ころねとわため、消えた二人──そしておっさんは、犯人になる
**この話では、遺跡の展示室に入った三人が、
思わぬ形で“消える二人”と“犯人になるおっさん”という、
いつもの旅日記らしい騒動を巻き起こします。
ころねの鋭い勘、わための天然な反応、
そしてジプシ〜のおっさんらしい勘違いが重なって、
静かな展示室が一気にコメディの舞台へ早変わり。
呪いの板の展示を見に来ただけのはずが、
なぜかおっさんが“犯人扱い”されるという、
この物語らしい かしましぃ展開 をお楽しみください。**
「うっをぉ〜……これはすっごいなぁ〜。
こんなに広かったのかぁ〜。
おまけにサウナまであったんだろ〜?
どんだけ風呂好きなんだよっ。
サッカー場くらいの広さあるんじゃないか〜?」
「ジプシ〜、ちょっといい?
今の“サッカー”とか“サウナ”とかって、な〜に?
そんな言葉、聞いたこともないんだけど。」
「あぁ〜すまんすまん。
ちょっと興奮しすぎた(笑)。
サッカーてのはな、ころね・わためのとこでも子どもたちが球みたいなの蹴って遊んでただろ?
あ〜いう遊びをサッカーっていうらしいぞ。
俺も人づてに聞いたから、わりぃそこまで詳しくないんだ。
あとサウナってのはな──
普通の風呂はお湯に入るだろ〜?
それを、お湯に入らず“湯気をためた部屋”に入って汗を出すんだって。
でなっ……」
「人づてに聞いたから詳しくないんでしょ(笑)。
でもねぇ〜、いろいろそうやって私たちの知らない話が次から次によく出てくるとねぇ〜……
もしかして何か秘密があるんじゃないのぉ〜?(笑)」
(なんでころねはこうも勘がするどいんだよ……ほんと、どうやってごまかそうか)
「秘密なんてあるわけないだろっ(笑)。
ころねは俺がどう見えてるんだよっ。
ちなみに何に見える?
何も言わんから、見たまんま言っていいぞっ。」
「う〜ん……見たまんまかぁ〜。
おっさん。
それも時々、女の子方面にしか暴走しないおっさん(笑)。」
「うっ……言い返せない俺がいる。
って、それはあまりにひどくないかぁ〜。
おっさんは分かる。
それはな、認めざるをえない事実だからなっ。
そこは甘んじて受けよう〜。
でも“女の子方面に暴走するおっさん”はひどくないかぁ〜。」
「じゃ〜なんで、わための双丘ばっかり見てたり、
露天風呂で壁際をずっと動いてたのかなぁ〜?」
「なんでっそれを……
露天風呂なんて見えないはずなのに……
なぜ俺の行動を手に取るように当てるとは……」
「ふっふ〜ん。
見えてないと思ってるでしょ〜?
ざ〜んねぇ〜ん。
実はおっさんのやってる事はすべて丸見えだったのよ(笑)。」
「そっか〜……そうだったのかぁ〜。
ならそりゃ〜分かるよなぁ〜。
って、えぇ〜!?
見えてたのぉ〜?
ほんとに最初から最後まで?
ぜんぶ?」
「そう、ぜんぶ。
わためとふたりで、
“何やってんだろねぇ〜?”って不思議に思ってたんだから(笑)。」
「って、なんで見えてるんだ。
露天だぞ?
それもあんなに高い壁があったじゃないか。
あんなに高い壁あったら、そっちからも見えないだろっ。」
「と思ってるでしょ〜?
女の子用の露天風呂のほうが、男子用の露天風呂より高い位置にあったんだよ。
だから、男の人用の露天風呂が丸見えだったわけ。」
「まじでぇ〜……そんな仕掛けがあったとは。
でもそのおかげで男用の露天風呂は、風の通りとか弱いと思ったけど……
ほどよい流れができてたんだな。」
「わぁ〜……それはそれである意味ずるいわねぇ〜。
こっちも風は気持ちよかったけど、風の強いときは何回か入りなおさないと
身体がすぐ冷えちゃって大変だったんだから。
そのおかげでのぼせたりとか、そういう事はなかったからよかったんだけどね。」
「と言ってるうちに……ここかぁ〜。
この中らしいぞ。
その服を持ってかれた人たちの“呪い(笑)”の板が置いてある部屋は。」
「もぉ〜、そんな事言ってるとジプシ〜が呪われるわよぉ〜(笑)。」
「失礼ですが、みなさまはご一緒のお仲間でしょうか?」
「はいっ、そうですが……それが何か?」
「中での混雑を防ぐために、1団体様ごとに見ていただいておりますので、
確認のためお伺い致しました。」
「あぁ〜、そうだったんですね〜。
それはありがとうございます。
ころね、わため、ちょっとだけどな……ゆっくり見れそうだぞ。」
「では、お入りください。
中の展示物には、くれぐれも御手をふれないようお願い致します。」
「じゃ〜ジプシ〜、わため、行こうかぁ〜。」
「ころねぇ〜、どんなんだろうねぇ〜。
ちょっと楽しみだねぇ〜。
服を持ってかれた人がちょっとだけかわいそうだけど……
そのお願いがどんな風に書いてあるのか気になるよねぇ〜。」
(ひそひそ ひそひそ ひそひそ ひそひそ ひそひそ)
「もぅなによぉ〜 ジプシ〜 いいたいことあるならはっきりいいなさいよぉ〜 ってじぷし〜?」
「ころねぇ〜 どこいったのぉ〜? ジプシ〜どぉ〜こぉ〜? もうそんなとこさわっちゃだめてぇ〜」
「う〜ん 2人ともどこいったんだぁ〜? ふむふむ へぇ〜 女の人も服を持ってかれてるのかぁ〜
大変そうだねぇ〜 おれがそばにいたら服の代わりにすぐなるのに ( ̄ー ̄)ニヤリ 」
「「きゃぁ〜なんでわたしの服持っていくのよぉ〜 かえしなさいよぉ〜 こんなんじゃ出れないよ〜」」
「なにか こっちの方から声が聞こえたけど ちょっと見に行ってみるかぁ〜 わためもころねの事も
心配だし 探してみないとなぁ〜」
「ん〜 なんでこんなとこに服が置いてあるんだぁ〜 展示品じゃないよなぁ〜? この木地とか今の
服だよなぁ〜 あぁ〜 こっちにも置いてあるなぁ〜 誰かもの好きが 疑似体験しながら展示品とか
見てるのかぁ〜(笑)」
「あぁ〜 わためぇ〜 その格好どうしたのぉ〜 服着てないじゃないのぉ〜」
「そういう ころねだってぇ〜 ほぼ生まれたままの姿じゃないのぉ〜 服はどうしたのよぉ〜」
「へっへっへぇ〜 大漁大漁 この服から察するに 絶対にうら若きお嬢様ですね これでさっそうと
服を差し出したら 感謝されること間違いなしだなっ おまけに今おれの手元に服があるってことは〜
そういう事だよなぁ〜 ( ̄ー ̄)ニヤリ 」
「ほんとに こんなかんじんな時に ジプシ〜はどこいっちゃったのよぉ〜 次に 見つけたら絶対に
ただじゃおかないんだからぁ〜」
「ん〜 また声が聞こえた気がしたけど こっちの方かぁ〜? ほんとに2人ともどこに行ったんだか
まだ時間あるからいいようなものの あんまりゆっくりはできないぞ」
「ころねぇ〜 その自慢の耳でなにか音はひろえないのぉ〜? 例えば ジプシ〜の足音とかぁ〜」
「さっきから 何回かあたり探ってるんだけどねぇ〜 音が反射しててうまくひろえてないのよ〜」
「っと みぉ〜つけったぁ〜 って なんでそんな格好してんだぁ〜 2人してぇ〜 そんなにこの
おっさんが待ち遠しかったのかなぁ〜(・∀・)ニヤニヤ」
「「あぁ〜 それわたしの服ぅ〜 そっちはわたしのぉ〜 なんでジプシ〜がっ 持ってるのよぉ〜
ジプシ〜が 犯人だったのねぇ〜 ゆるさないんだからぁ〜 お仕置きよぉ〜」」
「なんでぇ〜 服をひろっただけなのにぃ〜 あんまりだぁ〜ぁ〜ぁ〜ぁ〜ぁ〜(泣)」
「うん いつの時代も悪は滅びるのよ わため さっさと着替えちゃいましょ このままでいたら風邪
ひいちゃうわよ」
「うんころね あとは着替えるだけ着替えたら犯人に聞き取り調査ね 絶対に許してあげないんだから
こんな 可憐な乙女のやわはだを直接見るなんて こうなったら何としても責任とってもらわなくちゃ」
───立秋/望月/仏滅/一白水星/辰の刻/晴光───
次回 おっさんの“むかしはおねぇさんだった方々”への背中流し へ続く
**今回の騒動は、遺跡の展示室という静かな場所で起きた、
“旅日記の雑談がそのまま事件になる”という、
この物語らしい展開でした。
ころねとわためが消え、
おっさんが服を拾っただけで犯人扱いされる──
この誤解とコメディの流れは、
まさに某“都市の狩人”そのものです。(言い過ぎたかもっ)(笑)
呪いの板の展示は本来なら厳かなものですが、
三人が関わるとどこか柔らかく、
日常の延長のような空気になります。
ご案内の語り部は、次回またあなたを特等席へ。
どんな誘いになるのか、次の Causerie(物語) をお待ちいただければ幸いです。**




