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41話

それからひと月経ったころ、季節はもう冬。


雪の降る国ではないけど、海から吹き付ける風は冷たく、防寒具や暖炉はやっぱり必要。


カフェ”スミレブルー”という店名。


スミレの花言葉の 小さな幸せ と、大好きな青を組み合わせた。


訪れる人々の小さな幸せを感じるようなひと時を過ごしてもらえますよに。


冬なので、軽食のメニューにも温かいものを加えた。


日替わりほっこりグラタン(仕入れる具材で決まる、スープ付)


田舎風野菜と鶏肉の栄養たっぷりスープ(トースト付き)


とろーりフォンダンショコラ をデザートに加えた。



ケイと二人で回しているため、元からそんなにメニューは多くない。


それでも有難いことに、ランチやモーニングに利用してくれたり、持ち帰りでお菓子を購入していってくれたり、お客様も増えている。


とっても忙しいわけじゃないので、わたしにとってはマイペースで営めている。


まぁ・・家賃の心配がないから、こんなにまったりしていられるのよね・・しっかりしなきゃ。


そう・・家賃はお父様が1年分をきっちり前払いしてくれているのだ。


親がいるって、お金の心配がないって本当に有難いことなのよね。


しみじみ感じてしまう。


その分、貴族としてではないけれど、出来ることで人助けはしようと決めている。



今日はお店は定休日なんだけど、新作をお店のメニューとして出す前に味の確認をしてもらうために、


ケイの奥様であるリジ―さんとお子さんたちの元を訪問して帰宅したばかり。


もちろん、事前に相談して日時も決めたし、リジ―さんとお子さんたちが家にいる日でお願いした。


ついでにリジ―さんのママ友も呼んでくれて皆さん協力してくれるから嬉しい♪


初めてお手紙をいただいて以降、何度も訪ねてお世話になっている♪


リジ―さんも20歳だから、わたしにとってはラナお義姉様みたいな存在かな。


わたしの家族は、さすがにしょっちゅうは来られないけど、クラリッサお姉さまとエレノアお姉さまは割りと頻繁に来てくれている。


だから、寂しいことなんてないのだ・・


ほんとにね。


新作のメニューも好評価をもらえて、残りはリジ―さんに食べてと置いてきちゃった(笑)



ふふ、今日も子どもたちは可愛かったなぁ~長男のアト(2歳)と長女のミミリー(0歳)、絶妙にリジ―さんとケイの良いところを受け継いでいて・・


いいなぁ・・わたしも子ども大好きなのにな。


他人の子どもでもこんなに可愛いんだから、自分の子だとどんなに可愛いかって思ってしまう。



実は最近、お店に通ってくれるようになった常連さんに、この国の騎士さんがいるんだけど。


わたしのことを気に入ってくれたみたいで、交際を申し込まれているのだ。


その気はないからと断っているのだけど・・もう何度断っても諦めてもらえない。


どうしたらいいのよ・・


婚約は白紙になっちゃったから、国に婚約者がいるっていう言い訳も出来ない・・


でも、好きな人ならいるのだ。


とりあえず、ケイが撃退しているけど(苦笑)



最近、ケイが情報を仕入れてくれて、ロティの王都のエリに似た人がいるらしいと。


もちろん、ロティに行ったのは聞いたけど国といっても、王都から郊外まで広いのだ。


郊外の領地もいくつもあるし、村だってある。


どこを探せばいいのやら・・状態だったのだ。


それが、王都にいるとわかった。


エリのことだから、騎士団かしら??それとも、全然違う職に就いてるかしら??


色々考えてみる。


やっぱり騎士だと思うんだけどなぁ・・


ううーんと考えながら、今日のランチの準備をどんどん進めていく。


カランカラーン


軽快な音でお客さんの訪れを教えてくれる。


「いらっしゃいませ~」


いつのものように声かえをする。


「お?リリさん、今日のオススメランチは何かな??そうだ、今日は同僚も連れてきたんだよ~おおーい早く入ってこいよ~」


「ぇ~やだぁ、なにこのあたし好みの可愛いお店!! 王都から1時間のとこにこんな素敵空間があるなんて!!もっと早く教えなさいよねぇ」


何か言ってるみたいだけど、わたしのところにはあまり聞こえない。


角度的に見えづらいけど、銀髪の長身?お姉さん??羨ましい~~っと、席に案内しなきゃ。


「お客様が増えるのは大歓迎ですよ~いつもご利用ありがとうございます。お席はこちらへ~お連れ様も・・」


とようやく入店してきた美しいお姉さん・・


たしかに美しいのだけど・・お姉・・おネェ??




えーっと。



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