6 交渉
西の国との貿易交渉が始まった。第ニ王子は今の貿易量は少な過ぎる。新しい鉱物や新しい加工食品があるので貿易量を増やそうと。
6 交渉
西の国との交渉は正式ルートを通じて行なわれる。子どもである第ニ王子とマリエールはオブザーバーとしての参加である。正規の代表は通商担当の大臣が務める。第ニ王子は王太子格と認識されておりその婚約者であるマリエールも王太子妃となる事が確定しており軽い存在ではないが未成年の2人が出席しているのは異例である。先ず第ニ王子から挨拶する。
「我が国に取って西の国との交易は国の基幹であり、その貿易量がかつての2割程度であるのは両国に取って不本意な事だと言わざるを得ない。我が国も新しい鉱山が見付かってある程度なら輸出に耐えるはずだ。新製品も用意した。かつての量とはいかなくてもお互いが満足できる量の取り引きができる事を我々は望む。その実現の為の話し合いをしよう。」
西の国側の代表は通商大臣である。
「今の第ニ王子の発言もっともと思います。資源を提供して頂ければ取り引きに応じます。新製品については現物を見て判断したいと思います。現状の取り引きは少な過ぎるという意見で一致します。何とかしたいと思う気持ちは我々も同じです。」
概要では意見は一致した。後は取り引きのやり方の問題である。常識的に考えて取り引き量の制限をかけているのはこちらである。先ずこちら側の売れる物を売ってその上で買い付けするのが筋だろう。
大筋の結論が決まって明日から個別交渉である。共有アイテムボックスがあるのでその場で売買が成立する。
同じ頃東の国の諜報部員から連絡があった。
「国の通商担当大臣から、貿易について話しがしたいので担当者を寄越してくれ。繋ぎは諜報部員がつけると。」
絶好のチャンスが巡って来た。直ちにアンドロイドの派遣を決め諜報部員に伝えた。
西の国と東の国の貿易の交渉が同時に始まった。西の国は我が国の地下資源や加工食品を先に購入して、その資金で西の国の製品を購入する事になっている。現在我が国は西の国に販売中である。方や東の国では貿易交渉が始まった。始めての事で中々交渉が進まないが要は我が国の加工食品と西の国の鉄鋼製品が所望なようだ。つまり軍事物資だ。アンドロイドは我々に尋ねた。
「今は武力行使はしないと判っていてもかつては度々武力行使をして我が国に無理じいを迫ってきた国に軍事物資を輸出していいか。」
正論だ。敵に塩を送る行為は控えた方がいいだろう。しかし、考えてみるべきだ。相手は武力行使を控えている。防衛のための軍事物資かも知れない。たとえ我が国に攻撃して来たとしても我が国にはアンドロイドという無敵の戦力がある。マリエールは第ニ王子に尋ねた。
「我々は貿易交渉に関する全権があります。我が国はアンドロイドという無敵の戦力があるためたとえ東の国が武力行使してきても恐れる必要はありません。軍事物資の輸出希望には応じるべきだと思います。」
第ニ王子も賛成した。マリエールはアンドロイドに軍事物資の輸出を認める意を伝えた。東の国の輸出品は地下資源だった。
方や東の国も貿易交渉に入った。東の国は軍事物資の輸入を望んだ。我が国はアンドロイドという無敵の戦力があるため対応は可能だ。




