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異世界転移したら俺じゃなくてスマホがチートでした  作者:


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専門家を迎える準備

「誠殿ー!」


朝からタタが走ってきた。


「どうした?」


「先日のお話ですが、専門的な知識を持つ者を何人か呼べそうです!」


「本当か?」


「はい!」


タタは羊皮紙を広げる。


「植物に詳しい者が一人。建築に詳しい者が一人。それから、針子が二人ほど来られそうです」


「……そんなに来るのか?」


思っていたより人数が多い。


「はい。こちらの村に興味を持っている者もいるようです」


「そうなのか……」


『誠様』


「ん?」


『専門家を受け入れるための作業場所を確保することを推奨します』


「確かにな」


来てもらうだけでは意味がない。

知識を教えてもらうなら、それを実際に試せる場所が必要だ。


「じゃあ、準備するか」



まず、植物担当。


「ここを薬草畑にするか」


村の中でも日当たりが良く、水を確保しやすい場所を選ぶ。薬草を植えた植木鉢も並べる。


「ここなら観察もしやすいな」


『研究用の区画も確保することを推奨します』


「研究用?」


『採取した植物の比較や栽培実験を行う場所です』


「なるほど」


薬草畑の一角に、少し余裕を持った場所を作る。ここで植物の観察や栽培方法を調べる。


「これなら、植物に詳しい人が来てもすぐ仕事ができそうだな」


『はい』



次は建築担当。


「こっちはレンガとセメント」


レンガが積まれている場所。

その隣には、少しずつ貯めているセメント。

さらに、その先にはU字溝。


「ここを作業場所にするか」


『問題ありません』


「建築の専門家なら、この辺りを見てもらえばいい」


今まで村人たちは、誠の説明やアイの助言を頼りに建物を作ってきた。

だが、専門家が来ればもっと違う方法が見つかるかもしれない。


「俺たちが知らない建築方法とかもあるかもしれないしな」


『その可能性は高いです』


「楽しみだな」



そして最後は針子。


「ここは……」


誠は布や糸を並べてみる。


「服を作る場所か」


『布の加工や衣服の製作に適した場所を確保してください』


「分かった」


村にはすでに服を作っている者がいる。

だが、専門家が来れば、


「もっと布を無駄なく使う方法とか縫いやすい形に。丈夫な縫い方」


など、新しい知識が入ってくるかもしれない。


「これで一通り準備できたな」



その日の午後。

村人たちは、いつも通り作業をしていた。

薬草畑では、村人が水をやっている。

レンガ作りの場所では、職人が作業している。

服を作っている女性たちもいる。

そこへ、誠が声をかけた。


「近いうちに、専門家が来るぞ」


「専門家?」


「植物に詳しい人。建築に詳しい人。針子も来るらしい」


村人たちは顔を見合わせる。


「へぇ……」


「俺たちと違う作り方を知ってるのか?」


「そういうことだな」


すると、鍛冶をしていた男が笑った。


「でも、こっちのやり方の方が簡単なこともあるんじゃないか?」


「かもしれないな」


「なら、比べてみればいい」


別の村人が頷く。


「向こうのやり方を教えてもらって、こっちのやり方と比べる」


「それで良い方を使えばいい」


「なるほど」


誠は少し驚いた。

以前なら、


「誠様が言ったから」


で終わっていた。

今は違う。自分たちで考えている。


「専門家が来たからって、全部任せる必要はないぞ」


誠が言う。


「村で今までやってきた方法も、十分役に立つ。だったら両方試そうぜ」


「そうだな」


「こっちの方が簡単じゃないか?」


「いや、向こうの方法の方が丈夫かもしれんぞ」


早くも村人たちの間で議論が始まった。


『誠様』


「ん?」


『非常に良い反応です』


「だよな」


専門家が一方的に教える。それだけではない。

この村には、この村で積み重ねてきた経験がある。


専門家の知識。村人の経験。

そして、誠たちが持つ別世界の知識。


「三つが合わさったら……」


『新しい技術が生まれる可能性があります』


「楽しみだな」


専門家が来る前から、村は少しだけ変わり始めていた。知識を一方的に受け取るのではない。

互いに教え合い、試し、比べる。

その先に何が生まれるのか。

誠は、少し楽しみになっていた。

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