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その霧はどんどんと増えていき、大きな雲のような塊になり、
黒い雲のような塊の中から優子に向かって、大鎌が
振り下ろされた。
「危ない!……」
ガムルの声と同時に大鎌が優子に触れようとした次の瞬間、
大鎌の動きがピタリと止まった。
「危ねぇなぁ……」
寸前のところで大鎌の動きを止めたのは短剣を持った
ジョージだった。
素早く優子の横に掛け付けたゾッポはその黒い雲のような塊に
持っていた杖を向けると
「正体を現せ!…… ライト!」
と呪文を唱えた。
ぎゃあぁ……
悲鳴と共に黒いローブのようなモノを着た大鎌を持った
レイス【怨霊】が現れた。
「れ、レイス……」
レイスの姿を見たゾッポは驚いた顔で目の前を漂っている
レイスを見詰めた。
「これが親玉か?……」
ジョージは短剣を持ち直すと目の前のレイスに
襲い掛かろうとしたが
「だ、ダメです! そいつに近付いては……」
ゾッポは慌てて、ジョージのことを呼び止めようと
叫んだが間に合わず、レイスはジョージの攻撃を
ひらりと軽々と交わすとジョージの体に軽く触れた。
その途端、ジョージは生気を吸われたかのように
全身から力が抜け、その場に崩れるように座り込んだ。
「何が起こった?……」
ガムルは何が起こったのかわからず、持っている剣を
構えたが素早く、ガムルの後ろに廻り込んだレイスは
ジョージと同じようにガムルの体に軽く触れた。
ガムルもジョージと同じように体から生気が
吸われたかのようにその場に座り込んだ。
「みなさん、こっちに……」
ゾッポは結界【ウォール】を張り、レイスから
一旦、避難した。
結界【ウォール】の中に進入しようと何度も
結界【ウォール】にぶつかってくるレイスだが
さすがのレイスもそう簡単には結界【ウォール】内に
進入することは出来なかった。
ウォール内で優子は怯えながら
「どうするの? いつ、私らもアイツ【レイス】に
やられるの?……」
と言ったが
「わ、わかっていますよ! でも、今、ここには
僧侶【ビショップ】もいないし…… 奴【レイス】を
追い祓うお札【ふだ】もないからどうしようも
ないのですよ……」
ゾッポはウォールが破られないように懸命に
意識を集中させ、ウォールの維持を保ちつつ、
困り顔で目の前を漂っているレイスのことを見詰めていた。
「また俺達が囮【おとり】になる!
その隙にあの宝箱の中を調べるのだ! アイツ【レイス】が
あの宝箱の中にいたのなら、アイツ【レイス】を封じていた
モノが必ず、あるはずだから……」
少し生気を取り戻したガムルは弱々しい声でそう発言した。




