82. 作戦会議・訂
夕刻、宿の一室にて。
俺はレス達と救出の方針を考えることにした。
「どちらを先助けるか。あるいは同時に助けるか。ですか」
「うん」
宿の一室。
俺は部屋の中央に置かれたテーブルの上で腕を組んで考え込んでいた。
リサが囚われていると思われる裏闘技場の場所と、奴隷として捕まった人達が囚われているレンガの建物が、距離的にかなり離れている。
一方で動いて騒ぎになると、もう一方の警戒が上がる可能性があるのだ。
それを避けるには両方同時に助けるしかないが、俺とレスが分かれて対応することになってしまう。
つまり戦力が分散するというデメリットがある。
「まあ、戦力分散と言っても、俺やレスなら単騎でなんとかなる気がするね。とりあえずリサの救出はレスと女剣士さんたちに任せて、俺含め残ったメンバーで他の皆を助けに行こうか」
「しかし旦那。たった3人で裏闘技大会に殴りこんで、捕まった女の子を救えるものなのか?」
ガイアが疑問を口にした。
ヘテロと仲良くなったおかげか、作戦会議に真剣に参加してくれているようだ。
「なにも殴り込むだけが選択肢じゃないだろ。余興が始まる前に控室を見つけてこっそりリサを連れ出すとかね」
「そうですね。穏便に済ませるならば余興が始まるまでが勝負でしょう。余興が始まってしまった場合は、魔物ごと余興を叩きつぶすことになりますね」
「うん。できれば余興自体も叩き潰したいけど、子供を守りながらとなると厳しいしな。まあ、その辺は状況に応じて臨機応変にやってくれ」
「了解です。リョウ様」
俺に向かってレスは恭しく首を垂れた。
大まかな方針は決まったので、レスとクラウス達には作戦の詳細を詰めてもらうことにした。
俺はというと、単身夜の町へと出かけていく。
そしてタロジロ達がいる牢獄に戻って皆の無事を確認すると、救出が明日の夜になることを伝えた。
作戦が一日延びたことを伝えたら、タローは気丈に振舞っていたが、ジローは口をへの字に曲げてむすっとしてしまった。
あと一日じっとしていられるだろうか?かなり心配だ・・・。
一応念のため、身に危険が及びそうになったら暴れて良いと言っておいたが、やはり長く離れるのは何とも心配である。
明日の夜はなるべく早く助けにこなきゃいけないな。




