26
「バカを言え! あの宝物が奴を発動刺せているものか!」
ジョージは優子のことを怒鳴ったがじっと部屋の中央に
置かれている宝箱を見ていたゾッポは
「それはありえるかもしれません…… この部屋の中には
奴を発動させるだけの魔法のアイテムがあると聞いたことが
ありますから……」
と呟いた。
「嘘だろう? なら、どうやって、あの宝物に
近付くんだよ! あの宝箱に近付いたら、またアイツが
襲ってくるんだろ?……」
ジョージは部屋の中を見ながら、そう言うと
「俺達が囮【おとり】になるから誰か、あの宝箱に
近付くのだ!」
ガムルを含め、一斉に優子のことを見詰めた。
『え?…… 私?……』
「無理、無理! 絶対に……」
優子は驚いた顔をし、首を横に振って、嫌がった。
だが、ガムルらが劣りになり、あと残って、
動けるのは優子しか、いなかった。
「わ、わかったわ…… 行けば良いのでしょ……
行けば……」
優子は半分、投げやりに作戦に賛成した。
ガムルとジョージらが綿密に打ち合わせをしている間も
優子はずっと、イジけていた。
作戦会議が終わると
「よし!行くか!……」
『もう!……』
戸惑う優子を後目にガムルらは戦闘態勢を整え、
部屋の入り口に立った。
ジョージとゾッポと顔を見合わせたガムルは
「イクゾ!……」
というと一気に部屋の中にジョージらと共に
部屋の中に突入した。
ガムルらが部屋に入った途端、部屋の床が
波打ったかと思うと部屋の地面から触手が現れ、
ガムルらに襲い掛かってきた。
それを部屋の外から見ていた優子は
大きくため息を吐くと
『行くしかないか……」
決意を決め、部屋の中へ突入した。
案の定、部屋の中に入った途端、優子にも触手が
襲い掛かってきた。
きゃあぁ……
悲鳴を上げた優子の横を二つの風邪が通り抜けた。
次の瞬間、優子に触手が当たる前に触手は吹き飛んだ。
『な、なに? 何が起こったの?……』
驚いている優子の前に現れたのは優子が連れている
サルのキィと銀色のウルフだった。
「おい、サル。足を引っ張るなよ!」
銀色のウルフがクールな顔でキィにそう言うと
ムカついたのか、きぃは銀色のウルフに対し、
激しく牙を剥き出したが銀色のウルフとキィの
息はぴったりに優子に襲い掛かってくる触手を次々と
払い除けていた。
気が付くといつの間にか、優子と宝箱の間に一本の道が
出来ていた。
『今しかないわ!』
優子は一目散に宝箱のもとへと駆け寄り、宝箱の蓋を
開けると今までガムルらに襲い掛かっていた触手が
突然、砂に変わり、消え去った。
『お、終わったわ……』
優子がホッとし、ガムルらの方を見ていると
突然、開けた宝箱の中から黒い霧が現れた。




