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『厨二病が痛すぎて異世界出向。 〜 おっさんの Monologue《独白》 × Causerie《囁やき》 〜 』  作者: 放浪の狼


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小さな予感と 再びの旅立ち


今回のお話は、33話から続く

“精霊とおっさんのちょっと不思議な関係”の続きになります。


旅に出る前の静けさの中で、

ころねとわためが感じ取った

小さな予感──

それは、ただの期待ではなく、

精霊たちがそっと寄り添ってくるような、

そんな柔らかい気配でした。


そして、老いぼれが語る

“複数の精霊の気配”や“龍の気配”は、

旅の先にある出来事を

静かに、でも確かに示してくれます。


まだ何も始まっていないのに、

どこか胸が高鳴るような、

そんな 再びの旅立ち の前のひととき──

その空気を感じてもらえたら嬉しいです。



     ーーーーー 冒頭は33話からの おっさんと精霊の続きになりますーーーーー


「えぇ〜 それは本当ですかっ?その好かれているっていうのは?

わため〜 今の聞いた?それがもしほんとなら、すっごい事だよぉ〜。」


「ねぇ〜 信じられないよねぇ〜 ころねぇ〜。でもほんとにすごい事だよねぇ〜。

おばぁちゃんが前に話してくれた“おとぎ話”が、眼の前で起きてるんだよっ。」


「わたしもね、見えるわけじゃないのさ。なんかうっすらと感じるだけなんだけどね。

この先どんな旅になるかわからないが、1つの精霊だけじゃなく、

いろんな精霊から好かれてる気配はしてるから、ある意味で楽しい旅になるんじゃないかいっ(笑)」


「へぇ〜 いろんな精霊からねぇ〜。あのおっさんがねぇ〜? なんか信じられないよなぁ〜。」


「でも気をつけるんだよ。精霊はやきもち焼きで、いたずら好きだからね。

とくに甘い物とかお菓子は、気付いたらなくなってるかもね(笑)」


「わため、お菓子だって、わたし達の分は残るように気を付けて見ておこうね。

ジプシ〜の分は“精霊様に捧げます”って事でいいんじゃないかな?

本人もあんまり甘いもの好まないし、食べないって言ってたし。」


「そうだね。ジプシ〜の分を“貢ぎ物”ってことで(笑)」


「でも、ちょっと真面目な話に戻るんですけど……何がそんな気に入られたんでしょうか?

普通の人はまず気に入られることはないって、おばぁちゃんから聞いていたので、

不思議なんですよねぇ〜。」


「そこは、さすがに長く生きてきた私でもわかんないねぇ〜。

ただ、そのお金を取り戻したっていったろ?その袋に“精霊の気配”は残ってたんだよっ。

それでこの老いぼれも気付いたんだよ。」


「そうなんですねぇ〜。本人も何もした覚えがない、気付いたら足元に袋が落ちていたって、

ものすごい必死になって言ってましたけど……ほんとにそうだったんですねぇ〜。」


「そうだねぇ〜。それだけじゃなくて、その精霊の気配も濃かったし、

複数あったからねぇ〜。めずらしい事もあったもんだよ。」


「あぁ〜それっ。おばぁちゃんから聞いたことありますっ。

好かれるだけじゃなく“複数から”ってなると、ほんとに奇跡以上だって。

まずそんな事は起きないんだよって、何回も寝る前に聞かされていました。」


「わたしもわたしも。もし複数の精霊がよってきてる時は、

好奇心じゃなく“そいつがなにかやらかして、精霊が怒っているんだから気をつけろ”とも聞きました。」


「そうだねぇ〜。みんなそうやって小さい時から聞かされて育つもんさ。

でもあいつは違ったんだよ〜。

精霊が“かまって欲しくて”自分からよっていってる感じがするんだよねぇ〜。

あんまり確かでないけどね。」


「そうなんですねぇ〜。いろんなとこに行かれた方から聞くと、

実感はまだわかないですが、この先の旅が楽しみに思えてきました。」


「それだけじゃないんだよ。あいつからは──ありえないんだけどね、

“龍の気配”までしてきてるからねぇ〜。精霊に好かれるだけならまだしも、

龍にまで好かれてる気配がするってのは、よほどだからねぇ〜。

龍は普通は気にもかけやしないからねぇ〜。逆になにあった時は 畏怖《いふ》 でしかないからねぇ〜。」


「なんなんでしょねぇ〜?そこまで聞いちゃうと、ほんと不思議ですよねぇ〜。

あんな感じで呆けて、何を考えてるかわからないおっさんにしか見えないんですけどねぇ〜(笑)」


(ぶぇっくしょ〜い。ほんとに今日は何なんだぁ〜?風呂にとびこみすぎて湯冷めでもしちまったか。

でもすぐに服は借りて着替えたしなぁ〜?あんなちょっとで風邪引くこともないはずなんだが?)


「まずは、時間も時間ですし──いよいよ旅に出ますかぁ〜。

って、何回旅に出てんのよって(笑)いう話だけどね。」


「今度こそ、ちゃんと旅に出ようね。丘に行くんだったら、さっきの話じゃないけど、

いつでも精霊に逢ってもいいように、ちょっとだけ甘い物持っていってみようよ。」


「楽しみだねぇ〜。何がいいのかなぁ〜?どんなのだったら気に入ってくれるかなぁ〜?

やっぱり〜定番の果物とかぁ〜? 果物、干したものとかぁ〜?

あとはちょっとした小さなお菓子もいいかもね。」


「おぉ〜い、話しは終わったのかぁ〜?こっちは準備終わったぞぉ〜。

着替えとかも持ったし、途中の非常食も問題ないくらいに持ったぞ。そっちは?」


「こっちもおっけぇ〜よ。まず果物に、果物の干したもの。

それに小さめの砂糖菓子に、ちょっとした甘い焼き菓子。すごいでしょぉ〜。」


「うんすごいなっ。それだけの量あると、いっきに空気まで甘くなるのわかったから……

早くしまってくれ。この空気だけでお腹いっぱいだっ(笑)」


「それでね、あの、おねぇ様方からいろいろ聞いたんだけどね。

運がよければね、あの丘についた時に、ちょっとした“いいこと”が起こるかもって。」


「いいことねぇ〜?ちなみにどんな事なんだ?なにか催し物やってて美味しいものが食べれるとか?

もしくは美女がいっぱいいて、俺を待ってるとか?」


「はぁ〜……これだから。両方ともハズレよ。

っていうか、そう都合いいことばかり次から次へと思いつく……

ほんとそれもある意味才能かもねぇ〜。」


「そんなぁ〜……照れるじゃないかぁ〜。あんまりほめるなよぉ〜(//∇//)」


「「ほめてませんっ」」


「いいおとこがだいなしだねぇ〜(笑)。でもこれからの旅は楽しみが待ってるから、

まぁ気張らずにゆっくりお行きよ。」


「いやぁ〜……なんか恥ずかしいとこ見られちゃいましたねぇ〜(笑)。

多分、自分がおっさんなのもあって、かつ年の差もあるからなんでしょうけど……

なんか強く出れないんですよねぇ〜(笑)。」


「きぃ〜ムカつくぅ〜。変に“大人の余裕”見せつけてくれちゃってぇ〜(笑)。

かんじんな時に大人の対応してもらえるんでしょうかねぇ〜(ニヤッニヤッ)。」


「そんなん当たり前だろぉ〜。何があっても、何かしら対応は多分できるさ。

ただ、それが正解かどうかはわからんけどなっ(笑)。伊達にこの年まで無駄に生きてきた訳じゃない。

何かはこの頭から出てくると思う(笑)。」


「まぁ〜いいわっ。信用はしないけど頼りにはするわっ(笑)。」


「ひっどいなぁ〜。そこは“信用もするし頼りもするからよろしくね”って、

かわいく言ってくれる流れを期待してたんだけどなぁ〜(笑)。」


「そんな事あるわけ無いでしょ(笑)。まだ旅にも出てないのに(笑)。

でも、これから先で頼りにはさせてもらうかもね。」


「ですねぇ〜。おねぇ様方からいろいろ貴重な話し聞けましたし〜、

それに、いろんな事が起こりそうな予感もチラホラと(笑)。」


「なんだよぉ〜、その予感って。俺にも聞かせてくれよぉ〜。気になるじゃないかぁ〜。」


「いいのよ、ジプシ〜は知らなくて。その方が絶対“楽しい事”が起きそうな予感がするんだもんっ。

ねぇ〜、わため。」


「はいっ。間違いなく楽しいことは起きるの間違いないでしょ〜。

わたし達にとっては期待しかないと断言できますっ。」


「ちなみに……その“わたし達”に俺は入ってるのかなぁ〜?」


「それはどうなんだろねぇ〜(笑)。」


           ───立秋/望月/仏滅/一白水星/辰の刻/晴光───


次回 精霊の小さないたずら 消えたデザート へ続く




今回の34話は、

旅に出る前の“準備の時間”を中心に描きました。


精霊の気配、龍の気配、

そしてころねとわための期待──

それらが少しずつ重なりながら、

ジプシ〜のズレた返しと掛け合いが

柔らかいコメディとして物語を支えてくれました。


まだ旅は始まっていません。

でも、読者のみなさんにも

“何かが起きそうな予感”を

感じてもらえていたら嬉しいです。


次回、35話ではいよいよ

丘へ向かう一歩が踏み出されます。

精霊たちがどんな気まぐれを見せるのか──

その続きも、ゆっくり楽しんでいただければと思います。


ご案内の語り部は、次回 またあなたを特等席へ。

どんな誘いになるのか、次の Causerie (物語)をお待ちいただければ幸いです。


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