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渦を巻き、歪んだ空間の中から黒いマントをローブのように
身に纏った少女が突然、現れた。
その少女を見た優子は思わず、
「あ、彩!……」
と叫んだ。
優子らの前に突然、現れたのは行方不明になっている
優子の親友の彩にそっくりだった。
だが、優子らの前に現れた彩は様子がおかしかった。
「ど、どうしたの?彩…… そこで何をやっているの?」
優子は目の前の彩に声を掛けたが彩は祭壇らしきモノの上に
置かれている水晶玉を見詰めたまま、何も答えなかった。
「どうしたの?彩。 優子よ。わからないの?……」
優子は再び、彩に声を掛けたが彩からは何の返事もなかった。
しばらく、水晶玉を見詰めていた彩は怪しげにニヤッと
微笑むと祭壇らしきモノの上にある水晶玉に触れようとした。
「ダメ! それに触ったら……」
優子は水晶玉を触れようとしている彩を止めようと
大声で叫んだ。
水晶玉を触れようとした寸前のところで彩の手は
急にぴたりと止まった。
『良かった!……』
優子は自分の声で彩が思い止まってくれたと
ホッとしたがそうではなかった。
彩の手が止まったのは水晶玉との間にジョージが
投げた一本の短剣が突き刺さっていたからだった。
ジョージは怖い顔で目の前の怪しき彩のことを
睨み付けながら
「そのお宝は俺さまの獲物だ!
横取りをするんじゃねよ!……」
というと彩は可愛らしい顔でジョージのことを見ると
突然、自分と水晶玉の間に突き刺さっている短剣が
まるで生きているかのようにカタカタと音を立て、
動き出したかとおもうとジョージに向かって、
飛んでいった。
「危ねぇじゃないか!……」
飛んできた短剣をジョージは軽く身を交わすと
いとも簡単にその短剣を受け止めた。
イラッとしたジョージは
「俺さまと張り合うつもりか!…… 良い度胸だ!
相手になるぜ!……」
というとさらに複数の短剣をマジシャンのように
取り出すとそれを彩に投げ付けた。
「やめてぇ!……」
優子はジョージのことを止めようとしたが
すでに短剣はジョージの手を離れた後だった。
短剣が彩に直撃する瞬間、彩の目が
赤く光ったかとおもうとジョージが投げた短剣は
急に何かに阻【はば】まれたかのように
彩の前の空間で全て止まった。
彩が再び、にやりと微笑み、目を赤く光らせると
自分の目の前で止まっている短剣が
全て、ジョージの方に反転するとジョージに向かって、
飛んでいった。
自分が投げた短剣が今度はジョージ自身に
全て、襲いかかろうとしたその時……
今度はゾッポがジョージの前に立ちはだかると
「シールド【結界】!」
と唱え、自分の前に見えない壁を作り、
飛んできた短剣を全て、弾いた。




