。」笠原がクスクス笑いながら話す。

「いや〜あんなに面白い人だと知らなかったよ。話してて飽きないよ。」と笠原がすごく気に入ってるのが分かる。

『これは…やはり、すでに手の者かも?』笠原を限りなく怪しむ。

「江戸城は今は皇居だから。天下取っても住めないよ?」琴子が呆れながら話す。

「うん、でもやはり天下を狙うなら常に目標は見ときたいんだって!」「子供か!」思わず琴子がツッコむ。

笠原がクスクスと笑う。

東京駅ごしに皇居がのぞむビルの2フロアが元推しのオフィスらしい。

「ボロいビルだけど立地考えると高いでしょう?大丈夫なの?」琴子が心配してしまう。

「ああ〜ここは相続争いの係争が長引いて廃墟化してたんだって。大手が人使って親族間で争わせている内に殺し合いになったらしい。おかげで最後の生き残りが行方不明だとか…その人が出てこないと建て替えができないんだって。

社長がそこに目をつけて2フロアだけリノベーションして借りたんだって。だからエレベーターがヤバいんだ。」入り口はいかにも昭和なビルディングだ。

エレベーターが…もっと古そうだ。パリとかで見る手動の扉だ。

「うそ!このエレベーター、映画でしか見たことないよ!日本にあったんだ!」琴子が驚く。

「俺も。弟がやってたホラーゲームでしか見たことないわ。」笠原は慣れてるらしく手で開けてダイヤルを5階に合わせて、また扉を手で閉める。

動いてるのが不思議なくらいだ。

5階についてレトロなモザイクガラスの木の扉を開けると、中は至って普通の今どきのオフィスだった。

「…なんかタイムリープしてきた気持ちになるね。昭和から令和に。」本当に推しは面白い。すでにエンタメが始まっているようだ。

「あっ、キタキタ〜トリスタン!

本当にジャケットくれるの?革製だとメチャ暖かいよね?

俺、真冬でも半袖だから、それで十分だわ〜」とすでに手を差し出している。

初島でも4人の中で1番元気だった人だ。

この人なら、多少変な怨念もはじき飛ばしそうだ。

「笑いの戦士ビリケンだよ。瘴気なんかはじき飛ばしてやるよ〜ハッハッハ」と高笑いしてる。

「隆史さんなら呪いのジャケット大丈夫そうだね。」琴子が笠原にコソコソ話す。

笠原が袋から出して隆史に渡す。

このビルが、あまりに古く独特なせいかジャケットの妖しさが薄れたように見える。

ブランドより歴史の方が勝るのか?多分このビルはブランド創生期とあまり変わらないからだろうか?

「どれどれ、これが勝手に動くライダースジャケットかい?俺の所へ来いよ!ベイビー!」と羽織る。

黒髪のマッシュの隆史さんに良く似合う!が、下がハーフパンツだ。

「せめてジーパン履かない?」元推しの社長が覗きに来た。

その後から占い師みたいな背の高い男性が現れた。長い髪を束ねて手袋をはめている。

「機械は彼が詳しいからトラブったら聞けば安心だよ。それに呪いにも詳しいらしい。」社長が紹介する。

「隆史さんが着てるジャケットは…女の香水が染み付いてますね。麝香のような匂いが。」クンクンと鼻を鳴らす。

「言われたら…だから笠原くんの部屋に甘い匂いが付いたんだ!」琴子が合点する。

「これは…呪いじゃないですね。もっと始末が悪いのだ!」占い師みたいなエンジニアがため息をつく。

「配信者には良く憑くと噂のガチ恋ですよ。」その言葉にフロアが一斉に総毛立つ。

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