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初めての食事

「紹介された店ってこの通りであってるよな?」

「多分………」青


モランに教えられた通りに歩いてきたら、明らかに治安の悪そうな通りに出た。人通りは少ない上に雰囲気が薄暗い。


「こんなところに飯屋なんてあるのか?」青

「嘘はついてなかったしある………はず」


とりあえずさっきからジロジロ見てきている顔の怖いお兄さんたちに聞いてみるか。


「離して!!!」


女の人の叫び声が聞こえた。声の方を見ると、ガラの悪い兄ちゃんがエプロンを着けたお姉さんの腕を引っ張っていた。絶対に面倒事なので無視したいが、そんなことしたら寝覚めが悪いので助けるとしよう。


「ねぇねぇ、お兄さん。このへんで美味い飯屋知らない?」

「うるせぇ!ガキが邪魔すんな!」青


かなり酒の匂いがする。酔っぱらいが女性にダル絡みしているといったところか。


「テメェのほうがうるせぇんだよ!こっちは腹減ってんだから、さっさと美味え飯屋教えろや!」

「えぇ……」青


目の前の人間が急にキレだしたら誰だって驚く。腕っぷしじゃ絶対に勝てないのだから、こうやってイカれた人間を演じて引かせるのが一番穏便に済むだろう。


「な、なんだよテメェ……急にキレやがって……」青

「いいから美味え飯屋教えろよ。無理ならとっとと失せろや」

「チッ」青


酔っぱらいが舌打ちして去って行った。いろんな人に見られてるので今すぐにここを去りたい。もう、このお姉さんに飯屋のこと聞こう。


「あ、ありがとう………ございます」青

「どういたしまして。ところで、御飯の美味しいお店知りませんか?」

「御飯屋さん………よかったらあたしの店に来ます?」


私の店ってことは、この人飲食店経営者ってことだよな。もう空腹も限界だし、この際料理であれば何でもいい。


「行く」

「え?」青

「もう5日も何も食ってないんだ。早く案内してくれ」青


案内された店は、飯屋ってよりは酒場って感じだ。定休日なのか、客は一人もいない。


「ここがあたしの店だ!さて、ご注文は?」青

「支払いが大銀貨5枚までにおさまるようにできるだけ多く食いたい」

「危ないところを助けてもらったんだ。お代はいらないよ」青

「じゃあ、おすすめを人数分」

「はいよ!」青


意外と姉御肌で元気な人みたいだ。こんな感じの雰囲気の人に最近会ったことある気がする。


「本日のおすすめ、オーク肉のステーキだ!」青


見た目は少し大きめのポークステーキだ。めちゃくちゃ美味しそう。オーク肉ってことは、ファンタジーでよく見る二足歩行の豚の肉ということか。やっぱり味も違うのかな。


「いただきます」


美味い。ひと言で表すなら、最高品質の豚肉だ。日本にいた時に食べた豚肉とはレベルが違う。豚の旨味を極限まで突き詰めた感じ。そして、その旨味に負けないどころかさらに旨味を引き立ててくれるソース。これが無料て食えるなんて最高だ。


「美っ味!!」

「美味しいかい?そりゃよかった!」青

「マジで美味いよこれ!」

「その程度の料理で喜ぶなんて変な子たちだねえ」青


え?これより美味い食物あるの?マジで?これでも充分美味いのに。この世界の料理って地球より発展してるんじゃ………。


「あんたら冒険者かい?」青

「ん?うん、さっきなったばっかりだけどね」

「そうかい!あたしの息子も冒険者なんだよ!」青

「へー、名前は?」

「アランだよ!」青


既視感の正体はこれか。確かに雰囲気がアランににてる。あれ?アランの父親ってモランだよな?そして、この通りに美味い飯屋があるって………。

あいつ、自分の嫁の店紹介しやがったな。美味かったからいいけど。


「あいつか!」

「あんたら、息子のこと知ってんのかい?」青

「知ってるも何も、俺達を担当した試験官だよ」


とは言っても、アランとまともに会話してないんだよな………。四条院の件も言わない方がいいだろうし、話のネタがない。次に行く街の話でもするか。


「俺達、国を出たいんだけどさ、どうやったら出れる?」

「それなら東に進むといい。妖精の森を抜けた先にある町から隣国行きの馬車が出てるからね!」青

「マジ?ありがとう」


次の目的地は妖精の森とやらの先にある町だな。でも、金がない。索敵者の称号持ちがいるし、馬車の護衛とかでいけないかな。

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