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転猫  作者: 相川秋実
第一章
75/137

75. 作戦会議・裏

 リョウ達と奴隷解放の打ち合わせをした後、クラウス達は自分達のテントに戻った。

 そして今度は冒険者のメンバーのみで会議を始めた。


「クラウス。どうするんだ?」

「どうする、とは?」


 開口一番に問いかけてきたガイアに対して、クラウス問いで返した。


「いや、このまま旦那達に協力したらゲオルグを敵に回すことになるぜ?俺達が関わっていることがバレれば警備隊に通告されるかもしれねぇし、あるいはゲオルグの子飼いの追手がつくかもしれねぇ」


 ガイアは真剣な眼差しでクラウスの反応を伺った。

 ガイアが言った事を要約すれば、それはすなわちシスイにはいられなくなるという事だ。

 シスイ国を拠点として冒険者稼業をしている彼等にとっては、それはそのまま死活に係る問題である。

 おのずと他のメンバーにも緊張が走った。そして彼等もリーダーであるクラウスの回答を静かに待つ。


「お前はどうするつもりなんだ?ガイア?」

「俺は・・・。すまねぇ、悪いが俺はヘテロ達に協力してやりたいと思っている」

「隊長。いえ、お父さん。私も彼等に協力したいです」


 クラウスの娘もガイアに同調した。


「ミシル、お前もか・・・」


 2人してクラウスを強い眼差しで、責めるように見つめてくる。

 それを見たクラウスは渋い顔をし、2人から目を逸らすように他のメンバー達に視線を移した。

 彼等もクラウスをじっと見返している。

 どうやら思いは同じようだった。


 クラウスは大きくため息をついた。

 パーティメンバーを説得するのは難しそうだ。


「・・・ま、こんなクソみたいな仕事しかないシスイには、元々長居はするつもりはなかったしな。俺達ならどこに行ってもやってけるだろうさ。リファニアに戻ってもいいが、シスイに近すぎるってんならアルテアより西に行ってもいいだろう。なんなら良い機会だから帝国くんだりまで行ってみるか?」


 クラウスは軽く溜息をついた後、肩をすくめておどけて見せた。

 クラウスの予想外の回答に、ミシルとガイアが互いに顔を見合わせ笑いあった。

 固唾を飲み込んで待っていた他の仲間達もほっとしたように肩を降ろしている。


 仲間たちのそんな反応を見ながら、クラウスは今後訪れるだろう過酷な日々を思い、ひとり物思いにふけるのだった。

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