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「ダメだ! こいつは迷子だなぁ…… 一先ず、
迷子センターに預けましょう!……」
優子はナビの案内で街外れにある迷子センターに
サルを連れて来た。
「確かにこの子を預かります!」
迷子センターの受付の人は優子からサルを快く、
引き受けた。
「よかった、よかった……」
迷子センターにサルを預け、街の中へと戻った
優子はふいに後ろに気配を感じ、後ろを振り返ると
さっき、迷子センターに預けたはずのサルが
優子の後ろを付いてきていた。
『え?……』
優子が驚いた顔でサルのことを見詰めていると
サルは可愛らしい顔で優子のことを見詰め返していた。
『か、可愛い……』
サルの可愛らしさに優子はメロメロだった。
優子がサルにメロメロになっている頃……
グラブ王国のサデルの街から遥か、離れた地下世界の
大きく光り輝く水晶の前に戦士の格好をした
少女【彩】が立っていた。
「ここで良いんだよね?……」
彩は大きく光り輝く水晶を見詰めながら、
独り言のように呟くと
「ああぁ…… ここだよ!」
彩の影が浮き上がり、人の形になったかと思うと
そのモノは彩の傍に寄り添って、立った。
「後は私がやろう!……」
彩の影から現れたモノはそう言うと彩は力なく、
その場に倒れ込んだ。
彩の影から現れたモノは薄気味悪く、微笑みながら
目の前の大きく光り輝く水晶に手を触れた。
その途端、水晶は彩の影から現れたモノに
浸食されたかのようにその光を失い、黒ずんだ。
彩の影から現れたモノは再び、薄気味悪く微笑むと
黒ずんだ水晶に溶け込むように水晶の中にその姿を
消し去った。
次の瞬間、水晶は大きく、振動した。
その振動は世界を揺らした。
その振動は優子がいるグラブ王国のサデルの街にも
到達した。
だが、その振動はあまりにも小さく、街の中にいる
優子を含め、誰も感じなかった。
優子のそばにいる、サルを除いては……
振動が到達したと同時にサルは顔色を変え、
目の前にいる、優子のことを一瞬、威嚇した。
だが、すぐにもとの可愛らしい表情でサルは
優子のことを見詰めていた。
優子が目の前のサルに見惚れていると
「変わったサルを連れているね?」
何処からか若い男の声が聴こえてきた。




