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魔法と精霊

「うん、無理。絶対無理。魔法の才能ないもん」青


シルフが匙を投げた。どうやら俺達には魔法の才能が毛ほどもないらしい。俺の使っていた魔法も、異常な魔力量にものを言わせてやってるだけだそうだ。


「こうなったら最終手段ね」青

「最終手段?」

「精霊と契約してもらう!」青


精霊と契約か。精霊と妖精って何が違うんだ?そういう知識はないのでよくわからない。わからない物は詳しい奴に聞くのが一番だ


「妖精と精霊って何が違うんだ?」

「違いか………色々あるけど、一番の違いは人型かどうかね。妖精はアタシみたいに大きさは違えど人の形をしてるけど、精霊はしてないから」青

「へ〜」


「召喚陣描いてあげるから早くやりましょうよ!」青

「よし、誰からやる?」

「本人の魔法適性に対応した精霊が召喚されるから、ご主人は2回やってもらうよ」青


話し合いの結果、俺は最初と最後に1回ずつやることになった。精霊の召喚というのは、ソシャゲのガチャみたいでわくわくする。


「俺は何をすればいいの?」

「陣の上に立ってるだけでいいよ。ご主人のことを気に入った精霊が勝手にご主人の魔力使って契約するから」青


聞けば聞くほどソシャゲのガチャだな。こっちが契約するか選ぶんじゃなくて、向こうが気に入ったらそれだけで契約成立するんだ。


召喚陣が光ると同時に、急な脱力感に襲われた。


目の前に人間くらい大きい青色のザリガニがいた。

これが精霊なのか?もっと神聖な感じの龍とか蛇とかだと思ってた。


「その子は水の大精霊ね!すごいじゃない!さすがアタシのご主人!」青

「うそ……だろ……」


大精霊?これが?どう見てもバカでかいザリガニだぞ?大精霊ならもっと神々しくあれよ………。


「ほら!サクサクいくわよ!」青


ナツキが召喚陣の上に立った。


召喚陣が光った。自分が召喚したときは気づかなかったけど、結構眩しい。


ナツキの精霊は蝶だ。ナツキの魔法適性にあった炎の蝶。普通の大きさの蝶が、大量にナツキの周りを飛んでいる。凄く綺麗だ。


「おっ!その子達は群生型ね!その子達全員で一匹って扱いになる珍しい子よ!」青


「さぁ!次は誰?」青


シュウが召喚陣の上に立った。


召喚陣が光った。


シュウの精霊は鳥だ。シュウの魔法適性にあった風を纏った鳥。人を乗せて飛べそうなくらいの大きさの鳥がシュウを見ている。


「あら、普通の子ね。他の子達より少し若いかしら」青


この見た目で普通?俺のザリガニよりよっぽど大精霊みたいな神々しい見た目してるぞ。


「ほら!どんどんいくわよ!」青


トウヤが召喚陣の上に立った。


召喚陣が光った。


トウヤの精霊はドラゴンだ。トウヤの魔法適性にあった岩を全身に纏ったドラゴン。羽根の生えた空を飛ぶようなドラゴンではなく、ファンタジー作品で地竜と呼ばれるタイプのドラゴンだ。


「あら、逆にこの子は結構おじいちゃんね」青


「さて、次が最後ね!ご主人!」青


俺は召喚陣の上に立った。


召喚陣が光ると同時に脱力感に襲われた。


目の前に……………人間サイズの黒光りするアレがいた。


「ほんっとにすごいわねご主人!その子、精霊王候補よ!」青


精霊王候補?さっきのザリガニよりすごいのか?誰がどう見ても黒光りするアレだぞ?テ〇〇ォー〇ーズのアレみたいな感じじゃなくてカサカサ動くタイプだぞ?


最悪だ。こいつが召喚された時点で契約が成立している。少なくともこの世界にいる間は、この人類の敵と一緒に行動しなければならない。俺は虫が苦手なのにこんなグロいのと一緒とか絶対に無理だ。


「よろしくお願いいたします。我が主」青

「え?」


何処からか女性の声がした。シルフの声じゃない。尾行者か?いや、それなら誰かが気づくはずだ。

まさかこの黒いのか?ありえない。というかあり得てほしくない。


「誰だ?」

「ご冗談を。私は先ほどから眼前におりますよ」青

「お前かよ………」


終わった。この声の正体は黒光りするアレだ。クソが、Gのくせになんでこんなに礼儀正しいんだよ。なんで、一番意思疎通を取りたくないやつが一番意思疎通取れそうなんだよ。マジで最悪だ。


「それで?精霊と契約することに何のメリットがあるんだ?」

「精霊はね、その属性のエキスパートなの。わからない事は詳しい人に聞こうってことよ」青


なるほど、専属のトレーナーについてもらえるようなものか。


「あとは、精霊の力も使えるようになるわ」青

「精霊の力?」

「例えば、ご主人のそっちの青い子だと水の温度とかを操れるようになるわ」青


水の温度を操れるってことは、お湯とか作れるようになるってことか。お風呂沸かすのとか食器洗いとかに役立ちそうな能力だな。Gの方はどんな能力があるんだろう。


「お前は何が出来るんだ?」

「私は眷属を自在に操ることができます」青

「眷属?」

「こちらです」青


普通の大きさの黒光りするアレが大量に出てきた。これが眷属なのだろう。つまり、俺はこいつらを自由に操れるってことだ。何に使えるんだこの能力。


「じゃ、後はその精霊達に教えてもらってね。バイバイ!」青

「逃げたな」


まあ、精霊ならいつでも教えてもらえるからいいけど。ナツキ達の強化イベントも終わったところで、さっき捕まえた騎士共はどうしようか。


事情を聞いた上で後は獣人に丸投げだな。


「おい、騎士共。誰の命令できたのか吐け」

「し、知らない!俺達は金で雇われただけで依頼者がこの先の街にいること以外何も知らないんだ!」青


嘘はついていないようだな。ただの下っ端どもかよ。もう獣人のところに置いてこよう。

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