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転猫  作者: 相川秋実
第一章
73/137

73. シスイ国

 シスイ王国。


 この国は建国から二百年しか経っていない若い国だそうだ。

 広大な砂漠の中央にあるオアシスにできた国で、湖を中心としてレンガ造りの家々が立ち並んでいる。

 そして町の中心には、遠目にもわかる巨大な宮殿が建てられていた。


 俺達は町の入口でキャラバンと別れをつげて、今は大通りを進み中央広場を目指している。

 大通りの両脇には絨毯の上でモノを売る商人が屋台などが所狭しと並んでいた。

 少し前に立ち寄った交易都市ルクスマダにも負けず劣らず活気に満ち溢れた町なようだ。


「なあ、あれってなんて書いてあるんだ?」


 ヘテロがやおら上の方を指さす。

 大通りの上を大きなバナーが渡っていて、そこに何やら文字が書かれていた。


「にゃ(わかんね。そういや俺、読み書きできんかったわ)」

「おや、そうでしたか。ではこれから時間を見てお教えしましょう。ちなみにあのバナーにはシスイ建国祭と書かれているみたいですね」

 

 レスがモノクルの奥の瞳を細めながらバナーを見て言った。


「にゃ?(建国祭?)」


 俺の問いに対してレスがクラウスを見る。

 レスに促されたクラウスがしぶしぶと答えた。


「・・・シスイ一世が200年前にこの国を興したのを祝って毎年開催されている祭だ。確か開催は・・・明日からだな」


 祭かー。

 なかなか興味深いな。異世界の祭りとはどんなものなのだろうか?こんな状況じゃなかったら、祭を楽しんでいったんだけどな。

 残念な気分になったが、祭は毎年やってるらしいからまた来年行けばいいだろう。


 今はやるべきことに集中しないとね。


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