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お披露目式の前日

お披露目式なんてくそくらえだ。明日なんて、一生来なければ良いのに。

面倒くさいの権化。


「何が嫌で、知らないおじさん達に媚び売らなきゃいけないの?」


「言い過ぎですよ。ほぼ暗記した公爵達にお披露目をする大事な式ですよ。」


クリムも呆れつつ返答をしてくれる限り優しい。


「そーゆー事か!ここで心をグッと掴んでおけばいいと。」


まあ、レオが考えている事とクリムが考えている事は多少違ったが、訂正するのを面倒くさがったクリムがそうですそうです、と返事した為この話は終わった。


「そーいやさ、ドレス持ってっていい?」


「ダメです。」


即答された。即答する事無いじゃん?


「じゃあ、3着!!3着だけだから。」


「ダメです。そもそも、お坊ちゃまが、ドレスを持っていく意味が分かりません。お披露目式では、ドレスは着れないのですよ。お分かりですか?」


そんな正論で返されても。でも、ここで引き返す私では無い。


「いや、もしかしたら、ある令嬢がジュース零しちゃったり、なんかハプニングあるかもでしょ?」


まあ、そんなハプニングを起こす令嬢を公爵や侯爵が連れてくるとは限らないが。


「ハプニングが何かは存じませんが、滅多にそんな事態は起きません。令嬢は、ある程度経験を積んでいる人ばかりです。お坊ちゃまが心配する事はございません。」


「そうかな?俺と同い年の娘とか、来そうじゃない?まあ、折れてよ~。私は着ないから。一応予備で持っていくだけだよ。」


男が何故予備でドレスを持っていくのか全然分からないが、無理矢理でも押し通すしかない。機会があれば、女装したい。それが本音である。クリムには言わないけれど。


「はぁ。分かりました。今回だけですからね。」


やはり、ここで折れてくれるクリムは私に甘すぎる。


「じゃあ、この前作ったシンプルのやつと、フリフリのやつとマーメイドドレスで。」


しっかり、何のドレスを持っていくのか決めている辺り、ちゃっかりしている。


「あ、それと、メイク品とウィッグも入れといてね。」


完全に女装する気満々だ。クリムも呆れつつ、ドレスとメイク品とウィッグを準備している。


遂に来るのか、お披露目式。気が重い。胃がキリキリしてきた。お披露目式に行く事自体も嫌なのに、自分が主役なんて、しんどい。


明日さえ乗り切れば、その後はゆっくりできる。1日だけ。心を落ち着けるように、何度も”やれば出来る!”と復唱して緊張をほぐした。



これからも、宜しくお願い致します。

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