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学校の帰り道。
「本当に優子って、流行モノとか何も知らないよね!……」
彩は優子と並んで歩きながら、流行に疎い優子をバカにした。
優子はふくれ面をしながら
「私だって…… 流行もんくらい……」
「じゃあ。 最近、流行っているアイドルグループの
曲は? 流行っている服は?……」
彩は足早に優子に最近の流行モノのことを聞いてきた。
「えーっと……」
優子は何一つわからず、答えに困ってしまった。
「ほら! だから、優子は流行に乗り遅れるのよ!」
彩は勝ち誇ったように優子のことを見た。
優子は言い返せなかった。
「ただいま!……」
優子が家のリビングに入ってくるとリビングのソファに
腰掛け、弟の誠人【まこと】が買ってもらったばかりの
スマートフォンとにらめっこをしていた。
『あんたも?……』
誠人に呆気に取られながらも
「あんた! そんなことをしていて良いの?……
お母さんに言いつけるわよ!」
優子は誠人のことを怒鳴り付けた。
「わぁ! びっくりした!……」
誠人は姉の優子の声に驚き、持っていたスマートフォンを
落としそうになった。
「びっくりするじゃないか! バカ姉貴!」
ソファに座ったまま、後ろを振り返った誠人は
いきなり、声を掛けた姉の優子に文句を言った。
優子はキッチンに行き、手とうがいを済ませると
「うるさい! ガキはとっとと勉強をしろ!」
再び、誠人のことを怒った。
「うるさいなぁ……」
誠人は少し苛立ちながら、2階の自分の部屋へと
向かおうとした。
優子は母親が用意したおやつを食べ、横目で
自分の部屋に向かおうとしている誠人を見ながら、
ふと、教室での彩が同じようにスマートフォンと
にらめっこをしている姿を思い出した。
「ちょっと、待った!」
優子はいとうとの誠人のことを呼び止めた。
「なんだよ!……」
誠人は立ち止まると不機嫌そうな顔で
姉の優子のことを睨み付けた。
「ねぇ。 今、あんた、何をしていたの?」
優子は弟の誠人がスマートフォンで
何をしていたのかを訊いたが
「バカ姉貴には教えないよ! あっかんべー!」
誠人は姉の優子にあっかんべーをすると急いで
自分の部屋へと駆け上がっていった。
『偶然かな?……』
一日にスマートフォンと真剣ににらめっこをしている人を
二人も見かけた優子は少し不思議な感覚に襲われていた。




