100話 招かれざる客達
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黒髪黒目少女のマイカ=キサラギが銀髪紅目のカナに意識を刈り取られ目覚める事なく数時間が経過し、開放した窓から入る心地良い風を感じているリュートの視線の先は、オレンジ色に染まる雲を見つめていた。
「リュート兄様?」
店先で遊んでいたミヤとカナが商品販売窓口となる開放された窓から中を覗き込み、上の空のリュートをミヤが呼び掛けた。
「・・・・ん?ミヤ、どうした?」
「リュート兄様、あっちに黒髪の人がたくさん歩いてるの」
「どこ?」
リュートはゆっくりと椅子から立ち上がり窓から外へと上半身を出してミヤの隣りにいたカナが途中で左を向いた方向に視線を向けると、黒髪の少年少女4人が通りを歩いている姿を見つける。
「ホントだね・・ただの買い物じゃないかな?そろそろ終わりにするから、中に入っておいで」
「「 はぁ〜い!! 」」
ミヤとカナは、素直にリュートの言う通り店のドアを開けて中へと入ると、入れ違いでルカが店先に出てベンチに座ってミヤとカナを見守っていたレナの隣りに座る姿をリュートは見るも気にすることはなく、そのまま窓を閉めて施錠し離れ2階のリビングへと向かいミヤとカナ達と遊んでいると階段を急いで上がる足音が聞こえ近付いて来た。
「リュートさん!」
「どうしたんだ?ミウ」
「ルカさんとレナさんが、店の外で4人組に絡まれているんです!」
「2人なら、適当に追い払えるだろ?」
「そうですけど・・その4人は、リュートさんと同じ黒髪黒目の姿なんですよ」
「あぁ〜あのさっき見た連中か・・でも、どうしてルカ達に絡んでんだ?」
「下で寝てた女の子の知り合いのようで、誘拐したとか犯罪だとか騒いで・・・・」
「わかった」
リュートはリビングを出て1階へと降りると、店のドアが開けられルカ達と4人が対峙し揉めていることが容易にわかるも、何も知らない素振りでリュートはルカとレナの傍に立つ。
「あの〜今日の営業は終わりましたので、ご利用はまた明日にお願いしたいのですが・・何か急ぎでしょうか?」
「お前は、誰だ!?」
「ちょっと、レオ君・・その言い方は」
初対面で高圧的な態度をとる人間が嫌いなリュートは、営業モードから通常モードで対応する。
「俺は店の店主だけど。お前は、何者なんだ?」
「俺達のことは、どうでもいい。その髪の色は本物なのか?」
「なんか、ムカつくなお前さん・・この髪は本物だ。その質問、そこで寝ている子にも聞かれたけど」
「あの、そこの女の子を連れて帰りたいんですけど・・」
左端に立つ少年の隣りにいる女の子は、少年と違い落ち着いた口調でリュートに聞いた。
「良いよ。もう夜になるし」
「ありがとうございます。リカ、手伝って」
「うん」
リュートに声をかけた女の子が、自分の隣りにいた女の子を誘い目を覚さないマイカを抱え起こす。
「マイカちゃん、帰るよ」
「んぅ・・」
意識を失っていたマイカは、友人に抱き抱えらえたことで意識をゆっくりと取り戻し、小さな声を漏らし目を開いた。
「こ、ここは?・・リカ?ユウコちゃん・・レオ君とケンタ君がいる」
「いるよ・・もう戻るからね?マイカ」
「マイカさん、あの男に何かされなかった?」
レオは、リカとユウコに抱えられたマイカに詰め寄り問いただす。
「・・・・されてない?と思う・・多分ね」
「覚えてないってこと?」
「うん、ハッキリとは・・」
マイカの言葉を聞いたレオは、リュートを睨みつける。
「・・・・」
「いやいや、俺達はなにもしていないぞ?」
「それなら、どうして彼女は面識のない店の中で意識がなかったんだ?お前らが何かしたんだろ?」
リュート達を罪人扱いし始めるレオに対して、さらに嫌気がして来たリュートは店から追い出すため間合いを詰める。
「・・もう店から出て行ってくれないか?夕飯を支度する時間になるし」
「なんだと?もういっぺん言ってみろ!」
「はぁ・・だから、もう夕飯を作る時間なの・・だから、さっさと帰ってくれないかな?」
「てめぇ・・ふざけやがって」
黒髪少年レオは、感情を剥き出しにしてリュートを睨むも脅威を全く感じないリュートは、なにも気にすることなく、さらに間合いを詰めてから視線をルカに向ける。
「ルカ、レナと2人で夕飯の支度を頼むよ」
「ですが・・」
「だいじょうぶ」
「・・わかりました。レナ行きますよ」
「はい、ルカお姉様」
ルカとレナは、複雑な表情をリュートに見せるも指示に従い2階へと姿を消す。
「ミウも・・」
「・・はい、です」
ミウは、リュートの背中をソッと触れて離した時に、リュートの右手が背中から離れていくミウの右手に掠るように触れて名残おしむように離れた。
「えっと、レオ君だったかな?俺は、店主のリュート。ちょっと、表に出ようか?」
「あぁ、良いぜ。商人の癖に強気だな」
リュートの挑発に乗ったレオは、開けられたままのドアを通り外へと出るとリュートは連れて来ていた他の少年少女達も外に出るよう伝え店の外へと誘導したところで店のドアを閉めて施錠する。
「バーカ。お前らなんかを、まともに相手するわけねーだろ」
「てめぇ!ふざけんな!!」
ドンドンドン!・・ドンドンドン!!
リュートの挑発に乗り店から出たレオは、勢いよく店のドアが閉められたことで騙された事に気付きドアを連打するも中にいるリュートから反応は皆無だった。
店のドアが強く叩かれ、大きな音が響き渡っていると2階からミヤとカナが姿を見せて、トコトコ歩きリュートの傍に来る。
「ミヤ、カナ。ドアの近くだと危ないから、少し離れような」
「「 うん 」」
ミヤとカナの手を握るリュートは、繰り返し叩かれる店のドアから離れ1階の奥にある部屋へと移動し離れて様子を伺う。
ドンドンドン!・・ドンドン!!・・・・・・
「リュート兄様、静かになった・・」
カナが独り言を呟く。
「おとなしく帰ってくれたかな?」
「まだいるよ、リュート兄様」
「ミヤは、わかるの?」
「うん。あの人達、眩しい光を持っているから」
「眩しい光?ミヤ、何も光ってなかったぞ?」
「光ってたよ、リュート兄様。ミヤの暗黒魔法に、ちゃんと反応してたもん」
リュートは気配探知スキルを発動し、店先に4人がいる反応を捉える。
「たしかに、まだ居るみたいだね・・・・いや、離れて行くね」
それから4人の気配は大通りを移動しリュートの店から離れていくのを追っていたリュートは、途中で気配探知スキルを止めてミヤとカナを抱き抱え2階へと戻ったのだった・・・・。




