十五話 仲間というカテゴリー
朝、眠い目をこすりながら僕は起き出したハジメに言った。
「みんなに話がある。ロザリンドの事だ」
「飯食ってからじゃダメか?」
「大事な話だ。仲間の事だ」
「分かった。とにかくみんなを起こそう」
僕とハジメは、まだ起きていないハル、オルタス、ロザリンドを起こした。
「みんな良く聞いてくれ、ロザリンドはエルフ族だ」
そう言ったとたん、その場は静まり返った。
やっぱり言わない方が良かったか?仕方が無い。こうなったらロザを連れて逃げようか。
そんなことを思っていると、ハジメが言った。
「なんだ、そんなことか。飯食おうぜ」
腹が減っているというのに、マイケルが何か話が終わってからじゃないとダメだと言っている。とりあえずみんなを起こしたら、「ロザリンドはエルフ族だ」とか何とか言った。エルフ族?亜人種か。俺は差別感情は無いし。人じゃないとか言われてるけど仲間だし。まだ大して一緒に旅した訳じゃないが、一応死地を乗り越えて来たわけだし。別にロザがエルフだって気にしないね。でも
「なんだ、そんなことか。飯食おうぜ」
と言ったらマイケルが怒ったようにこう言った。
「そんなことかとはなんだ!仲間が必死に悩んでいるんだぞ?」
悩んでいるのか?ふむ、
「なぁロザ、悩まなくていいぞ。そんなこと。俺達は気にしない。俺は俺が人間であることに自信が無いからな。亜人も人も大して変わらん。俺を信じて付いて来てくれりゃあ仲間だ。大して一緒に居た訳じゃねぇが、それでもだ。お前を悪く言う奴は俺が許さん。お前を酷く扱う奴は仲間が許さん。安心しろ、俺が守ってやる。ロザだけじゃない。ハルもマイケルも、あと一応オルタスもだ」
「ありがとう…見直した」
そう言うと、それまで黙っていたロザリンドが泣き出した。そこにオルタスが言う。
「いいのか?エルフ族だぞ?高く売れる。旅の資金は必要だろ?」
マイケルが勢い良く立ち上がり、オルタスに掴み掛かろうとしていた。しかしそれよりも速く、俺は刀をオルタスに突きつけていた。マイケルが止まった。
「なぁオルタス。俺たちゃ仲間だぜ?仲間を売るような真似したらよ、裏切り者なんだよ。裏切り者は敵だ。俺は敵なら何の躊躇も呵責も無く殺せる。なぁ?仲間ってそういうもんだろ?なぁ?なぁ!」
「わ、悪かった!もうそんなことは言わない!剣を納めてくれ!裏切ったりしないから!」
俺は刀を納めた。マイケルも座る。
「いいか、俺達は仲間なんだ。決して裏切ったりするんじゃ無いぞ?」
皆、深く頷いた。その時、風が強く吹き荒び、周囲の物を巻き上げながら通り過ぎて行った。




