11 決断
東の国への救援とその隣国への制裁の軍を送るべきかどうかの議論となった。東の国の国王の手紙と隣国の王太子の手紙が披露された。
11 決断
諜報部員の報告には肝心の戦力の分析が欠けた。単なる伝聞だった。しかし止むを得ない事もある。肝心の武官が見つからからだ。
直接戦った者がいない。戦争が終わって豊かになった者の話ししか聞いていない。もっと詳細に聞けば違った視点の話しが聞けたかも知れない。諜報部の話しに厳しい質問があった。
「諜報部員の調査には、何も東の国の軍が敗けた事が資料がないですね。我々にはどうしてどのようにして東の国の軍が敗けたか知る必要です。そうしなければ我が国も東の国と同様の敗北を期す怖れがあります。」
正しく正論だ。諜報部員の調査にはその部分の資料がない。
その時国王が発言した。
「資料ならあるぞ。東の国の国王が寄越した資料が、これによれば卑怯者の隣国の軍が夜陰に紛れて王宮を襲ったとある。奇襲が偶々成功したとある。長い文書だが大事な事だ。朗読させよう。」
指名された文官がたっぷり20枚ある東の国の国王の手紙を読んだ。国王は封蝋を見せて届いてから開封したと言った。正しく東の国の国王が書いた手紙だと判った。この手紙が本当なら奇襲で東の国は滅びた事になる。信じられない。俄には信じ難い。一国が奇襲滅ぼされるなんてありうるだろうか。参加の一人が、
「奇襲で国が滅びるなんて信じ難いです。東の国の国王が何か隠しているのではないのでしょうか。」
参加者一人が、
「出鱈目を言っているのだと思います。」
参加者一人は、
「これは敵の策謀だ。」
宰相が言った。
「私にも隣国から書状来ました。私宛の王太子と王太子妃の書状です。ただ「戦争がしたくないので攻めてこないで欲しい。」と。」
宰相は手紙をメンバーに見せた。封蝋もない見すぼらしい手紙だった。参加者の一人が、
「王太子の手紙がそんな物じゃないぞ。それは偽物だ。」
参加者の一人が、
「偽物にせよ本物にせよ、国王でなく王太子の名で送られてきた書状です。奇襲にせよ軍部の独断で行なわれた可能性があります。先日も王太子の廃嫡がありました。指揮系統が正常に働いていない可能性があります。だから「攻めてこないで欲しい。」ではないしょうか。今攻め時ですよ。」
参加者の一人が、
「今東の国の国王にこんな手紙を書かせるのも「攻めてこないで欲しい」と言う手紙を書くのも油断を誘う罠ではないでしょうか。」
こう言った冷静な判断の出来る参加者もいた。しかし大半の参加者は東の国は隣国の参謀により敗北したのであり北の国はそのような参謀に踊らされないし北の国に対しては「攻めてこないで欲しい」と弱気になっており攻め時だと考える者が多かった。国王は、
「議論も尽くされたと思う。出された意見も今が東の国を救済しその悪しき隣国を平らげる好機だと思う。賛成の者は挙手願おう。」
大半の者が挙手した。
「国防大臣、一週間後の挙兵で良いな。参謀と共に東の国を助けその隣国を滅ぼす策を練り、出陣の準備をせよ。絶対に敗けられない戦いだと心せよ。」
国防大臣は承った。他の連中はオーと雄叫びを上げた。
卑怯卑劣な隣国の手口を披露され参加者は憤りを覚えた。また隣国の攻めてこないで欲しい。と言うメッセージは弱気と感じた。




