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28話

翌日。


なんだかいつもよりも早く目が覚めた。


窓の外を見ると、まだ空はアイリス色。


秋も終盤に近付いてる・・太陽はだんだんとお寝坊さん。


薄暗い部屋の中でサイドテーブルの明かりを灯す。


ゆっくりとベッドから起き上がり、飾り棚の中からオルゴールを取り出して、開いてみる。


優しい旋律が流れて、心が温かくなる。


オルゴール人形の横部分のジュエリーボックスには、エリさんとお揃いの懐中時計・・そっと手に取って眺める。


最近の朝のルーティーンになりつつある。


ブランケットを羽織って、まだ眠い目をこすりながらぼ~っとする時間。


少し冷たい空気が好き。


最近ハマっているアロマキャンドルを焚こうか迷いつつ、ふとトロワの魔法店で見かけたキャンドルホルダーを思い出した。


・・・

ラベンダーの絵付けのされた陶器がとても可愛らしかったなぁ。


領地へ帰る前にもう一度行けたらいいな・・と。



帰る・・

領地のみんなにも会える。

実家の部屋にある読みかけの本、集めた刺繍糸たち、お気に入りの料理本・・どれもこれも大事だ。


だけど・・帰ったらエリさんは居ない。


会えなくなる。



・・そんなの嫌・・



はっ  となる。

わたし・・


帰る前にもう一度エリさんに会って話がしたい。


そうだっ、手紙!

住所も知ってるわ・・善は急げよ。


そう決心すると、薄暗い部屋の中で手紙を書き出した。



書き終えると、まだ太陽は頭くらいしか出てなくて、少し二度寝をした。


朝食前の身支度の時に、サナに郵便を出しておくように頼んだ。




わいわいとした朝食を終えて、自室でのんびりお菓子の本を開いていた。


明日、庭で家族だけのお茶会やるって言ってたから、久しぶりにリリベルもお菓子を振る舞うことにしたのだ。


みんなからの「「「ベルのお菓子が食べたい~」」」 という要望は嬉しいし、わたしも何かやってるほうが気がまぎれるから。


午後は明日のお茶会用の装いをサナと決める予定だ。


うーん、コレにしようかな~コレもいいなぁ・・とお菓子のレシピと睨めっこ中・・



コンコン  と軽いノックの音がした。


「はーい、どうぞ~」


と返事をすると、サナが入ってきた。


?また何か抱えてる??


「お嬢様~お届け物ですよ~はい、どうぞ」


と手渡してくれる。


「とりあえず、ありがとう。あとはわたしだけでいいわよ。」


「何かお手伝いすることがあれば、いつでもお呼び下さいね~」


それだけ言って出ていった。


ふぅ・・今日は誰から??


それにしても・・花束凄いわね・・50本くらいありそう。


カーネーション あんまり縁のないお花だと思っていたけど・・レースみたいな花びらが可憐。


こっちは~と、小さな箱と手紙?


そっと綺麗なシトラスグリーン色の手紙を手に取り、開封して確認する。


カサッ


・・・


差出人は エリッシュ・リドール とあった。


エリさん・・





手紙には、明日のお茶会に招待されているから参加すること、話したいことがあること。


わたしの気分や体調への配慮・・


心配かけてしまっているのね。


でも、エリさんからの贈り物と、自分の気持ちの自覚でだいぶ気分は上がっているのだ。


家族の支え・理解も大きい。


わたしは本当に周りに恵まれているなぁ としみじみ思う。




手紙を読み終えてから、最後に小さな箱の包みを解き、中を見る。


目を瞠る・・


「キレイ、  バラの花のピアス・・真ん中にブルーラベンダーの宝石///」


もう崩れ落ちた・・

こんなの貰ったら、鈍感なリリベルでも流石に期待してしまう。


あ!そういえば花言葉!


急いで調べる。


”あなたに会いたくてたまらない”



なに・・それ・・

恥ずかしすぎて赤面どころか耳まで真っ赤になる・・


ユデダコのごとく、ふにゃふにゃでベッドへ突っ伏した。


こんなのっ期待しちゃうじゃない!!!


だって、わたしはエリさんが好きなんだもん・・


好きな人から、こんな・・そんなメッセージを込められたら・・心臓が持たないっっ


は・・とにかく明日のお菓子は気合入れなきゃ!!エリさんお菓子好きだから、持ち帰る用のクッキーとケーキもワンホール用意しなきゃ!!


そうこうしていると、昼食の時間やら経て午後は侍女のサナと明日の装いを決めていった。


もちろん・・昨日と今日贈られた、髪飾りとバラのピアスをコーディネイトに入れるのも忘れない。


家族とのお茶会のはずが・・並々ならない気合を入れている。


エリからの手紙効果により、張り切るリリベルに目を細めるサナだった。


「お嬢様がお幸せそうで何よりです」


そう呟いて、いそいそと主人へのお茶を入れ直す。








昨日の早朝、子爵はエリッシュ宛にお茶会の招待状を届けるように執事に預けた。


ニコニコをしながらそれを受け取り、大事に届ける。


プリム家のあちこちでリリベルを見守る作戦が成されている。






一方、騎士団。

『時祭り』が終わり、いつもの日常が戻ってきた。


ランダムで3連休を取れるから、少し静かかもしれない。


いつもが騒々しいだけだとは誰も気づいてないが(苦笑)


明日からエリッシュが3連休に入るので、ネルも相棒だから同じスケジュールだ。


「先輩~どうなんすか?その後~」


と問いかけてきた。


「ん~それは何に対して??」


「何とぼけてるんすか??あの子ですよ~先輩の想い人との進展聞きたいっす!」


みんなが気になって聞きたくて聞けなかったことを堂々と・・

怖い物知らずなのか、はたまた相棒の特権とでも言おうか・・


「あ~それね~、進展というか、とりあえず本人通りこしてあちらのお父上には婚約の了承はいただいたのよ。うちの両親もしかりね。」


「え?!まじっすか! 早くないですか!?」


「色々あったのよ~。ま、あたしとしては渡りに船な状態になっちゃったけどね~ それでも、まだ本人には申し込んでないから落ち着かないところよねぇ・・」


「うわぁぁ気になるじゃないっすか~ お相手には伝えないんすか??そんなことないっすよね?」


「あったりまえじゃない~、実は明日そちらのご家族とお茶会することになってて、その場で申し込むつもりよ!


「え・・・つよっ・・鋼の心臓なんすか?・・」


「どういう意味かしら~?あたしは至って緊張しまくってるわよ・・人生の一大事よ。」


「ですよねぇ・・

でも、先輩・・うまくいくこと祈ってるっす!そんで幸せ分けてくださいっ!」


「気が早いこと(苦笑)えぇ、祈っててちょーだい!あたしが男見せるときよ!ちゃんと報告するわ~」


周りも聞こえていたのか、あわわわわとなっているが・・


羨望の眼差しを向ける奴多数。


騎士団にいると、出会いが少ないからな・・仕方ないだろう。


うまくいけば、リリベル嬢の繋がりで紹介してもらえたりするかもしれないのだ・・


そりゃ、期待もする。


それが男。


よし、気合入れて今日の業務さくっと終わらせてやるわ!


無駄に張り切って、夕方にはきっちり帰る準備まで出来ていた。


割とアプローチのほうは自信があるのよね~♪


あんなの貰ったら、あたしなら崩れ落ちちゃうわ♪



その通りの反応になっているとは露知らず。


スキップで帰宅していったのをみんなが微笑ましい目で見ていたのは本人は気づいてない・・


久しぶりの登場、騎士団の様子も少し。


次回はお茶会! 楽しいやら緊張やら泣きそうやら・・


美味しいお菓子が食べられて羨ましい!!



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