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転猫  作者: 相川秋実
第一章
82/137

82. 作戦会議・訂


 夕刻、宿の一室にて。

 俺はレス達と救出の方針を考えることにした。


「どちらを先助けるか。あるいは同時に助けるか。ですか」

「うん」


 宿の一室。

 俺は部屋の中央に置かれたテーブルの上で腕を組んで考え込んでいた。


 リサが囚われていると思われる裏闘技場の場所と、奴隷として捕まった人達が囚われているレンガの建物が、距離的にかなり離れている。

 一方で動いて騒ぎになると、もう一方の警戒が上がる可能性があるのだ。

 

 それを避けるには両方同時に助けるしかないが、俺とレスが分かれて対応することになってしまう。

 つまり戦力が分散するというデメリットがある。


「まあ、戦力分散と言っても、俺やレスなら単騎でなんとかなる気がするね。とりあえずリサの救出はレスと女剣士さんたちに任せて、俺含め残ったメンバーで他の皆を助けに行こうか」

「しかし旦那。たった3人で裏闘技大会に殴りこんで、捕まった女の子を救えるものなのか?」


 ガイアが疑問を口にした。

 ヘテロと仲良くなったおかげか、作戦会議に真剣に参加してくれているようだ。


「なにも殴り込むだけが選択肢じゃないだろ。余興が始まる前に控室を見つけてこっそりリサを連れ出すとかね」

「そうですね。穏便に済ませるならば余興が始まるまでが勝負でしょう。余興が始まってしまった場合は、魔物ごと余興を叩きつぶすことになりますね」

「うん。できれば余興自体も叩き潰したいけど、子供を守りながらとなると厳しいしな。まあ、その辺は状況に応じて臨機応変にやってくれ」

「了解です。リョウ様」


 俺に向かってレスは恭しく首を垂れた。

 

 大まかな方針は決まったので、レスとクラウス達には作戦の詳細を詰めてもらうことにした。


 俺はというと、単身夜の町へと出かけていく。

 そしてタロジロ達がいる牢獄に戻って皆の無事を確認すると、救出が明日の夜になることを伝えた。


 作戦が一日延びたことを伝えたら、タローは気丈に振舞っていたが、ジローは口をへの字に曲げてむすっとしてしまった。

 あと一日じっとしていられるだろうか?かなり心配だ・・・。

 一応念のため、身に危険が及びそうになったら暴れて良いと言っておいたが、やはり長く離れるのは何とも心配である。


 明日の夜はなるべく早く助けにこなきゃいけないな。


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