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『なんだったの? あの子?……』
目が天になり、呆気に取られていた優子だったが
『キィは? ウルフちゃんは?……』
キィと銀色のウルフのことを思い出し、涙目になっていると
「なんだ! そんな顔をして……」
突然、優子のすぐ傍からいつものクールな声が聴こえてきた。
『え?……』
優子がびっくりし、慌てて、辺りを見廻すと
何事もなかったかのようにキィと銀色のウルフが
そこにいた。
「どこに行っていたのよ~!……」
優子は目に涙を溜めながら、目の前のキィと
銀色のウルフに抱き付いた。
「わからない! 光に包まれ、消えたかと思ったら、
気が付いたら、ここに再び、いたんだ……」
銀色のウルフはいつものようにクールに自分達に
起こったことを優子に話した。
「そう…… でも、二人とも帰ってきて、
本当に良かった!……」
優子がキィと銀色のウルフが戻ってきたことを
しみじみと喜んでいると
がらがら……
と古びて、朽ちたかのような音を立て、部屋の中央に
あった宝箱と部屋の奥の壁が崩れ去った。
その崩れ去った壁の奥には更に億へと続く
通路が現れた。
「まだ、奥があるのか?……」
少し体力が回復したガムルはよろめきながら、
優子のもとにやって来た。
「行くしかないだろう! お宝は一番、奥に
あるもんだぜ!……」
ジョージもよろめきながら、優子のもとに
やって来た。
優子らは慎重に現れた通路を通り、奥へと進むと
小さな祭壇のようなモノがある小さな部屋らしき
空間に出た。
その祭壇のようなモノのうえにはソフトボールくらいの
透明の水晶玉が置かれていた。
「やった! お宝、発見!」
水晶玉を見たジョージは途端に元気になり、
その水晶玉に触れようとした。
「ダメです! その水晶玉に触れては……」
危険を察知したゾッポは大声を上げ、ジョージのことを
退き止めた。
「何を言っているんだ! こんなお宝を目の前に
触るなんて……」
ジョージはゾッポの声を無視して、水晶玉に
触れようとした。
「さっきの奴【レイス】のようになりたいのですか!」
ゾッポは烈火のごとく怒り、強く、ジョージのことを
退き止めた。
烈火のごとく怒ったゾッポを見たジョージは
寸前のところで水晶玉を触るのをやめた。
「この水晶玉こそ、こんな死人が跋扈【がっこ】する
森にした元凶なんのです!……」
ゾッポは祭壇のようなモノの上に飾られている
水晶玉を見詰めながら、ガムルらにそう言った。
「じゃあ。どうするんだよ! お宝が目の前だと
いうのに……」
目の前のお宝をお預け状態のジョージは苛立っていた。
ジョージ達が目の前のお宝をどうして良いのかわからず、
困っていると突然、祭壇のようなモノの後ろの空間が
黒く渦を巻いたように歪み始めた。




