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       1 子どもの社交会

 王太子とマリエール公爵令嬢の主催する子どもの社交会が開催された。マリエールが開催の挨拶をして王太子が乾杯の挨拶をする事になった。

         1  子どもの社交会


 公爵令嬢のマリエール6歳は王太子の婚約者である。無論本人同士はその事を深くは理解していない。親同士の打算である。今日は子ども同士の社交会である。子ども同士と言っても必ず親がいる子ども同士と軽く思っても以外と影響が大きい。王太子とマリエールこの会の主役である。こう言った席では大抵マリエールが挨拶する。今日もマリエールが、

「皆さん、良くいらっしゃました。今日は子どもの社交会です。お菓子も飲み物も沢山用意しました。楽しくお話ししましょう。では王太子様、乾杯の挨拶をお願いします。」

考える事が苦手な王太子は、

「乾杯」

とだけ言った。何時もの事で誰も驚かない。社交会は始まった。マリエールは王太子に小言を言う。

「乾杯の挨拶ですからね。「乾杯」だけでは駄目ですよ。」

何時も小言を言うマリエールに王太子はあきあきした。

「五月蝿いな。マリエールの小言は聞き飽きた。」

周りの者はマリエールの正論と王太子の心の狭さを比較した。所詮6歳の子ども同士の言い合いだ。大した事はないと聞き流した。

 この言葉を聞き咎めた子爵令嬢ロザリアが、

「それならどうでしょう。王太子様はマリエール公爵令嬢の婚約を破棄してこのロザリアと婚約しては、私なら小言は申しませんよ。」

周りは流石に緊張した。子どもの戯言でもたちが悪過ぎる。普通なら同席している子爵夫人や王太子やマリエールの側近が何か言うべきだろうがそのような発言はない。王太子は、

「それはいい。小言の多いマリエールは嫌いだ。婚約を破棄する。そして私はロザリアと婚約する。」

王太子もその宣言の意味する所を正解に理解していない。ただ小言の多いマリエールよりもロザリアの方が遊んでいて楽しいだろうと思っただけだ。しかし、ここには大勢の有力貴族や外国の大使がいるそんな所でマリエールとの婚約破棄とロザリアとの婚約を発表するのは問題だ。これは悪意だ悪意に間違いない。マリエールは、

「判りました。婚約を破棄しましょう。でも王太子からいい出した事ですからね責任はきっちり取ってもらいますすからね。一度言った事は後には戻りませんよ。」

場内の貴族達は騒がしくなった。王太子やマリエールの側近はオロオロしている。王太子は、

「結構な事だ。気持ちがせいせいする。これで二度とマリエールの小言を聞かないで済むと思えば気持ちが晴れるよ。」

王太子には事の重大さが判っていない。マリエールは、

「皆さん御機嫌よう。マリエールは婚約破棄されたので失礼します。後は皆さん楽しんで下さい。」

そうしてマリエールは公爵家に帰った。王宮では王太子がマリエールに婚約破棄を突き付けたことが問題になった。マリエールは両親

王太子に婚約破棄された事を告げ事の経緯を述べた。公爵は婚約破棄を受けて領内を通る通行料と関税をかけた。公爵領は産業の盛んな西の国の玄関口である。通行料や関税は直接物価上昇に関わった。

 王宮は混乱の極みである。国王は王太子とマリエールへの婚約破棄の話しは知っていたがただの子どもの戯言と思っていた。

 「乾杯」としか言わなかった王太子にマリエールは小言を言った。それを聞いたロザリアは王太子にマリエールとの婚約を破棄して自分と婚約しましょうと言った。

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