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お披露目式 当日

遂にこの日が来てしまった。私は絶望に明け暮れていた。

だが、仕方の無い事だ。先延ばししようとも、いずれ来る。父上がそうするだろう。


「行く準備をしようか。」


顔にも心にも行きたくないと現れているが、そんな事お構い無しに事態は進んでいく。


「レオ様、諦めて、シャキッとして下さい。後で挨拶もするのですから、笑顔をお忘れなさらず。」


「は〜い。」

やる気のない声で返事をする。

クリムに連れられて、お披露目式の会場に向かう。


やっぱり、王宮のパーティーは凄い。規模もそうだけど、レベルが違う。キラキラとまばゆく、現実味が無い。


ドリンクと簡単な食事やデザートが立食形式で並んでいた。

豪華だ。何もかも。




―――数十分後

陛下が王妃様と一緒にやってきた。


「此度は、我が息子のお披露目式に足を運んでくれて、嬉しく思う。こちらが息子のレオだ。今後とも、宜しく頼むな。」


一斉に皆の視線が私に突き刺さる。結構、キツい。


「ご紹介に与りました、レオ・ウルシェードです。若輩者ではございますが、今後ともよろしくお願い致します。」


我ながら、良い挨拶が出来たと思う。これで、ひと段落ついた。挨拶も済んで、自分の仕事を全て終えて満足していた。と言うより、いつ女装出来るか、考えていた。スイーツを口に運びながら、人間観察も行っていた。子供たちも数人居て、子供は子供同士で、大人は大人同士で集まっていた。私も必然的に子供の方に向かうのが良いと思い、向かっていた。大人達の相手なんて、お父さんがすればいい。こんな面倒くさいパーティーをやる事になったんだから、挨拶の後はパス。


子供達のところへ向かうと、最初に笑顔。これは、欠かさない。そして、声の調節をし、


「今日は来てくれてありがとう。」


漫画みたいに、キラッとか、ニコッとか、アクションが勝手に付いていることだろう。

女子は、失神間近だった。男子は、私が何もしていないのに、憧れを抱き始めている。

これに関しては良く分からないが。

今日で、確信した。私の顔は、顔面偏差値が90%は超えてるって。顔もそうだけど、オーラとか、そういう物もあるんだろう。


すると、何やら騒いでいる女の子が1人居た。


「ちょっと、どうしてくれんのよ!責任取ってくれる訳!?」


様子を伺うと、何やら、王宮のメイドらしき人が、運んでいたドリンクをぶちまけ、その女の子に少しかかってしまったみたいだ。あるあるだな。

ここは、王子として、上手くまとめてみるか。事件に首を突っ込みたくは無いけれど、傍観者も周囲の反応を悪くする。


「どうしたの?大丈夫?」


「そこのメイドが、私のドレスを汚したのですわ。このドレスが一体幾らするか、分かっているのかしら。あなたの給料をかき集めても払えない額よ。これ、どうしてくださるの?」


子供だからか、王子に対しても、結構ズケズケと言ってきた。勇気のある行動だ。先程挨拶したのを見ていないのだろうか。凄いな。


「ああ、問題はドレスなんだね。代わりのドレスを用意するから、それじゃダメかな?」


「私に代わりのドレスを着ろですって?あなた、この私を誰だか知らないようね。私のお父様はこの国の公爵ですのよ。その娘のアリア・ヨークランドですわ。」


いや、誰?知らないけど?


「君の事は分かったから、ちょっと静かにして。因みに、それで言うと僕王子なんだけど?」


アリアが黙った。よっしゃ、勝った。まあ、勝負してた訳じゃ無いけど。2人共、虎の威を借る狐みたいなもんだけどね。


「まあ、なんでも良いけど、そのままだとマズいでしょ?一応オーダーメイドだから、満足してもらえると思うけど?」


「分かりましたわ。そこのあなた、案内してくださる?」


クリムをビシッと指した。


それから、クリムがアリアを別室まで案内した。私は暇だから、着いて行った。アリアのメイドも付き添った。


「ねぇ、何で貴方まで、着いてくるの?そんな必要ないじゃない。」


「何言ってるの?ドレスを見たいからに決まってるでしょ?」


決まってるも何も無い。ドレスを見たい男なんて、変わってる。アリアも少し呆れた顔して、


「貴方、王子様なのに変わってるのね。」


「いや、それを言うなら、君こそ。王子と知っても尚、タメ口聞けるなんて、変わってるよ。」


そんな事言っていたら、到着した。私は、見る訳にもいかないから、ドアの前で待つ事にする。


「じゃあ、終わったら、出て来て。待ってるから。」


「待たなくて良いのですけど。」


トルソーに着させてあるドレス3着を思い浮かべながら、アリアを待った。




―――数分後、部屋から出て来た。



目を奪われた。え、美しい。このドレスだからなのか、アリアが麗しいのか、分からなかった。兎に角、何故かアリアが美しく見えた。


「わぁ、綺麗。」


思わず、手を差し伸べた。

アリアが分かりやすく、顔を赤らめ、手を取りそうになっていたが、すぐに立て直し手を引っ込めた。可愛いことだ。



「何、おかしな事をおっしゃるんですの?私、婚約者が居ますわ。」


「え、婚約者、誰?」


「アデル様ですわ。」


まじか。気になりかけた瞬間にシャットアウトか。

兄上から奪還するのは至難の業でもあり、普通に考えて婚約破棄する滅多に無い事なので、アリアと結ばれる事は無いのか...


そんな淡い初恋が砕け散った所で、お披露目式は終わりを告げた。






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