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異世界転移したら俺じゃなくてスマホがチートでした  作者:


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知識を取り込む

ぺら。ぺら。ぺら。


植物図鑑を読み終えた俺は、次の本を手に取った。


「次は……鉱物図鑑」


『はい』


ぺら。ぺら。


「次、動物図鑑」


ぺら。ぺら。


「建築関連……」


ぺら。ぺら。


一冊ずつページをめくりながら、アイに内容を取り込ませていく。


図鑑には、名前だけではなく、特徴や生息地、利用方法まで書かれているものもあった。


「結構細かいな」


『はい。予想以上に情報量があります』


「これ、全部覚えたのか?」


『取り込みは完了しています』


「相変わらず便利だな……」


俺は次の本を開いた。

鉱物図鑑には、見たことのない鉱石がいくつも載っている。


「鉄はある」


『はい』


「銅もあるな」


『確認しました』


「石灰石もある」


『はい』


「でも、これは見たことないな」


ページに描かれている鉱石を指差す。


『こちらは地球には存在しない可能性が高い鉱物です』


「なるほど……」


次に動物図鑑。

こちらにも、地球と似た動物がいる。


馬。牛。羊。鹿。猪。


一方で、見たこともない生物もいる。


「やっぱり、三パターンか」


『はい』


俺は少し考えた。


「地球と同じ物。地球に似た物。この世界だけの物」


『その通りです』


「同じ物や似た物なら、俺たちの知識を応用できる」


『はい』


「でも、この世界だけの物は……」


『未知の知識です』


「なるほどな」


俺は本を閉じた。


「となると……どうだ?」


『はい?』


「今まで通り、必要な物は再現する。それでいいのか?」


『現時点では、その方向性を変更する必要はないと判断します』


「なるほど」


俺は少し拍子抜けした。


「もっと何か、すごい発見があるのかと思った」


『未知の鉱物や生物については、今後研究する価値があります』


「でも、今すぐ必要ってわけじゃない」


『はい』


「なら、まあ……そんなものか」


『はい。そうなります』


俺は積み上がった本を見る。

これだけの知識があっても、いきなり全部を使う必要はない。

今必要なのは、村を安定させること。


セメントを作る。建物を作る。下水を整備する。農地を広げる。

人が増えても暮らせるようにする。


「結局、やることは変わらないな」


『はい』


「でも、知識が増えた分だけ、選択肢は増えた」


『その通りです』


俺は少し笑った。


「知識って、すぐに使わなくても持ってるだけで違うんだな」


『はい。必要になった時に、選択肢として利用できます』


「なるほど」


俺はもう一度、鉱物図鑑を開いた。


「じゃあ、この世界だけの鉱物については、今後少しずつ調べていくか」


『推奨します』


「動物もな」


『はい』


「植物も」


『はい』


「……本、もっと欲しくなってきたな」


『非常に合理的です』


「タタに頼んでみるか」


『賛成します』


俺は笑いながら、本を積み直した。

村を発展させるために必要な知識。

この世界を理解するための知識。

そして、まだ知らないものを知るための知識。

本を読むことで、俺たちの世界はまた少し広がった。


「さて……次は何を調べるかな」


『誠様』


「ん?」


『まだ大量の書籍が残っています』


「……今日は休ませてくれ」


『了解しました』


俺は本を閉じ、椅子に背を預けた。

知識は増えた。だが、村でやることはまだ山ほどある。それでも今は、以前とは違う。

知らないものを、知らないままにしなくてもいい。


それだけでも――この世界で生きていく上で、大きな力になりそうだった。

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