龍の伝承と知恵比べ そして石になった王様
こんにちは、あるいはこんばんは!
第37話をお届けします。
今回は旅の道中でのんびりおしゃべり回……と思いきや、一波乱(?)ある龍の伝承から、
魔女と王様のちょっとずる賢い知恵比べのお話まで盛りだくさんです。
おっさんの現実的なツッコミと、それに翻弄される(というかからかう)
女の子たちの軽妙な掛け合いを、今回もまったりとお楽しみください!
「ふぅ~ もうはいらなぁ〜いっ(笑)でもここ最近じゃ
幸せなお昼だったわぁ〜」
「ほんと夢のようだったわぁ〜 お腹は重たいけど(笑)おやつの時間まで待って
食べたかったけど そうすると街につくの遅くなっちゃうし
ちょうどよかったのかな?」
「まずは お気に召したようで何よりでした(笑)でも今日 泊まるとこは
泊まるだけで特には何もないだろ?」
「そうねっ 特にないかな? 前はわたし達のバッグしかなかったから
こまめに補給しないとだめだったけど 今はジプシ〜もバッグ持ってるから
そういう意味ではだいぶ楽になったわよね」
「ほんと1人増えるだけで こんなに楽になるなんてね〜
やっぱり女神様に感謝ねっ」
「ところでこれから向かうとこはどんなところなんだ? 例のごとくすまんが
教えてもらえると助かるっ(笑)」
「今 向かってて それで今日の泊まるとこでもある村は
むかしは 龍が暴れてたって伝承が残ってるとこなの〜」
「それは またすごいなぁ~ 今でも龍がいたりしてなぁ
まぁ~ そんな事はないだろうけどな(笑)」
「いたら それこそ大変よぉ〜(笑)」
「でもその龍は何で暴れたんだ? 伝承によるとね巣に敷きつめるための
お宝や財宝を探すのに暴れたんだって」
「それもその当時住んでた人には えらい迷惑な話しだな
そのためだけに暴れられたらたまったもんじゃないな〜」
「でねっ その話しには続きがあって その龍が その後
どうなったか 残ってないんだけど集めたお宝とかは
まだ見つかってないんだってさっ」
「あぁ〜 そうなのかぁ〜 でも人生の先輩としておっさんから
一言言わせてもらっていいか?」
「「なに?なに?」」
「それはだな そういう物はあまり期待するなってことだっ
得てしてなそういう物はむかしは価値があったかもしれんが
今となってはあたり前のものがお宝だったって事もあるから
あまり期待すると何もなかった時がきついぞ」
「そういうもんなのかねぇ〜? でもほんとにお宝あったら そ
れはそれである意味ワクワクしない?」
「何もなく 最初の発見者として周りがそれを素直に認めてくれるならな
その時は大いによろこべばいいさ」
「何か嫌ないい方するわねぇ〜 もし見つかったらうれしくないの?」
「うれしいのはうれしいが そういう時に限って邪魔が入るからな
用心に越したことはないって事だ」
「そんな事あるぅ〜? そこまで意地の悪い人はいないんじゃないの?」
「いなければ どんなにいいか (´・ω・`) 」
「そんな顔になるほどのことがあったのねぇ〜 なら
こっちも気をつけておくわ もし見つかったらね」
「だからといって そこまで気を張る必要はないぞ?(笑)
もし見つかったらだ鳥とかと一緒かもしれないだろ?」
「「というと? どういうことぉ〜?」」
「俺の中では 龍はかしこいものであって欲しいと 願ってはいるんだが
例えば変に光が反射する玉 あとは そうだなぁ〜 やたらキラキラ光る
金属の棒だったりそんなのかもしれないって事だ」
「それはそれで もしそんな物が宝物だったら ある意味ショックだわぁ〜
やっぱりいろいろ伝承の通りにいろいろあって欲しいかな?」
「だなっ。でも今はいろいろ考えても仕方ないし、少しでも早く休めるように
ちょっとでも歩こうか〜」
「でも、これから先もこうやってちょっとずつ進んでいくんだろ?」
「そうねぇ〜。おばぁちゃんにも言われたけど、最初から無理する
必要はないんだよって。何かの時のためにいろいろ取っときなさいってさ」
「うんっ、それが1番だ。俺と違って2人は無茶しようと思えば
無茶できるかもしれないが、そのあと何もなければそれにこした事はない。
だが、そういう時に限って何かしらあるからな。
用心しとくぶんには問題ないさ(笑)」
「やっぱそういう話し聞くとおっさんなのねぇ〜(笑)。
ほんと女神様からジプシーの歳聞いたときは驚いたけど、
いろいろな話し聴いてるうちに、ジプシーの歳に納得してる自分がいるわ(笑)」
「そういや話し変わるけど、ここには他にも伝承あるんだろ?
おばぁちゃんから寝る前にお伽噺がわりにいろいろ聞いてたんだろ?
ある意味いいよなぁ〜。そうやっていろんな国の話しきけてたんだから
最高のぜいたくだよなっ」
「へっへぇ〜ん、うらやましいでしょぉ〜(笑)。
でもね、これから行く先々で何か伝承とか そういう話しあれば、
そのたびに教えてあげるわよっ」
「ほんとかっ! それは助かるしありがたいなぁ〜。
おばぁちゃんのお話し聞いてるとなんか 俺はその場にいないけど、
その場にいるような感じになって楽しくなったり
ドキドキしたりするんだよなっ(笑)」
「あっ、そうそうさっき言いかけてた話だけどな。
ここいらには他にどんな伝承があるんだ?」
「そうねぇ〜、おばぁちゃんから聴いてる話だと、
ここからもうちょっと行ったとこなんだけど、魔女に石に変えられた王様と
その兵士達だっていう、石のいっぱいあるとこがあるわよ」
「魔女に石に変えられたって、それはそれですごい話しだなぁ〜?
その王様は魔女となにかして石に変えられたのか?」
「いちおうね、残ってる伝承だと、王様が立ってるとこから7歩だったかな?
歩いて都市が見えたらそこをお前にやろうって言われたんだって。それでね……」
「うんうん、それでそれでっ!」
「もう、いい歳したおっさんが(笑)。なんでそんなに真剣な顔して、
つぎっ、つぎっ、みたいな 雰囲気出してるのよ(笑)」
「そこはいいからいいから、気にしないで! さぁ〜次を(笑)」
「しかたないわねぇ〜(笑)。それでね、王様が7歩歩いてどうなったとおもう〜?」
「歩いて? う〜ん、そうだなぁ〜見えたんなら石にはなってないはずだからぁ〜、
う〜ん待てよぉ〜?見えたけど何かあって石にされたのかぁ〜?
わからんっ(笑)」
「おしいなぁ〜(笑)。いい線いってたわねぇ〜。王様は7歩歩いて、
その約束の都市は王様の目に見えましたぁ〜!」
「おぉ〜、見えたのかぁ〜! それはそれは、という事はだっ、
王様はその都市を賭けに勝って魔女からもらったはずなのに、
なぜここで兵士と一緒に石にされてるんだ?」
「よく気が付きまちたねぇ〜。えらいでちゅねぇ〜(笑)
ほめてあげまちょかぁ〜(笑)」
「おいっ、いい歳したおっさんをからかうもんじゃないっ(笑)。
それでどうなったんだ?」
「王様の目にはたしかにその都市は目に入ったの。
でもね、王様は自分の足元の土を魔法で盛り上げて、
高くして見えるようにしたのっ」
「要は知恵くらべじゃないけど、まずは王様はその都市を目にしたと……」
「それに怒った魔女がね、王様と兵士を石に変えちゃったんだって。
『ズルは許さん』って」
「最初の約束はわかんないけど、魔女の中ではズルってことだったんだなぁ〜。
むずかしいなぁ〜、これは。王様としては知恵を使った、
でも魔女の中ではズルだったと」
「そうねぇ〜。そう言ってる間に、今日泊まる村が見えてきたわよっ」
───立秋/望月/仏滅/一白水星/未の刻/晴光───
次回 龍の伝承と、三人の懐かしい春の思い出 へ続く
第37話「龍の伝承と知恵比べ そして石になった王様」をお読みいただき、ありがとうございました!
お宝に過度な期待をしない現実的なおっさんと、それを面白がる二人。
そして、王様が知恵を使ったつもりが魔女の逆鱗に触れて石にされてしまったという、
なんともシュールな伝承でしたね(笑)。
そうこうしているうちに、ついに今日泊まる村が見えてきましたが……?
次回も旅の道中をお楽しみに!
ご案内の語り部は、次回 またあなたを特等席へ。
どんな誘いになるのか、次の Causerie (物語)をお待ちいただければ幸いです。




