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転猫  作者: 相川秋実
第一章
72/137

72. 砂かけ婆って妖怪は地味に嫌すぎるなと大人になって思う

夜中に出会った見知らぬ婆に砂をかけられたら、たぶん泣く(´・ω・`)


「にゃ(ちょっと行ってくる。レスはキャラバンに敵が入らないように守ってやってくれ)」

「了解いたしました、我が主よ。どうかお気をつけて」


 レスが恭しく首を垂れた。いちいち大げさな奴である。

 俺は小さくうなずくと、人化をして暗闇の中へまっすぐ駆け出した。


 闇の中の気配が目の前に迫る。


 俺は走りながら気配の直前で剣を抜いた。

 そして通り抜けざまにその気配を切り裂く。


 ゲギャッ


 奇妙な声ともに気配はそのまま動かなくなった。

 仲間の死を何らかの方法で察知したのだろう。周りの暗闇から動揺したような気配が漂う。


 ・・・まあ、こんなもんか。


 俺は敵の手ごたえの無さに若干肩を落とした。

 ここ数日、キャラバンと同行しているせいでクラウスとの剣の修行ができず、俺は少なからずストレスが溜まっていた。

 良い機会だから、こいつらには俺のストレス発散相手になってもらいたかったのだが、正直手応えが無さすぎる。

 まぁ、素振りをするよりはましぐらいかな。


 闇の中を疾走し、俺は気配を次々と斬っていった。

 数分もしないうちに、キャンプの周囲から敵の気配は無くなった。


 気配を狩る途中で、

 (サンドアローを習得しました)

 というアナウンスが俺の頭の中に浮かんできた。


 おそらくこれは、以前ゴースト師匠から聞いていたアナライズの追加機能だろう。

 スキルや魔法を得たり進化が可能になったタイミングで親切にもそれを告知してくれるそうだ。

 アナライズの熟練度が上がると使えるようになるとのことだったが、いつの間にか得ていたらしい。

 だいぶ前にも進化する際に何か聞こえてた気がするが、進化時は眠くなるから記憶が曖昧なんだよね・・・。


 翌日。

 キャラバンは朝から騒然としていた。

 野営地を取り囲むようにして、亜灰蠍の死骸が散乱していたからである。


「なんだこりゃ?昨日見たモンスターか?」

「いや、昨日のやつよりゃ小せえだろう。子供か何かじゃねえか?しかしこれは一刀の元に切断されているな。見事な切り口だ」

「まじかよ。剣で切れるもんなのか、こんな硬てえのに」


 ヘテロとガイアが亜灰蠍の死骸の前にかがんで話し込んでいた。

 いったいいつの間にこの2人は仲良くなったのだろうか?


「・・・旦那の仕業だな?」

「にゃ~(おうよ)」


 クラウスが問いかけに俺は頷いて見せた。

 クラウスも昨日の気配には気付いたらしいのだが、すぐに気配が消えたので気のせいだったと判断していたらしい。

 とりあえずキャラバンのリーダーには亜灰蠍の群れはクラウスが斃したことにして報告してもらった。

 このまま放置していたらキャラバンの人達が不安がるし、かといって真実を言う事もできないしね。


 さて、昨日のアナウンスが気になったので恒例のアナライズをしてみた。


名前:リョウ

属性:光

種族:魔猫族 猫又

称号:剣聖、拳達、退魔士、死ぬほど猫好き、大魔王の末裔

ノーマルスキル:じゃれる(魅力大)、かみつき(貫通大)、あまえる(魅力大)、こびる(魅力大)、すり寄る(魅力大)、引っ掻く(斬撃中)、アナライズ(中)、念話、人化の術、変化の術

カスタムスキル:闘気

スペシャルスキル:百禍両断、しんかのひほう

魔法:ヒール、ホルヒール、キュア、ホルキュア、ホルフィズライズ、ホルマギライズ、エンチャント・闇、エンチャント・魅了、ダークアロー、サンドアロー


 アナウンスの通り、サンドアローを入手していた。

 どうやらダークアローの砂版のようだ。砂の矢とかなんか脆そうだけど意味あるんだろうか?

 今は人目があるから試せないけど、そのうち折を見て試してみよう。


 亜灰蠍との戦いから数日後。

 俺達は無事目的地であるシスイ国に到着した。


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