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104⚫️警報の正体
異様なほどに潮が引いていく光景を目にした瞬間、
カナタの胸の奥で、堰き止められていた何かが弾けた。
違う。これは、普通じゃない。
キーンッと耳鳴りのような感覚が頭を満たす。
それと同時に、幼い頃に聞いた’誰かの声’が、
記憶の底から鮮明に浮かび上がってきた。
「海が引いたら、迷わず逃げろ。戻ってくる波は、山よりも高い。」
その言葉が、一筋の雷となってカナタの脳を縦に貫いた。
積み重ねてきた歴史の中で、確かに得ていた記憶。
来る! 間違いなく、来る!
まだ回復しきっていない村人たち、眠りについたばかりのバルハイン。
カナタの頭の中で、狂ったように’避難サイレン’が鳴り続けている。




