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103⚫️頭の中で鳴り響く警報
不眠不休で発病者たちの治療にあたっていたバルハインが、
ようやく短い仮眠に入った。
村は、少しずつだが確かな落ち着きを取り戻しつつあった。
その間にカナタは、机に向かい、
’光の守護団’へ送る援助物資の依頼状をしたためていた。
先王エルドランとの約束を、今度こそ、この村の未来へ繋ぐための手紙だった。
そのとき。
ズズズ・・・大地が低く唸るように揺れた。
カナタは反射的にペンを置き、テントを飛び出して海へと目を向ける。
胸の奥で、冷たい何かがざわついた。
まさか・・・
例の海底火山が、本格的に動いたのか?
その違和感はすぐに、視覚的な恐怖となって形を成した。
潮が引いている。
通常の干潮の巡りなどでは断じてない。
沖合のはるか遠くまで、剥き出しになった海底が広がっていく。
先ほどまで聞こえていた風の音が止み、
海が不気味なほど静まり返る。
カナタの中で、警報が鳴る。
これは、ただの引き潮ではない。
言葉にならない’確信’だけが、
鋭く彼の脳を貫いていた。




