女神の つうこんのいちげき! おっさんは 致命傷を 負った!
この回では、女神様・わため・ころね・司教・司祭──
それぞれの“ズレた記憶”と“ズレた会話”が、ひとつの神託の間に集まります。
そして、厨二病が痛すぎるおっさんは……
女神様の説明に耐えきれず、にげだそうとして失敗し──そのまま気絶することになります。
もちろん原因は、女神様の“痛恨の説明”。
軽いテンポで進む、
おっさんの Monologue to Causerie、第22話。
どうぞお楽しみください。
「もう、ほんとにこっちだって忙しいんだからっ。
早く来てくれないと困るのっ。そこはわかっているの?
特に──そこにいるおっさん1名。」
「えっ、おっさん? どこにいるかわかる〜? わためぇ〜?」
「どこにもいないよねぇ〜? ころねもわかんないよね?」
「「というか、あの女神様……どこかで見た事ない?」」
「「ぜったい見おぼえあるよねぇ〜」」
「わためもあるんだね?」
「そういうって事は、ころねもあるんだね?」
「えぇ〜と……今、なぜか急に浮かんできた事があって……
わたしから話ししていい? わため。」
「ころねもいろいろ浮かんでいるのね。お先にどうぞ。」
「じゃ〜、とある“いろいろな物を作れるところ”があってね。
そこで水がめに溶岩は入れられないんだけど……
入れられると思って、おうち燃やしちゃった子がいたんだって。」
「それ聞いたことある。じゃ〜次はわたしね。
黒と白の石を並べて遊ぶ遊びがどこかにあるんだって。
その遊びで負け続けるから、遊びを知らない子になら勝てると思ったらしくて……
“わためちゃん”ていう子に声かけて勝とうとしたんだけどね。
ぎゃくに何も知らない子に負けちゃったんだって。」
「じゃ〜次はまたわたしね。
とあるところに、空気が乾きすぎたら乾かないようにしてくれる魔法があるんだって。
だけどね、その魔法を使うには最初に水を用意しておかないと使えないんだって。
でね、その女の子は──」
「それはちがうの! ちがうのぉぉぉ!!
ちがくはないけどぉ〜ちがうのぉぉぉ!!(泣)」
「てっいうか、ここで何してんの?
女神様ってちゃんと最後まで出来るの?
いろいろ世界見なくちゃいけなかったりするんでしょ?
だいじょぶなの?」
「えっ、ころねさん、わためさん……
もしかしてお二人は女神様と面識があるんでしょうか?
ジプシ〜様まで面識があるとは……
これほどの奇跡的な場面に立ち会えるとは……。・゜・(ノ∀`)・゜・。」
「司教、司祭、ここへ。
わたくしはそんな2人など面識もありませんし存じてもおりません。
ましてや──とある所で紙に描かれた絵の価値が高く、その価値を自慢されたり、
寝ないでいろいろお話しをしてて、どっちがSめる側……
だとかMもる側……だとか、
そんな話をしたことなど一切ありませんっ!」
「まずは御三方様、神託の間へどうぞ。
ここでは他の信者の目もありますので、これ以上ここで話すと
女神様の神威にも影響があるかと存じます。」
「こちら……すごいですねぇ〜。
初めて入らせていただきましたが、こんな風に厳かな雰囲気なんですね。」
「おっさん、いつまで猫の皮被ってんだよっ。
厨二病が痛すぎるのはわかってるんだから、もう素直になっちゃいなよ(笑)」
「なっ……なにを〜!
この駄女神のポンコツ女神が!
こっちに来るのにお金とかも“こっちの金”じゃないとおかしくなるだろっ!
ごまかすの大変だったんだからなぁ〜!」
「おまけに荷物だって何もなくて、どうやって持ち歩けっていうんだよ!
他のラノベなら女神様の方が気を利かせて
マジックバッグとか渡してくるもんじゃないのかよぉ〜!(ぜぇはぁぜぇはぁ)」
「えぇ〜と……ジプシ〜君?
その“こっちに来る”とか“お金をごまかす”とかって……なんの事かなぁ〜?」
「はっ(。゜ω゜) ハッ!
いやぁ〜、じつは〜……これはですねぇ〜……Σ(・∀・;)汗 汗」
「そこはわたしから伝えるわ。
こんな事くらいで挙動不審になってるおっさんには無理でしょうから。」
「女神様、みずからお願い致します。」
「そこにいる少年は14歳に見えてるけど、実際の中身はただのおっさんなのよ。
あまりにも厨二病がひどすぎて、わたしの配下の下級神が
“このおっさんとかかわるのは無理ですっ!”って言うから、
仕方なくこちらに連れてきたのよ。」
「女神様、おおよその事情は理解しかねますが、何点かお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「な〜に?何を聞きたいの?」
「その耳慣れない言葉──厨二病とは、いったいどのような病気なのでしょうか?
人から人へ伝染ったりする病なのでしょうか?」
「あぁ〜、伝染るといえば伝染るかなぁ〜。
ただし特定の年の子だけがかかる病気なのよ。
だからそんなおびえたりしなくてもだいじょぶよ。」
「かしこまりました。では、その病気を治すにはどのような治療が必要なのでしょうか?
もしくは治らない人もいるのでしょうか?」
「そこはねぇ〜難しいところなのよ。
まず特定の年に誰でもかかるわけじゃないの。
かからない子もいるの。ここまではいい?」
「はいっ。続きをお願い致します。」
「それでね、ここが大事なんだけど──
さっき“治らない人もいる”って言ったじゃない?
実はいるのよ〜。
それがね、偶然にも年をとっても治らなかった、
ちょうどいい見本がそこにいるおっさんなのよ(笑)」
「ちなみに症状としてはどんな病気なのでしょうか?
何か薬などはあるのでしょうか?」
「う〜ん……これがまた難しいんだけどね。
厨二病はね、目に見えない病気なの。
だからいつかかったのか、いつ治ったのかもわからないの。」
「それであれば、その病気にかかっているかどうか、
どのように見分けるのでしょうか?」
「まずは厨二病とは何か伝えるね。
簡単にいえば“精神的な病気”だと思って。
実際は違うんだけどね。
それでね、厨二病にかかると言動や行動が怪しくなるの。」
「言動や行動ですか?」
「そうそう。例えば──
“俺のこの腕に黒き龍が宿ったのだ〜”とか、
“この瞳に宿った魔眼に見抜けぬものはないっ”とか、
あとは何があるかしら……
“この俺を怒らせるな。そんなに封印を解きたいのか”とかね。」
(うっ……うっ……うっ〜〜〜〜〜(´;ω;`)ブワッ)
「ジプシ〜君、だいじょ〜ぶ?
何か女神様が話すたびに致命傷受けてるみたいだけど……平気?
ジプシ〜君〜、戻ってきてぇ〜!」
「わため、どうしたの? 何かあった?」
「わたしもわかんないの。
女神様の話しを聞いてたら、急にジプシ〜君が気を失ったの。」
「でも安心して。
いつの間にか気付いたら治ってるから。
かかった本人も“あの時はなぁ〜”って、
時間が経てば笑い話にできるくらいの病気なのよ。
かといって病気って言ってるけど、
厳密には病気じゃないからね。」
「そうなんですね。
でも、先ほど“まれに治らず歳を重ねる方もいる”とお伺い致しましたが?」
「そう。
それが“そこにいる”って……
何でそうなってるのよ?
何があったの?」
「それがですね──
女神様がお話しされている間に、
なぜか顔色がどんどん悪くなってきたと思ったら、
最後には気を失ってしまいまして。」
「はぁ〜……
自分の事なのに、自分ではあんなに嬉しそうに話してるのに、
他人が話すと気ぃまで失うって(笑)
仕方ないわね。
ここに寝かせておいて、そのうち気がつくでしょ。
わたし達もちょっと休みましょうか〜。」
───立秋/幾望/先負/一白水星/午の刻/晴光───
次回 おっさんは、また おっさんに…… へ続く
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
今回は、女神様の“説明しながら刺すスタイル”が炸裂し、
おっさんは にげだした。しかし、まわりこまれてしまった。
……結果、致命傷 → 気絶という展開になりました。
司教と司祭の真面目さ、
わためところねの天然さ、
女神様のズレた優しさ、
そしておっさんの黒歴史。
それぞれの“音”が重なって、
神託の間は今日も平和(?)でした。
次回、気絶したおっさんは無事に復活できるのか──
そして女神様の説明はまだ続くのか──
ご案内の語り部は、次回 またあなたを特等席へ。
どんな誘いになるのか、次の Causerie (物語)をお待ちいただければ幸いです。




