第17話 人面イモムシの恩返し
◇
昼の奈寺。泥棒魔物をだました家に念気と朝奈がいる。
朝奈は川へいき、ピンクのビキニ姿の裸足になって特訓をし、念気は山で特訓をしようとしている。
「キシャー!!」
「悲鳴!?」
幼女の声で人間ではない悲鳴が聞こえた。見ると人間と同じ大きさで体が青く、炎のような羽根がある鳥の魔物がいる。
「ギー!! ギー!!」
鳥の魔物の下には幼児と同じ大きさで幼女の顔がある緑色のイモムシがおり、おびえている。
「エウエー!!」
「ギピー!!」
鳥の魔物はクチバシで人面イモムシを突き、緑色の血を吸う。
「クエエー!!」
おいしくてクチバシで突きまくり、人面イモムシは血を流し、傷ついていく。
「ギギギ!!」
血がついているクチバシで肉を喰われ、弱って震えている。
「やめろ!!」
鳥の魔物は興奮して人面イモムシを喰い殺そうとしているので念気は止めた。
「エウウー!!」
食事の邪魔をされたので怒り、念気に襲いかかる。
「お前と戦闘はしない!!」
弱っている人面イモムシ救出を優先し、人面イモムシを抱えて逃げる。
「エウアー!!」
鳥の魔物は飛んで追いかけるが、逃げることを優先している念気になかなか追いつけず、あきらめた。
家に戻り、念気と朝奈はオーラで傷ついた人面イモムシを治し、野菜をたくさん食べさせた。元気になり、二人に懐いた。
◇
次の日の朝。
「人面イモムシがいない」
「どこへいったのかしら?」
下着姿で眠っていた念気と朝奈は目を覚まし、人面イモムシがいないので捜した。
「なんだ、あれは!?」
外に出ると庭に人間と同じ大きさのサナギが地面にあり、念気は驚いた。
「大きいわね。もしかしてあの人面イモムシ?」
朝奈が近づこうとした時、サナギが割れた。
「えっ!?」
サナギが破れて勢いよく飛びだし、突風で見えなくなった。
突風が止まり、黒いビキニ姿の裸足でアゲハチョウの触角と羽がある若い美女が見えた。彼女は楽しそうに二人の周りを飛んでいる。
「やっぱりあの人面イモムシ」
人面イモムシの顔が成長したような顔で人間と同じ大きさの立派な姿を見て、朝奈達は感動した。
「助けてくれてありがとう」
笑顔でお礼をいって羽から鱗粉を出し、その鱗粉は金銀や宝石になり、彼女は飛び去った。さらにサナギも崩れて金銀や宝石になった。
「恩返しか? 昔話のようだ」
「修行や特訓はお金がかかる。有効活用しましょ」
「ああ」
汚い欲がなく二人は山分けをした。
◇
人面イモムシが恩返しをした後の次の日。
「人面イモムシはどこにいるの?」
メスジカ倶楽部の服装の妃水が山におり、人面イモムシを探している。恩返しの話を聞いて彼女も金銀や宝石を手に入れようとしている。
「おっ!」
襲われている人面イモムシを見つけて妃水は喜んだ。人面イモムシを襲っているのは人間と同じ大きさのハチの魔物で背中に回転ノコギリのような刃がある。
「害虫!!」
妃水は黒い鞭を出して振り、ハチの魔物の羽を叩いた。飛べなくなり、鞭を黒い剣に変えて近づき斬り殺した。
「やった!! これで金銀と宝石は私のものだ!!」
欲にまみれた笑みを浮かべ、人面イモムシを抱えた。
「こいつ、おとなしいから運びやすい」
妃水は人面イモムシをアジトへつれていく。この人面イモムシはハチの魔物に襲われたのに無傷で目に生気がないが、彼女は気づいていない。
アジトのボロ小屋で人面イモムシにクズ野菜をたくさん食べさせた。とてもおとなしくて栄養をとっているだけだった。
◇
次の日の朝。妃水は期待で目を覚まして着替え、外に出た。
「サナギになってる!!」
聞いた話のとおりになっており喜んだ。
「出てくる!! 私の金銀と宝石!!」
サナギが割れたが、回転ノコギリのような刃が回転して、ゆっくり破って出ている。
「えっ!? なにっ!? 気持ち悪い!!」
出てきたのは人面イモムシを襲ったハチの魔物だった。
「まあ金銀と宝石を出せば、どっちでもいい」
ハチの魔物は妃水を見ており、金銀や宝石を出さず、サナギも金銀や宝石にならない。
「まさか、なにもないの!?」
ハチの魔物が出ただけなのでショックを受けた。ハチの魔物は人面イモムシに卵を産みつけたのでハチの魔物に成長してしまった。
「害虫!! 私の金銀と宝石を返せ!!」
妃水は怒り、黒い鞭を出して振った。ハチの魔物はかわして飛び、親の敵討ちのように突っ込む。
「ウギャ!!」
太い針を腹部にくらい、彼女は倒れた。毒で腹部は膨らみ、激痛で立てない。
ハチの魔物は満足して飛び去った。
「宝くじがはずれた気分だわ」
念気達のようにならなかったので妃水は後悔した。
昔話のような話です。
「美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者」と「名門貴族の男の娘の残酷オスガキ無双」と「非正規団員の小事件集」も連載中です。




