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056⚫️掌の上にあるもの
’光の守護団’、バルハインたちの集団、そしてカナタ。
この三者が連動して動き始めた。
水は一気に沸騰しない。
だが、確実に温度は上がっていく。
人々の生活改善は後戻りすることはなかった。
わずかでも良くなる・・それは誰もが希望を抱く未来である。
王都から離れた山岳地帯にも、その変化は届いた。
むしろ辺境ゆえに、恩恵はより鮮明だった。
食糧が届き、気候に合う作物の苗や種がもたらされ、
安全で効率的な耕作方法が伝えられる。
ローニャの集落でも、生活の質は以前とは比べものにならないほど向上した。
ある日、ローニャは父に言った。
あたし、広い世界が見たい。カナタのところへ行って、学びたい・・・。
父は腕を組み、しばらく黙り込んだ。
やがて静かに目を開き、言った。
お前は若い。見てきなさい。次の時代が、その掌の上にある・・・握るんだ、と。
ローニャは’光の守護団’のノミスギたちの移動とともに、故郷を旅立った。
カナタに会うまでには、まだ少し時間がかかる。
だが、その歩みが止まることはない。




