91. 裏闘技場の砂竜①
あと15分くらいかな。まあ余裕だろ。
目の前の亜竜と相対しながら、俺は人化のリミットを確認した。
亜竜についての情報は、奴が大扉から出ると同時にアナライズをしておいたので把握済みである。
名前:
属性:土
種族:亜竜族 レッサーサンドドラゴン
称号:
ノーマルスキル:サンドブレス、サンドストーム、地響き、自己再生
カスタムスキル: ユニーク
スペシャルスキル:
魔法:サンドスピアー、フィズライズ、グラビティフィールド
どうやら自己再生があるらしい。
なかなか厄介である。
とりあえず軽くつついてみるか。
「ダークアローッ!」
手始めに威力は小さいが遠距離で攻撃可能な魔法で亜竜の反応を見てみることにした。
魔法って便利。
俺の掌から放たれた黒き矢は、狙い通り正確に亜竜の眉間へとヒットした。
しかし黒き矢は亜竜の硬い鱗を貫くことができず、弾かれ砕け散ってしまった。
亜竜は再び低く唸って、さらに俺と距離を取った。
どうやら怯ませることくらいはできたようだ。
俺は未だ怯んでいる亜竜との間合いを一気に詰めると、その顔を袈裟懸けに斬った。
グォオオッ!
亜竜は怒りのこもった鳴き声を上げながら、斬られて血まみれの口を開いた。
・・・ブレスか。まずいな。
俺の背後にはリサとヘテロがいる。
避けるわけにはいかない。なんとか防がねば。
俺は距離を取って亜竜を見据えると、剣を正眼に構えた。
亜竜が咆哮とともにブレスを吐いた。
ジェット噴射のような勢いで砂の嵐が襲い掛かってくる。
俺は剣の切っ先から壁状に魔力を展開すると、襲い掛かる砂嵐をを魔力の壁で絡めとった。
凄まじい勢いの砂嵐は、しかし俺の眼前にできた壁に完璧に阻まれる。
クラウスに教えてもらったサミダレハバキ流の奥義・洞竜である。
こんな事もあろうかと、念のために使いこなせるようにしておいたのだ。
猛烈な砂嵐は徐々に威力を落として行き、しばらくして砂嵐はおさまった。
砂嵐のおさまった先では、リングが削れかなり凹んでいた。
リングに使われている石材は相当頑丈に見えるのだが、亜竜のブレスの前には形無しなようだ。
・・・サンドブレスという名前から頭の片隅で、大したものではないのでは?と思っていたが、どうやらまともに食らうのはまずそうである。
リサとヘテロもいるし、次のサンドブレスを使わせる前に片をつけた方が良いね。




