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優子らが森の中をしばらく、歩いていると
突然、優子と一緒に歩いていたキィの様子が
おかしくなった。
辺りを見回し、牙を剥き出しにし、暗い森の奥を
激しく威嚇し始めた。
「どうしたの? きぃ。」
様子がおかしくなったキィを心配そうに優子が
話しかけた瞬間、優子の前を歩いていたガムルとジョージの
歩みが同時にぴたりと止まった。
ガムルは辺りを警戒しながら
「お前も気付いたか?……」
傍で同じように辺りを警戒しているジョージに話しかけると
「当たり前だ!……」
ジョージは素早く、持っている短剣を取り出し、
見えない敵に対し、身構えた。
「この森はやっぱり、まずいですよ! 早く逃げましょう!」
ゾッポも見えない敵に気付き、持っている杖を
しっかりと握り締め、辺りを怯えながら、警戒し始めた。
『なに? なに?……』
優子一人だけ、自分らにゆっくりと近付いてくる
見えない敵の気配に気付いていなかった。
だが、そんな優子もすぐに見えない敵の気配に気付いた。
「やばいなぁ…… 敵が多すぎる! おい、盗人。
逃げるぞ! 逃げ道は?」
危機を察知したガムルはジョージに逃げ道を訊いた。
ジョージは辺りを警戒したまま、
「そんなもん知るかよ! 俺もこの森の中に入ったのは
初めてなんだから……」
ガムルにそう答えた。
「嘘だろう?……」
ガムルが驚いた顔でジョージのことを見詰めていると
「そんなことは後にしましょう! 来ますよ!」
ゾッポはガムルの右斜め先を見詰めながら、
そう言った瞬間、ガムルらの前に数体の歩く死体【ゾンビ】が
現れた。
「戦うしかないか……」
戦う決意を固めたガムルは腰に携えている剣を抜き、
ゾンビに立ち向かおうとしたが
「だ、ダメです! そんな魔法を帯びていない武器で
戦っても……」
ゾッポが突然叫び、ゾンビに立ち向かおうとする
ガムルを引き止めた。
「だったら、どうするんだよ?」
ガムルが少しキレ気味にいうとゾッポは持っている
杖をしっかりと握り締め、何かの呪文を唱えると
その杖をゾンビらの群れに向けた。
一瞬、杖の先が光ったかと思うと杖の先から
ソフトボールほどの火の玉、数個がゾンビの群れに
向かって、飛んでいった。
その火の玉がゾンビに命中すると異様な臭いを
辺りに放ち、ゾンビは燃え上がった。
それを見たゾッポは
「今です!……」
とガムルに言い放った。
始めは戸惑っていたガムルだったが
「イクゾ! 盗人!」
というとジョージと一緒にゾンピに襲い掛かった。
「終わった!……」
「そうですね!……」
ゾッポの活躍により、自分らに襲い掛かってきた
ゾンビの群れを倒したガムルらは疲れ果て、
その場に座り込んだ。
だが、それで終わりではなかった。
ガムルらが座り込み、休憩を取っていると
森の奥の闇から
カタカタ……
という音と共にガムルらのもとに何かが
迫ってきている。




