107話 襲撃者の末路と収穫
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「貴様らは、何者だ!!」
1人剣を構えるレナの視線の先には、全身真っ黒の服を纏う者が2人立っている。
「・・・・」
レナの問いに答えることなくジッと見つめる2人にレナは警戒状態から戦闘状態へと移行し周囲の状況を把握する。
「貴様らの他に4人が隠れているな?」
「・・・・」
右側の者の肩がピクリと動いたことを認識したレナは、背後でリュートとミウを瓦礫から救出しているルカに念話を繋げる。
『ルカお姉様。敵は6人です。周囲に4人が隠れています』
『わかりました。今は、こちら側から手を出すことなくリュート様とミウの治癒を優先させます』
『わかりました。ルカお姉様』
レナの背後で、ルカが瓦礫を必死に退かしミヤとカナも初めての状況に泣きながら小さな手に傷を作りながら必死に瓦礫を退かしてリュートを探す。
「「 リュート兄様・・どこ?どこですか?声を聞かせてください!! 」」
レナと襲撃者が数分程退治していた頃にやっと瓦礫の隙間からリュートの背中が見え、なんとか引きずり出すとリュートに守られるように無傷のミウが抱え込まれていた。
「ミウさん、大丈夫ですか?」
「は、はい・・なんとか。でも、リュートさんが私を・・」
「大丈夫です。今から治癒魔法をかけますので」
ルカはミウの無事を確認してから、意識の無いリュートが握っているミウ手を離し寝かせ治癒魔法ハイヒールをかける。
薄緑色の光に全身を包まれたリュートの全身にあった切り傷や擦り傷が修復されていき、綺麗に元通りになっていく。
「うぅ・・何が起きたんだ・・」
「リュート様」
「「 リュート兄さまぁ!! 」」
「リュートさん」
意識を取り戻したリュートは、上半身を起こしミウが無事だったことに一息ついて彼女の頭を撫でながらルカに状況を聞いた。
「謎の2人がリュート様を襲撃しました。他に4人が身を隠し様子を伺っていると・・」
「なるほどね・・確かにいるね」
リュートは心地よい酔いは吹っ飛び冷静さを取り戻し、気配探知スキルで周囲を確認し身を隠す4人の位置をすぐに把握して立ち上がりレナの横に立つ。
「レナ、ありがとう」
「主様・・」
リュートは、レナの腰に腕を回しポンポンと軽く叩いてから2歩だけ前に出ると、レナはスッと1歩だけ下がる。
「いきなり襲撃だなんて、まるで暗殺者だね?・・そんなに俺が危険なのかい?ただの商人なのに」
「・・・・」
「無言・・そうか、俺に声を聞かれたくないんだな・・だったら、俺と面識ある人物で間違いないのかな?」
「・・・・」
「仕方ない・・あんまり早いうちにさせたくなかったけど・・ミヤこっちにおいで!」
「リュート兄様、はいなの」
銀髪黒目のミヤは、月夜に照らされ光り輝く銀髪を揺らしながらリュートの横に立つ。
「ミヤ、あの2人が逃げないように拘束できるかな?」
「できるよ、リュート兄様・・・・ホカク!つかま〜えた!」
「ありがと、ミヤ」
「んふ〜」
リュートはミヤの頭を撫でてから歩き出し拘束された2人へと近付いて行くと2人は逃げようとするもミヤの暗黒魔法で完璧に拘束されているため身動きが取れずそのままバランスを崩し受け身を取ることなく地面に倒れる。
2人は抵抗しようともピクリとも動かない手足に絶望感に呑み込まれていき、リュートが持つ2本の短剣が自身の心臓に突き付けられたことで口を開いた。
「ま、待ってくれ・・俺たちは依頼されただけだ・・」
「依頼?・・誰に?」
「そ、それは・・」
「言えないの?」
リュートはわずかに力を込めて短剣を沈ませ切っ先が服を突き破り直接皮膚へと食い込み赤い血が滲むところで止めた。
「グヒッ・・」
「それで、誰なの?」
「き、貴族様だ!」
「バカ!・・漏らすな!」
2人組の1人が我慢できずに情報を漏らし、それを注意したことで信憑性が増す。
「貴族様か・・とりあえず、それだけで十分かな。ミヤ、もう沈めていいよ。あと他の4人も一緒に頼む」
「はいです・・まずはあなた達を・・」
グチュッ・・・・
人間の身体からは決して聞こえてはいけない圧壊音が響き渡りながら地面へとその存在を消して行く。
「残りの人は・・・・エターナル・ホーミング・トラップ」
ミヤは人差し指で4回ほど輪を描きながらポイっと投げる仕草をすると、周囲から何かが潰れていく音が聞こえやがて静かになった。
「リュート兄様、終わったよ」
「お疲れさま・ミヤ、さっきの魔法はどんなやつなの?」
「アレはね、遠距離攻撃用の暗黒魔法なの。何かで阻害されても狙った獲物を捉えて実行するまで永遠に追いかける罠みたいな?」
「でも、よく4人の居場所がわかったね?」
「リュート兄様とミヤは、深く強く繋がっているからなのです。だから、リュート兄様が発動した気配探知魔法をミヤとカナちゃんは共有できるのです!」
「す、すごいな・・ミヤとカナは」
「えっへんなのです!」
背の低いミヤは、リュートに自慢するかのように胸を張っているとカナも遅れてやってきてミヤの真似している。
「カナも遅れて、えっへんなの!」
「うん・・2人が凄さに感動したから、家に帰ろうな」
それからリュート達はそのまま直接家に向かわずに少し大回りしてから家に帰り眠りについたのだった・・・・。




