18
その時、優子の頭の中に
『キィ?……』
という名前が浮かんできた。
優子は連れているサルを見詰めながら
「ねぇ…… キィは?」
連れているサルにいうとサルは嬉しそうにその場に
飛び跳ねた。
「そうか…… キミの名前はキィね!」
嬉しそうに飛び跳ねているサルを見ながら、
優子も何だか、嬉しくなった。
優子がゾッポとそんな話をしていると優子の前を
歩いていたジョージが
「着いたぞ!」
と叫んだ。
優子がジョージの方を見ると今まで歩いていた木立とは
まるで違った鬱蒼とした木々などが茂っている森が
現れていた。
その森は異様な空気を放っている。
多く茂っている木々のせいで昼間なのに森の中には
日がまるで差しておらず……
森全体がじめっと湿気を帯びていて、生物などの気配は
まるで感じられない。
”死の森”と言っても良いかもしれない!
「ねぇ。 本当にこの森なの?……」
優子はあまりにも異様な空気を放つ森を見ながら、
ジョージにそういうと
「ああぁ…… この森だ!」
ジョージは当たり前のように目の前の異様な空気を放つ
森の中へと入っていった。
ガムルも内心、怯えながらも優子らに悟られないように
強がりながら
「さあ。行くぞ!……」
ジョージの後を追いかけ、異様な空気を放つ森の中へと
入っていった。
『え? マジ!……』
優子は異様な空気を放つ森に怯えながらも
「ま、待ってよ!」
ガムルらの後を追いかけ、森の中へと入っていくと
「ちょっと、待ってください!」
ゾッポも半分、逃げ腰で優子の後を慌てて、追い掛けた。
そんな優子らのことを見詰める視線があった。
外の見たよりも森の中は木々の枝葉が空を完全に覆い隠し、
真昼なのに森の中はまるで夜のように薄暗く、
森全体を湿気が覆っていた。
当然、生き物の気配はまるでない。
「ほ、本当にこんな所を行くのですか?」
怯え、身体を震わせながら、ゾッポは前に歩くガムルらに
話しかけると
「ああぁ…… そうだなぁ……」
怖さを隠しながら、ガムルが頷くとガムルが怯えているのを
感じ取ったジョージはガムルの顔を見ながら
「引き返すなら、今のうちだぞ!」
とガムルをからかった。
ジョージのそんな一言が癇【かん】に障ったガムルは
強がりながら、
「当然、行くに決まっているだろう!」
先頭を切って、森の奥へと歩き出した。
ニヤッと微笑みながら、ジョージもガムルの後を続いた。
『嘘でしょ?…… こんなキミの悪い森を行くの?……』
優子も渋々、ガムルらの後を連れているサル・キィと
共に続いた。
「えっ…… 行くのですか?……」
ガムルらが薄暗い森の奥へと進んでいくのをゾッポは
驚き、見詰めながらも渋々とガムルらの後を怯えながら、
森の奥へと進んでいった。




