精霊の小さないたずら 消えたデザート
ふぅ〜……10月もいよいよ終わりが見えてきて、
旅の空気も少しずつ軽くなってきた感じがするねぇ〜。
今回は、社会人あるあるの愚痴から始まって、
丘の景色にテンション上がったり、
精霊のいたずらでジプシ〜が大混乱したりと、
“旅の再開らしい軽さ”がいっぱい詰まった回になってるよ。
ころね&わための美少女ムーブも健在で、
ジプシ〜のズレた焦りも相変わらずで(笑)、
3人の掛け合いのテンポがとても気持ちいい話になりました。
精霊の気配が少し濃くなってきたのも、
これからの旅にちょっとした変化が起きそうな予感……。
それじゃぁ〜、35話、ゆっくり楽しんでねぇ〜。
「ふぅ〜……今度こそちゃんと旅に出れるわよねぇ〜?ジプシ〜?」
「なんで俺の方見て言うんだよぉ〜。俺は被害者だぞぉ〜。
俺がなにかして戻ったわけじゃないだろ〜?ここは断固抗議するっ(笑)。」
「でも、ころねぇ〜。この後の予定は丘まで行って、軽くお昼食べて、
あとは北に向かう途中で時間とか見て……そこで今日は泊まるのよねぇ〜?」
「うん、だいたいそんな感じかなぁ〜?あんまり無理して前に進んでもだから、
ほどよい所で身体と相談しながらかなぁ〜?まぁ、あてのない旅だしゆっくりでいいんじゃない?
これで2人だけなら荷物とかいろいろ気にしなくちゃいけない事
出てくるけど……荷物はほぼジプシ〜が持ってくれてるし。」
「だねぇ〜。おかげで楽だよねぇ〜。おばぁちゃんのお使いの時は2人で“大事だから”って
ものすごい気を使って運んでたから、よけいに疲れちゃってねぇ〜。」
「それは聞いてるだけでも大変そうだなぁ〜。その時はやっぱり遠くまで足をのばしたのかい?」
「そこまでの距離ではないよ。お隣といえばお隣の街までっていう感じかな。
でもその荷物が“頼まれたチーズ”だったから、それもこれから売るんじゃなくて、
“もう売れたから追加を早く〜”って督促されて……
それで届けに行ったから、気が気じゃなかったわよ。」
「うん……聞いてるだけでいろいろすり減りそうな話だなっ。
俺にも経験あるけど、頼んでくるほうはこっちの都合なんてかまいやしないからなぁ〜。
口では “いつでもいいですよぉ〜” とかうまい事言って、
“じゃ〜次行くときにでも別のと併せて届けますねぇ〜” とか伝えて……
何日かすぎたら “頼んだ分はどうなってるんだ” って。」
「ぁぁ〜、ジプシ〜もあるんだぁ〜。ほんとそれなら逆にはっきり言って欲しいわよねぇ〜。
そしたら多少無理いわれても折り合いつけるか、調整して届けに行くのに……
“いつでもいい” って言うから “わかりました” って言ったら、
今のジプシ〜とおんなじで “まだですか” って(泣)。」
「ほんとあ〜いう後出しする人達って何考えてんだろ〜ねぇ〜?
1回、頭の中見せて欲しいもんだね。
やっぱり、こういう話はどこでも“あるある”なんだなぁ〜(笑)。
……というか、目的地の丘が見えてきたぞ〜。」
「うっわ〜……聞いてた通りねぇ〜。下に街が端のほうまで見えて……これはすごいわねぇ〜。」
「まずは、ちょっと一息入れましょうかぁ〜。どこいらにする〜?」
「それなら、荷物は俺が持っちゃってるし準備しとくから、
2人はぐるっと周りでも先に見てきたらどうだ?こんな天気がいいんだ、たぶん気持ちいいぞぉ〜。」
「えぇ〜……いいのかなぁ〜?ころねぇ〜、あぁ〜言ってくれてるけどどうする〜?
2人で先に見に行ってくる〜?」
「こういう時は甘えておくもんよっ。あぁ〜言ってくれてるんだしっ。
まかせてもダイジョブでしょ〜。」
「「じゃ〜、ちょっと周り見てくるねぇ〜」」
「いってらっしゃ〜い。……ふぅ〜、まずは何から手を付けようか。
それにしても、おやっさんもおかみさんも……まぁずいぶんと用意してくれたねぇ〜(笑)。
あんなちょっとお金戻ってきただけで、それも俺は何もした覚えないから……
ここまでされちゃうと逆に申し訳ないよなぁ〜。」
「ほんと気持ちいいわねぇ〜。あんなに遠くまで見えるよぉ〜。
わためぇ〜、こっちこっちぃ〜。あの辺、お世話になった宿のあたりかなぁ〜?」
「ころねぇ〜、はしゃぎすぎだってぇ〜(笑)。たしかに天気が悪い日に当たったら、
景色は遠くまで見えないし期待できないって聞いてたけど……
それにしても、ここまで雲1つないってすごいよねぇ〜(笑)。」
「おぉ〜、ころねぇ〜、わためぇ〜。早かったじゃないかぁ〜……って、あれっ?
今たしかに戻って来た気がしたんだけどなぁ〜?おっかしいなぁ〜?
それに、ご飯のあとに2人に用意したデザートも……なんか数が合ってないし。
出し忘れはないはずなんだが……?まさか、ついに俺もボケがはじまったのかぁ〜?」
「でも、歌にしたくなるくらいほんと素敵な場所ねぇ〜。
どんな歌か知らないけれど……これならその気持ち、わかる気がするわぁ〜。」
「って、うわぁ〜びっくりしたぁ〜!えっ、精霊……それもあの時の?
なんでここに?ていうか〜それは食べちゃダメぇ〜!
ご飯のあとのオヤツなんだからぁ〜!それに決まった数しかないんだから……
なんでこんなに精霊がいるんだよぉ〜(泣)。」
「なら、もうそろそろお腹すいたし戻ろうかぁ〜。ジプシ〜が準備してくれてるって言ってたから、
もう食べれるかなぁ〜?おまけに、ご飯のあとはちゃんと準備してきた
デザートちゃん達が待っているヾ(´∀`)ノキャッキャ。」
「うっわ〜……これどうすんだよぉ〜。デザートほぼないじゃないかぁ〜。
これは絶対おこられるぞ〜。俺が食べたわけじゃないのに……
こういう時に限って俺がおこられるんだえぇ〜えぇ〜わかってますとも。
おまけに、さっきまでいたのにもう姿見えないし……お願いだから戻ってきてぇ〜(泣)。」
「ジプシ〜、お待たせぇ〜。準備できたぁ〜?
ほんとにすごいわねぇ〜。おやっさんとおかみさんの2人からいただいたとは聞いてたけど、
食べるのもったいないくらいねぇ〜。1つずつはそれなりの大きさなのに、
いろんな形があって食べるのが惜しいくらいだわぁ〜。」
「ころね、見てるのなんだけど……早く食べよぉ〜よぉ〜。
こんなにいい香り、ずっと我慢なんて出来ない。」
「だねぇ〜わため。それじゃぁ〜食べようかぁ〜。いっただっきまぁ〜す。」
「う〜ん、やっぱり美味しいねぇ〜。このパンのサンド、今日は何をはさんでくれんだろねぇ〜?
いつもいつも具材が違うから覚えられないんだよねぇ〜。」
「それにメインだけじゃないよぉ〜。ス〜プもデザ〜トも…… ほんとにあのお宿が人気で予約無理って
聞いてたけど、これはわかるわぁ〜。それにあのキャロルちゃん、
絶対“次もここに泊まろう〜”ってなるよねぇ〜。」
「「そりゃなるよねぇ〜」」
(うん……今は何も考えない。無心になるんだ俺っ。とにかく食事だけ楽しむんだっ。
デザートの事はまたあとから考えよう……うん、そうしよう。(泣))
「ジプシ〜、どうしたのぉ〜?あんまり食べてないけどぉ〜?
あぁ〜もしかして……わかっちゃったぁ。
こんな美少女2人を独り占めにしてご飯食べてるのが信じられなくて、
あんまりご飯が食べれてないんじゃないのぉ〜?」
「ころねぇ〜……自分から美少女って(笑)。でもほんと、どうしたのぉ〜?
昨日の夕飯とかもあんなに食べてたじゃない?どこか具合悪いの?
それとも1人で準備したから疲れちゃった?
それなら〜、疲れ取れてからご飯ゆっくり食べてもいいわよぉ〜?」
(ほんとにどうしようぉ〜……なんとかデザート少なくなってるのをごまかす方法考えないと……
あそこまで減ってたら絶対気づかれる。んっ? 今……俺はどこにいる?
俺がいるとこはどこだ?もしかしたら、この方法でやればごまかせるかもしれないなぁ〜……
ちょっと賭けだが、やってみるかぁ〜……)
───立秋/望月/仏滅/一白水星/巳の刻/晴光───
次回 おっさんのロマンと、麗しき(?)お姉様論 へ続く
今回の35話は、
丘の景色と精霊のいたずらが重なって、
旅の“軽い日常”がとても綺麗に出た回だったねぇ〜。
デザート消失事件は完全に精霊の仕業なんだけど、
ジプシ〜が1人で焦ってる姿がもう……
読んでても声出して笑っちゃうくらい、
いつもの“おっさんのズレ”が最高でした(笑)。
ころねの自称美少女ムーブと、
わための柔らかい心配もかわいくて、
3人の旅の空気がほんとに心地よかった。
そして最後のジプシ〜の
“ごまかし作戦のひらめき”──
あれが次の話への自然な導線になってるから、
11月1話は少しだけ旅の方向が変わるかもしれないねぇ〜。
10月ぶんの締めとしても、
とても柔らかくて気持ちいい話になりました。
ご案内の語り部は、次回 またあなたを特等席へ。
どんな誘いになるのか、次の Causerie (物語)をお待ちいただければ幸いです。




