おっさんのロマンと、麗しき(?)お姉様論
皆様、ごきげんよう。あるいは毎度のことながらのお付き合い、ありがとうございます。
おっさんによる、おっさんなりの、しかし本人至って大真面目な
独白モノローグの時間がやってまいりました。
さて、人生の(あるいは異世界の荒波の)一服の清涼剤といえば、何でしょうか。
甘いデザート? それとも温かいお茶?いやいや、忘れてはならないのが、
我が道を往く最高齢の「お姉様」――もとい、愛すべきおばあちゃんの
圧倒的な存在感です。
理屈じゃない。そこにロマンがあるからだ。そんな持論を胸に、今日も今日とて
我が道を爆走するおっさんの日常を、どうぞ温かいお茶とお菓子でも片手にお楽しみください。
「ころねお嬢様 わためお嬢様 デザートはあちらにご用意いたしております。
お席のお移動を、お願いしてもよろしいでしょうか?」
「えぇ〜もう少し、お腹落ち着いてからがいいんだけどなぁ〜
今行った方がいいのぉ〜?わためぇ〜どうする〜?」
「せっかくだからいってみよぉ〜よぉ〜 ご飯もあまり食べないで、準備しててくれたみたいだしぃ〜」
「わためがそういうならぁ〜」
「目でも楽しめるようにしてございますので、ぜひっ」
「もう〜そこまで言われちゃねぇ〜ちょっとだけ楽しみにして、行ってみようかぁ〜」
「ころねぇ〜すごいよぉ〜 早く来なよぉ〜 うっわ〜これっ!持ってきたあのデザートよねぇ〜?
ほんとすごいねぇ〜ここまでよく飾り付けしたねぇ〜」
「待ってよぉ〜わためぇ〜 そんなに〜?大げさなんじゃないのぉ〜?
いくらなんでも、持ってきたデザートでって……」
「ころねお嬢様 わためお嬢様いかがでしょうか?
お気に召していただけましたでしょうか?」
(ふんっ、勝ったな(笑)これで数の少なさはわかりにくいはずっ!
何とかお仕置きはまぬがれたはず……。あの精霊達めぇ〜好きなだけ食べるわ、
持って帰るわしやがってぇ〜何かで返してもらわないとなっ)
「これって、おばぁちゃんから聞いてた、貴族とかがやってるやつよねぇ〜?
こんな感じなんだぁ〜すごいねぇ〜。にしても、何でこれをジプシ〜は知ってたの?
やっぱり、いいとこのご出身とか〜?」
「そんな大げさなぁ〜(笑)俺もいい歳したおっさんだろぉ〜?
そうなると、おぼえなくていい事まで、いつの間にかおぼえてるもんなのさっ(笑)
それに、温めたお茶も冷めちゃうから、お嬢様方、お席の方へどうぞ(笑)」
「旅の途中でこんな経験できるなんてぇ〜すごいよねぇ〜わためぇ〜
ほんとおいっしぃ〜!屋台で買ったおなじお菓子とは思えないねぇ〜」
「でっ、食べる順番なんだけど、下の方から順番に食べていってね。
あと、味を変えたくなったら、果物を煮つめたものとか、ちょっとつけて食べてみて」
「ころねぇ〜このお茶ももの凄くお菓子にあって 美味しいよぉ〜 口の中の甘さが一旦なくなるから、
また次のを食べたくなっちゃうのぉ〜 これはだめですよぉ〜 こんなお昼食べたばかりなのに、
これは危険ですっ〜!でも、とまらないっ……!」
「これはほんとに、あのおねぇ様方がいってたけど、とんでもないっ“優良物件”かもよぉ〜。
旅先なんて、街によるときくらいの、たまの贅沢とか思っていたのに。
こんな街でも経験できない事が、目の前にある……」
「それにあの人見知りというか、人を警戒してなかなか話さない、おばぁちゃんがすんなりジプシ〜と
話ししてるし、それに孫のわたし達よりも仲良くしちゃって、なんか妬けちゃったんだけど……。
ほんとにあれは何だったんだろうねぇ〜不思議だよねぇ〜ジプシ〜。
あんたいったいわたし達のおばぁちゃんに何したのよぉ〜?催眠術でもかけたのぉ〜?
怒らないから白状しなさいよぉ〜」
「そんなんじゃないって(笑)まぁ俺は見た通りおっさんだ、見ればわかるだろ。
それでわため、ころね。おばぁちゃんは、あたりまえだが俺より年上。
でもそれが、もっと若い時だったらどうなっていると思う?」
「「若いときねぇ〜?」」
「そう、若いときっ」
「なんか想像つかないねぇ〜。わたし達が生まれた時には、もうおばぁちゃんだったから(笑)」
「うん、なら、もし俺がこのまま若返ったらというか、俺も若い時があった。
その時には、おばぁちゃんはおばぁちゃんのままか?」
「ジプシ〜が、若返るっていうのも想像できないけど……。
ジプシ〜が若いときってことは、おばぁちゃんももちろん、それだけ若くなるわよねぇ〜?」
「うん、そういうことだっ」
「だから、それじゃわかんないって(笑)もっとちゃんと言ってくれなきゃ(笑)」
「そこは察しろ(笑)とはいっても無理だよなぁ〜、その年齢としだもんなっ(笑)
おれが若いってことは、おばぁちゃんも若いってことだ。ここまではいいなっ?」
「「うんうん、さきに進めて」」
「となると、俺にとってはおねぇ様なわけだ。そうなれば、敬意を持って接するのが
あたりまえだろ〜?あんなに美人なおねぇさんんだからぁ〜」
「えっ、今ジプシ〜なんて言ったの? 美人なおねぇさん?
わためぇ〜聞き間違いじゃないわよねぇ〜?今、美人なおねぇさんって・・・・・」
「うん、ころね、間違いなくわたしも聞いたよ。っていう事は、家族以外に見せたことない
あの自慢の若い時を、ジプシ〜に見せたんだぁ〜!うっわぁ〜、これはすごいことだよぉ〜!
今まで誰にも見せたことなかったんだからぁ〜。そこまでジプシ〜の事信用したんだろうねぇ〜、
こんなおっさんなのに〜」
「おいおいおい、おっさんはよけいだろぉ〜(笑)でも、あれで料理まで完ぺきと来てりゃ、
そりゃ〜おじぃちゃんがほれ込んで、ずっと一緒にいたのわかったわぁ〜」
「そんなになのねぇ〜 わたし達は ほらっそれがあたり前だったから
そんなに〜とは思っていなくてでもっ 今の聞いてやっぱりすごかったってわかったわ」
「そっかっ〜 それはそれでもの凄い贅沢な子供時代だったんだなぁ〜 ある意味うらやましぃなぁ〜」
「こうやって別の人の口から聴くと 相当だったんだって改めてわかるわ 身内以外から話しを具体的に
聞いたことなかったからねぇ〜」
「まぁこの旅がどこまで続くかわかんないけど この旅の間に少しでもおばぁちゃんの味に近付く様に
料理がんばってみようかなぁ〜?」
「ほんとにぃ〜? そしたら わたしもわためも うれしいんだけどなぁ〜」
「ただ あんまり期待するなよ せいぜい出来ても 煮物とかなべもの料理に限ってだな
他の料理は無理だな」
「それでもいいわよぉ〜 おうちの味が食べられるんなら それこそどんな高級なお料理より
わたし達には 価値があるもんっ」
「でねっおばぁちゃんが むかし言ってたんだぁ〜 いっしょに旅してて 疲れてキゲンが悪くなって
でも料理を食べたら またもと通りになるってっ」
「うん それは間違いないなっ ただしっ料理にもよるとだけ言っておこう(笑)」
「えぇ〜 それはどういうことぉ〜?」
「例えばだなぁ〜肉料理 中まで火を通さないと危ないのはわかるが まわりが黒焦げの肉の塊が
出てきたらどう思う? あとはだなぁ〜? スープ料理とかだな 本来はトロミがついてるのが
正解のスープがあったとしよう それがトロミも何もなく サラッサラッのスープが出てきたら?」
「それはさすがにねぇ〜 もとを知らなければ こんなもんなのかなと思って食べるかもしれないけど
もとを知っちゃてて 味もわかってる料理が出てきたら おなか埋めるのには食べるしかないと
思って食べるわねぇ〜」
「うん そういう事だっ 同じ料理でも それだけで疲れや気持ちの持ちようが違ってくるって事だっ」
───立秋/望月/仏滅/一白水星/午の刻/晴光───
次回 龍の伝承と知恵比べ そして石になった王様 へ続く
お疲れ様でした! 『おっさんのロマンと、麗しき(?)お姉様論』、いかがでしたでしょうか。
美味しいお茶とデザートを囲みつつ、繰り広げられるのは相変わらずのマイペースなやり取り。おばあちゃん(お姉様)の底知れぬ魅力と、それに全力で(勝手に)感化されていくおっさんの姿を見ていると、なんだかこちらまで甘いものが食べたくなってきますね。
厨二病がどうとか、おっさんがどうとか、そんな細かいことはこの際さておき。
美味しいお茶と優雅なひとときがあれば、人生大体うまくいっている……のかもしれません。
ご案内の語り部は、次回 またあなたを特等席へ。
どんな誘いになるのか、次の Causerie (物語)をお待ちいただければ幸いです。




