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         12 対応

 マリエールは北の国の軍勢に対してどう対応すべきか王太子に説明した。王太子は国王に提言する内容だと言った。

            12  対応


 北の国が我が国を攻撃するという報が直ぐ入った。国境を山脈で覆われている我が国ではなく東の国から攻めてくるだろう。東の国で待ち構えるか、北の国を攻めるか、あるいはその両方か、奇襲という手もあるのかも知れない。マリエールは王太子に、

「多分北の国は東の国の平坦な場所を通って来るわよね。北の国の王都から来るには暫く時間がかかるわ。先に北の国の東の海沿いの街を攻めて、北の国が東の国を攻める時に後から攻めたら挟み撃ちになって大きなダメージを与える事が出来るのではないかしら。それから軍事施設などの攻撃に移っても遅くはないわ。」

マリエールは王太子に良くこう言った言い方をする。アンドロイドの指揮権はマリエールにあるのでアンドロイドをこう動かしますよという確認かも知れない。アンドロイドが実際実戦投入されて以来国軍が動く事がなくなった。作戦内容もこう言った形でしか報告されていない。実質的に国を動かしているのはマリエールとアンドロイドだろう。王太子は、 

「それは凄い作戦だ。アンドロイドを動かす君だからこそ思い付く作戦だ。」

当たり前だ。実際に人間がやったら全滅する作戦だ。ふと思った。東の国と戦争になった時始めは国王陛下に相談していた。今回新たに北の国と戦争になるけど国王陛下の承認は取らなくてもいいのだろうか。その点を質問した。

「王太子の婚約者である私は正式の王族でないから、国王陛下に直言するのは控えた方がいいと思うの。あなたは王太子だから当然直言出来るでしょう。あなたから言ってもらうのがいいと思って色々報告や相談しているの。私が報告や相談している内容国王陛下にも伝わっているでしょう。」

そんな意図があるなんてちっとも知らなかった。あるなら最初から言ってくれ。

「出来るだけ伝えるようにはしているけど全部は知らせてないかな。」

マリエールはちっと慌てたように、

「報せないと前の王太子みたいに独断専行うんぬんと言われるからちゃんと報せて、北の国が攻めて来る事は報せてあるわよね。北の国への対応もしっかり伝ええて頂戴。」

自分で伝えるのが面倒だから人に伝えさせようとしているのは明らかだ。一週間に一度は夕食を共にしている私の方が一ヶ月に一度しか夕食をしないマリエールよりも報告しやすいけれど、本人がじかに報告した方が正確に伝わると思う。

「北の国が攻めて来る件は直ぐに報告した。こちらの対応も直ぐに報告するよ。」

北の国の国境警備の職員は直ぐに制圧した。北の国の東の海沿いの街を制圧する部隊は間もなく出発した。北の国の軍勢が王都を出発した報を聞いて国境沿いにアンドロイドを配置した。一々マリエールは王太子に報告した。王太子は、

「そんなに覚えられよ。」

と嘆いた。マリエールは、

「覚えられないなら、メモを取ればいいでしょう。戦争になったらもっと目まぐるしくなるわよ。泣き事は言わないで。」

しゅんとした王太子は、

「はい。」

とだけ言ってメモを取り出した。

 マリエールは王族でない自分よりも王族である王太子から説明した方がいいと思って王太子に報告や相談していると言った。

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