2 婚約破棄
第一王子の婚約破棄の発言の影響は国を揺るがした。公爵が国の基幹たる公爵領に通行税と関税をかけたのだ。
2 婚約破棄
王宮は対応に追われている。国王は宰相を通じて情報を仕入れているがその内容は悲惨な物だった。第一王子は、正論を述べるマリエールに対して癇癪を起こして、子爵令嬢ロザリアの甘い言葉に乗ってマリエールに婚約破棄を突き付けてロザリアとの婚約を宣言した。公爵は婚約破棄の宣言に応じて通行税の徴収と関税の徴収を開始する。物価は上がる。
子どもの社交会は伯爵以上の子ども達に声をかけた集まりだが子爵令嬢ロザリアには第一王妃が特別に呼んだと聞いた。所謂東の国派の子爵の子で子どもでありながら妙に色気があり巧妙に人に取り入り手練手管にたけ、王太子に取り入る命令を受けていたと考えられる。ある意味成功したのだろうが、我が国に取っては損失である。国王は第一王妃と王太子を厳しく叱責して第一王妃を離宮に蟄居させ子爵を降爵して男爵とした。公爵とマリエールを召喚した。王太子もその場にいる。国王は、
「この度は本当に迷惑をかけた。子どものしでかしと言え婚約破棄を言い出した王太子にはきつく叱責した本人も反省している。本人にも謝らせるので許してやって欲しい。」
王太子も謝ってきた。
「本当に悪かったと思っている。あの件はロザリアに騙されて婚約破棄と言ったのだ。本気で言ったのではない。」
謝罪にもなっていない言いわけにマリエールは、
「約束を守れない者は愚か者だと言いれて育ってきました。婚約は親同士の約束です。婚約破棄は約束を守れない者がする事です。私は愚か者と二度と婚約するつもりはありません。あなたの言葉通りロザリア令嬢と婚約すればいいでしょう。」
国王はマリエールの言葉をもっともだと思った。しかし王太子を廃して新たな王太子を立てるとして誰が新たな王太子になるのだろう。国王は、
「ロザリアと婚約した時点で王太子でいられなくなるのだぞ。それも承知でロザリアとの婚約を望むのか。」
王太子の廃嫡を条件に第一王子とロザリアとの婚約が認められた。そして王太子は廃嫡された。
新たにマリエールが婚約したのは第ニ王妃の子どもの第ニ王子だ。直ぐには王太子の就任とはならなかった。第ニ王子とマリエールは再従姉弟の関係で共に西の国の血縁が強く西の国寄りと見られており東の国を配慮すると直ちに王太子は決められないのだ。それでも公爵は通行料や関税の撤廃を決めた。穏便を求めるなら第一王妃の第ニ王子や第三王子とマリエールの妹と婚約させて王太子に任命するのが妥当だろうけど能力的にそれは難しい。
蟄居されたまま第一王妃は新年を迎えた。第一王子は廃嫡されてロザリアと婚約した。マリエールは第ニ王妃の子どもの第ニ王子と婚約した。第ニ王子は王太子に任命されていないが事実上の王太子だ。
久しぶりに第ニ王子とマリエール主催の子ども達の社交会が開催された。定例に従ってマリエールは挨拶した。
「お集まりの皆様、本日はお出で頂きましてありがとうございます。新年のこの良き日を共に祝いたいと思います。第ニ王子乾杯の挨拶お願いします。」
第ニ王子は昨年この挨拶で第一王子が失敗して失脚した事を良く知っている。
第一王子は謝ったがマリエールは許さなかった。第一王子は廃嫡を条件にロザリアと婚約した。久しぶりに子どもの社交会が開催された。




