62. 大漁
という訳で現在。
捕らえた男達は両手を後ろで縛って床に座らせた。
ちなみに傷は、俺がヒールを使って治療済みである。
ヒールで傷を回復している間暇だったので、治療ついでにアナライズしてみた。
名前:クラウス
属性:火
種族:人族 人間
称号:元ミリアス王国軍第2騎士団長、サミダレハバキ流剣豪
ノーマルスキル:無影刃、迅切・三連撃、剣弾き(中)、虎狼返し、朧月、隠五月雨斬り
カスタムスキル:奥義・洞竜
スペシャルスキル:
魔法:探知、察知、ファイアアロー
名前:ガイア
属性:火
種族:人族 人間
称号:
ノーマルスキル:
カスタムスキル:
スペシャルスキル
魔法:
ふむ。クラウス強いな。
クラウスはサミダレハバキ流なる流派の剣豪という称号持っていた。
そしてサミダレハバキ流関連と思しき面白そうな剣術系スキルを色々と持っているようだ。
さっきの戦闘ではスキルとか見る前に瞬殺しちゃったんだが、やはりできればスキルは一通り見てみたかった。
なんか奥義とか持ってるしね。これは是非見てみたかったな。
しかしガイアは弱いな。
色々できるクラウスに対して、ガイアはスキルも魔法も持ってない。
今まで良く生き延びてこれたものである。
まぁ俺だってスキルや魔法が無くても余裕でこの世界を生きてけるだろうが、こいつと俺と比べるのもなぁ・・・。
多分ガイアは、今まで筋力に任せて生きてきたんだろうな。
そんな2人は今、両手を後ろで縄で拘束された状態で座っている。
ガイアは今にも飛び掛かってきそうな感じでこちらを睨んでいるが、クラウスはかなり慎重にこちらの反応を一つも見逃さないように伺っているようだった。
そんな折、集会所のドアが開かれて誰かが入ってきた。
「リョウ様。拠点の外にいた怪しい人間どもを連れてきました」
入ってきたのは赤の竜将ハインツだった。
彼は手に縄を持っており、縄の先には男女が4人、それぞれ首と手をつながれていた。
「こいつらはお前らの仲間か?」
「・・・ああ、そうだ」
俺が質問すると、クラウスが簡潔に答えた。
「割と大量に釣れましたね、リョウ様」
「ああ、そうだな。まあ、すぐに釣れて良かったよ」
俺は傍らに立つレスと目配せをして、うなずき合った。
ヘテロ達を枷から解放した後、枷は破片となったが追跡の呪紋自体は生きていた。
呪紋を機能しなくすることもできたのだが、追跡者を捕えるためにあえてそのまま残していたのだ。
さて、役者もそろったし、俺はクラウスに彼等について詳しく事情を聴くことにした。
クラウス曰く、クラウス達6名はアインベルグから南にあるシスイ国を拠点に冒険者をしているらしい。
普段は魔物を狩ったり、有力者や商人の護衛をしているそうだが、今回は逃げ出した奴隷を連れ戻す依頼を受けたのだそうだ。
「他の皆はどうしたんだっ!?」
ヘテロがクラウスに掴みかかった。
「・・・他の奴隷達は既に見つかっている。今頃は奴隷商人がシスイに居る元締めに引き渡しているはずだ」
「てめえっ!」
ヘテロの拳が振り上げられた。
俺はすみやかに人化をしてその拳を掴んだ。
「落ち着けヘテロ。そいつを殴っても何にもならん。それよりも情報を得ることが先だ」
「けどっ!」
悔しそうにこちらを見るヘテロ。
俺はヘテロの頭に手を置いて、じっとその目を見つめた。
「今は、一刻も早く情報を得て、他の子達を助けに行くのが先決だろう?」
ヘテロは拳を下して、気まずそうに目を反らした。
俺はクラウスに向き直ると、なるべく表情から感情を消して居丈高な感じで告げた。
「さて、クラウス君。君たちに選択肢を与えよう。このアインベルク跡地に仲間と供に仲良く骨をうずめるか、俺達に協力してシスイ国の奴隷元締めとやらのところまで案内するか。2つに1つだ」
クラウスが、ゴクリと唾を飲むのが聞こえた。
「・・・生憎まだ死ぬわけにはいかないんでね。あんたに服従する方を選ばせてもらう」
「そうか。じゃあ、そのシスイの元締めとやらのところまで案内してくれ」
「・・・シスイに行ってどうするつもりなんだ?」
緊張した面持ちでクラウスが聞いてきた。
「決まっているだろう。元締めとやらをぶっ飛ばして残りの奴隷を解放するのさ」
「・・・は?」
呆けた顔でクラウスが返事をした。
なんだその反応は。クラウスは、俺達がシスイに行って国を亡ぼすとでも思っていたのだろうか?
「おいおい、冗談だろ?魔物が人の奴隷を助けるっていうのか?」
ガイアも仰天した顔でこちらを見ている。
俺はクラウス達をゆっくりと見回した後で宣言する。
「別に何もおかしくはないだろう? 義を見てせざるは勇無きなり、ってね」
彼等にニヤリと笑って見せた後で、この世界にもこの諺はあるんだろうか?と、どうでもいいことが頭をよぎった。
なんか以前にタローも使っていた気がするし、まぁいっか。




