第18話 透明早食い
◇
昼の奈寺。楽しい昼食の時間。
「おれ達の昼食がない!!」
「昼食どころか食糧がない!!」
イカリーダーの空中帆船で昼食と食糧がなくなり、空腹の部下達は怒りながら探し、ダンボールや木箱を投げて蹴っていた。
(ざまあみろ)
ここで食事をしないハンマー頭は心の中で笑っている。
「なにがおかしい、ハンマー頭!!」
「い、いえ!!」
顔が笑っていたので空腹のイカリーダーは怒鳴り、部下達は睨んでいる。
「お前も探せ!!」
「はい!!」
イカリーダーの命令でハンマー頭も探すが、心の中では怒っており、探すフリをしている。
「おいし、おいし」
「ん? こんな部屋あったか?」
変な声がする部屋があり、ドアを開けた。中には人間と同じ大きさで大きな口がある赤いムカデの怪人がいた。
「うまいものがたくさんあって幸せ!」
テーブルにたくさんの食べ物があり、椅子に座って大きな口に入れている。
「こいつが犯人だ!!」
ハンマー頭はムカデ怪人を見て、顔を歪めた。
「私の船にこんな穴をあけて!! この害虫!!」
部屋を見て、イカリーダーは怒り、ムカデ怪人を睨んだ。この部屋はムカデ怪人が作り、食糧を奪って食べていた。
イカリーダーが困っているのでハンマー頭は喜んでいる。
「ハンマー頭!! 早くこの醜い害虫を駆除しろ!!」
「は、はい!!」
イカリーダーはムカデ怪人を指さした。
「おっと!!」
ムカデ怪人は無数の腕で食べ物を素早く口に入れて透明になり、部屋を出た。
「なっ!?」
消えたのでイカリーダー達は驚いた。
「捜せ!! あんな害虫がいたら、また食糧がなくなる!!」
「はい!!」
命令されたが、消えた相手を捜すのはバカらしいので捜すフリをした。
「腹減った」
透明になったムカデ怪人は空中帆船から出て、奈寺の街にきてヨダレを流している。
ハンバーガーショップでハンバーガーなどをすべて食べ、飲食店で客が食べている料理をすべて食べ、コンビニの食品をすべて消した。
姿が見えなくて無数の腕で素早くとって食べているので止めることができない。
◇
ムカデ怪人が街で食べている頃。公園のベンチに弁当を見て恐怖し、悩んでいる若い男性会社員がいたので念気は隣に座って話をした。
「奥さんの料理がまずいのか」
「はい。僕は新婚で妻は料理を作るのは好きですが、味がひどくて食材を無駄にしています」
妻の弁当がまずくて、いつも食べたことにして捨てているので罪悪感と食べたくない気持ちで悩んでいた。
「いい料理の本や動画はたくさんあるだろ」
「派手な見た目ばかりで味はひどくなる一方です」
男性会社員は弁当を見せた。見た目はまとまっていて、おいしそうだった。
「自分は惣菜や健康食品を食べているので味見をしません」
「それじゃあ料理がうまくなるわけがない」
「朝は食べずに昼は弁当を捨てて、コンビニ弁当を食べ、夜は残業ということにして外食をしていますが、その分、弁当が重くなっています」
美しい妻と別れたくないのでがんばっているが、限界になっていた。
「かわいそうだから私の弁当と交換しよう」
たまに朝奈が作ってくれる弁当を出した。
「こんな食材を無駄にしてるまずい弁当を食べるのですか?」
「特訓と思って食べる」
二人は弁当を交換した。
「おいしそうだ」
男性会社員は弁当箱の中を見て喜んだ。ヘルシーで体作りのための弁当でも妻の弁当よりマシだった。
「なっ!?」
弁当をひっぱられてなくなったので念気は驚いた。
「ぶおああああああ!! まずい!!」
まずい弁当を食べてムカデ怪人は透明になれなくなり、苦しんでいる。
「怪物だー!!」
男性会社員は驚き、念気は守るように彼の前に立ち、両手にオーラをまとって銀色にした。
「なんて味だ!! ブエエエエエエ!!」
悶えて吐きそうになっており、口から白い泡を出している。
「悪霊退散!!」
チョップでムカデ怪人の腹部を切り裂いた。
「まずい!!」
攻撃が味となって伝わり、ムカデ怪人は消滅した。
「ナームー」
念気は両目を閉じて合掌した。
「おいしい」
ムカデ怪人の死を見て放心し、弁当を食べた。妻の料理が怖くなり、彼は仕事を辞め、妻をだまして仕事をさせた。
妻には才能があり夫以上に稼ぎ、料理をしなくなった。
彼には家事の才能があり、妻の料理を食べたくないので上達していき、夫婦の仲はうまくいっている。
新婚夫婦はこの話だけのキャラです。
「美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者」と「名門貴族の男の娘の残酷オスガキ無双」と「非正規団員の小事件集」も連載中です。




