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021⚫️進路、考えようかな?
常温核融合(LENR)の宇宙応用は、エネルギー密度の飛躍的向上により、ロケット工学の宿命である「燃料の重さ」という制約を打ち破る。
従来の化学ロケットは、速度変化と質量比の関係を示す「ツィオルコフスキーの公式」により、機体の九割を燃料が占めざるを得なかった。
しかし、化学燃料の百万倍近いエネルギーを持つ核反応は、火星往復に必要な燃料を「ペットボトル数本分」にまで激減させる。
この劇的な軽量化と推力系の簡素化により、宇宙船は居住性と安全性を重視した真の「乗り物」へと進化する。惑星間航行は数週間に短縮され、放射線被曝リスクは最小化されるだろう。
物理的な「重さ」の制約を克服したとき、宇宙航行は化学反応の限界を超え、人類が自律的に活動できる広大な生活圏へと拡張されるのである。
「っていうニュース、わかるの、ミサちゃん?」
「よくわかんなけど。わたし、理系に進もうかな?」
「それって、パパとママの跡を継ぐってことなのね!」
「う〜ん、そこまで行くかどうか。授賞式のあとでじっくり考えなきゃね。」
ミサヨの元には、世界的な物理学賞の授賞式の招待状が届いている。
亡き両親に代わり、彼女が赴くのである。




