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          5 通商

 現行、外国との通商問題は西の国との交易だ。かつて産業の盛んな西の国との交易品は我が国の豊富な資源だったが枯渇しかけた。

             5  通商


 マリエールと第ニ王子は産業、事業、流通の改革に積極的に取り組んでいる。国内消費のためだけではない。広く国外への貿易を考えている。西の国との交易は盛んだ。西の国は工業を中心とした産業が盛んだ。我が国もその恩恵に預かり。西の国との玄関口である公爵領はそれにより潤ってきたという歴史がある。しかしながら西の国が幾ら産業が盛んとは言え一方的な輸入だけ重ねるわけにはいかない。貿易にはそれなりの代償が必要だ。我が国の代償は鉄鉱石などの資源のみに頼っていた時期もある。しかし当然資源は枯渇する。西の国との交易に支障が出始めた時、忽然と西の国に製品を売る事に成功した者がいる。マリエールの母親だ。始めは蒸留酒だった。我が国との交易が衰退する事を危惧するのは西の国も同じだ。我が国からの輸入を西の国も推奨した。酒類、加工食品等西の国があまり得意でない分野の輸出をして輸入を確保した。全盛期には遠く及ばないがその分、公爵領で生産して需要をまかなったのだ。要するに模造品だ。始めは遠く及ばないできだったがそれなりに性能が上がるまでに時間はかからなかった。こうして現在に到っている。マリエールは第ニ王子に、

「まだ西の国との交易の余地は十分にある。全盛期の2割程度だろう。西の国にはない製品を作って売り込む事は可能だ。資源も新しい鉱脈が幾つも見付かっている。枯渇しない範囲なら輸出可能だ。余分な物を輸入する必要はないが、欲しくても輸入できない状態は回避したい。東の国も巻き込んで大きな経済圏を構築できれば

我が国は大きな利益を得られるはずだ。」

と大きな計画をぶち上げた。第ニ王子は、大きなため息をついて、

「君はなんて言うとてつもないプランを思いつくんだい。担当者達が過労死してしまうよ。しかし東の国との交易は難しいのではないだろうか。先日の第一王子の一件だって東の国が絡んでいるのだろう。交渉は無理じゃないだろうか。」

マリエールはせせら笑うように、

「通常の東の国のやり方ならあそこは武力行使してくるはずだったのにそうしなかった。国王が止めたのさ。だから今がチャンスなんだよ。我が国との交易が成功すれば戦争よりも交易を優先するだろうう。我が国に取って理想の展開さ。」

何処までマリエールは判って話しているのだろう。第ニ王子は空恐ろしい物を感じた。第ニ王子は、

「西の国との交渉は正式のルートがあるからそこで交渉できるけど東の国とはないだろう。どうやって交渉するんだい。」

マリエールはえへんと言って、

「諜報部員と繋がりがあるんだ。彼らも今手探り状態なのさ。情報を流し食い付いてくるのを待っている状態さ。」

流石は完璧超人と褒めるところか出過ぎたまねと怒るところか迷ったが、取り敢えず褒める事にした。第ニ王子は、

「流石マリエールは対応が早いね。しかしその諜報部員って言うのは信用できるのかい。」

マリエールはテレパスと言う能力があって心の底が覗けるそうだ。その結果、信用できると判断したらしい。

 西の国と共に東の国を巻き込み大経済圏を作るのがマリエールの夢だ。西の国とは正式ルートで交渉すればいい。東の国とは諜報部員を利用する。

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